その46
誤字報告いつもありがとうございます。
お茶セット… まぁ、ティーカップなんですけどね。当然お茶そのものも用意しないといけないわけで… お湯は魔法で出せるけど、これはアレですね! 最初からポットにお茶を淹れておけばいいのです! それを収納してしまえば万事おっけーですよ! 事前に淹れておかないといけませんが、そこは私が頑張りましょう。
それでは、今日の労働はこのくらいにしましょうかね。宿に戻る前にギルドでコカトリスのお肉を換金しましょうか、懐の方も温めておかないと、掘り出し物を見つけてお金が足りないとか切ないですもんね。
「ギルドに行ったときにやっていれば良かったですね、まぁ後の祭りですが。あの時はテーブルしか頭になかったから仕方がないと割り切りましょう」
転移陣を使い1階層に戻る。そのまま迷宮を出ると、いつもの職員さんがびっくりした顔をしています。
入場管理をしているのならそうですよね、転移魔法で制御室に直接飛んでますから、この入り口は使っていません。
まぁ話しかけられる前に離れてしまいましょう。
一度にたくさん売りつけると価格破壊が起きてしまいますので、その辺はギルドの方と相談しましょう。通常の方が良いのか、ブラックが良いのかの確認も必要ですね。
正直に言ってブラックの方が在庫はあるんですよね、絶滅させるつもりで狩っていましたから。てへ♪
「似合わない事は止めましょう、猛烈に恥ずかしくなってしまいました」
ギルドに着いたので、受付嬢さんに声をかける
「買い取りをお願いします」
「よ、ようこそ…」
ん? なんですか? 今のぎこちない態度は。もしかしてギルドマスター夫婦が、私の事を悪しざまに何か言っているのでしょうか? もしそうなら… ふふふ。
「少しお待ちください!」
受付嬢さんはそう言い残すと奥へと消えていきました。えっとどういう事でしょうか? 私は何もしてませんよね?
驚きつつも待っていると、サブマスターテネシーさんが現れました。
「いやーごめんね? アリシアさんが来たら私かギルマスに取り次ぐように伝えてあったんだよ。それで用件は何かな?」
「用件はですね、ちょっと買い物をしたら予算が厳しくなったのでお肉を売ろうと思いまして」
「お肉? コカトリス?」
「ブラックでお願いします」
「ブラック? アレはまだ買取金額の設定が終わっていないんだけど… どうするかな」
「まぁそういう事なら仕方がありませんね、普通のコカトリスのお肉でもいいです。ああそういえば、宿屋でブラックコカトリスを買ってもらえるかもしれませんね」
「待って待って、買うから! 買わせて!」
じっとりとテネシーさんを見つめます、どうせまだ金額設定がーとか言って買い叩くつもりだったのでしょう。そうはいきませんよ!
「本当にまだ決まっていないのよ、だから… 1個金貨2枚でいいかな? 10個までなら今すぐ払えるよ?」
「金貨2枚ですか、随分と買い叩いてきますね」
「いや、これは本当にこれ以上出せないのよ。まだどのくらいで売れるか分からないんだから、さすがにサブマスの権限じゃ…」
「まぁいいでしょう。それでは10個という事でお願いします」
「了解だよ」
あからさまにホっとした顔を作り、倉庫の方に案内してくるテネシーさん。元気そうに見えますが、もしかして相当疲れてるのかもしれませんね。まぁ健康管理は自己責任なので、とやかくは言いませんけど。
金貨20枚を受け取ってギルドを出て宿へと向かいます。今日の夕食は迷宮産のお野菜を使った料理のはず、とても楽しみですね。
納品してあるイモ、ネギ、タマネギ、カボチャ… どの野菜も使いどころはたくさんありますからね、トウキビもスープに入れたりするととても美味しくなります。
「そうだ! ドリアードのりんごを使ったパイを作ってもらいましょう。あの料理長さんならきっと美味しく作れるはずです! 後程交渉しないといけませんね」
やはり美味しい物の事を考えるとテンションが上がりますよね! 自分でも作れればいいのですが、さすがに公爵家では厨房に入ること自体許されませんでしたし、前世の知識にもアップルパイのレシピなんて持ち合わせていません。
やはりここはプロの方にお願いするべきですよね…
宿へと向かう足取りは軽く、テクテクと歩いていき目的地に到着する。現在時刻は5時ですね、これなら先にお風呂に入れますね。
「お帰りなさいませアリシア様。お夕食はいかがなさいますか?」
「先にお風呂に入ってきますので、そんな予定でお願いします」
「承りました」
看板娘さんとお喋りをしてからお風呂に向かいます。いつものように服ごとクリーンの魔法をかけ、脱いだ服は収納魔法で片付けます。魔法を使っていますのでかけ湯は必要ありませんが、一応マナーなのでやっておきます。
かけ湯を済ませてからゆっくりと湯船に体を沈めていきます…
「ふぁー、今日はちょっと熱めですね。ですが、それが良い!」
前世の記憶では、温泉宿に泊まってお風呂に入ると、湯船の中でお酒を飲むなんて事があったと思います。さすがに湯船でワインは似合わないでしょうけど、少しだけ興味はありますね。個人的には普通にジュースでも良いですよね、ドリアードのりんごを搾ってみましょうか。ああ、アップルティーという手もありますね、明日はドリアードをメインに狩りましょうか。
りんごジュースも、搾ったままの100%果汁だといまいちだった記憶があります。やはり美味しくいただくためには手間をかけなくてはいけませんよね…
ああでも、ミキサーが無いじゃないですか。これだと本当に力尽くで搾るしか… どうしましょうか。
あーでもないこーでもないと考えてみましたが、解決策は見つからず諦める事にしました。普通にカットして食べても美味しいですのでそうしましょう。
たっぷり2時間堪能し、湯船から出る。体を拭いてから収納から部屋着を出して着込むと、のそのそと食堂に向かって歩き出す。
さぁさぁ夕食ですよ! 今日もなんだかんだと歩き回りましたからね、お腹は空いています!
食堂に入ると、今日は珍しく混雑しているようでした。これは宿泊客だけではないようですね、何かあったんでしょうか。
どの席に座ろうかと考えていると、料理長さんが出てきました。
「アリシアさんすいません、混み合っているので個室でも良かったですか?」
「個室なんてあったんですね、問題ありませんよ」
「わかりました、それではご案内します」
料理長さん自ら案内をしてくれるなんて、ちょっとリッチな気分になりますね。




