その28
のんびり不定期連載です。 そして誤字報告いつもありがとうございます
「そいやー!」
すでに光の芸術と言ってもいい程の、数多の光線を乱射してブラックコカトリス(仮名)をバタバタと倒していく。
「ふっふっふ。良い調子ですよぉ? どんどん進みましょう!」
翌日の午後には45階層に到着し、黒いコカトリスだけを狙ってお肉を回収していきます。せっかくなので、ここよりも奥に進んでしまおうと考えていました。
「このコカトリスエリアの守護者はどんなコカトリスなんでしょうね、もしかしたら黒いのより更に上位種とかがいるかもしれません! 是非とも確認しなくては!」
進めば進むほど魔物の密度が高くなっていき、48階層では一度に現れるブラックコカトリスは5羽ほどいるのです。
しかし、ビームライフルの絨毯爆撃によって瞬殺されていきます。実に楽でいいですね! お肉の在庫もどんどんと膨れ上がり、気分は高揚してナチュラルハイになってしまいます。
「飛びます飛びます!」
特に意味も無く飛空魔法で高度を上げ、高い所からの爆撃を楽しんでるその姿はなんと形容すればいいのか…
「おや、どうやら階段が見つかってしまいましたね。次は49階層… きっとここよりも多めに出てくるに違いありませんね!」
意気揚々と階段を降りて49階層に行く。
しかし、歩けど歩けどコカトリスは出て来ません。通路も一本道ですし… これは一体どういうことでしょうか。
「おや、もう階段ですか? もしかしてここはワンフロアまとめてセーフエリアだったのかもしれませんね。今の時間は… もう夕方の5時ですか、通常であれば本日の営業は終了にするところですが、せっかくなので50階層を見てみましょう」
階段を下りて50階層に到着。 しかしまたしても一本道… その先には重厚な扉が設置されています。
「アレは恐らくボス部屋ですね、でも途中のフロアにあのような扉は無かったんですけど… 50階層だから中間地点として、この迷宮としての中ボスがいるのでしょうかね」
ここまで来て途中で止めるという選択肢はありません、そのボスとやらを拝んでみようじゃありませんか。 ビームライフルで事足りるとは思いますが、念のためレーザービームの準備もしておきましょう。私の最強魔法を使う事になるかは敵次第ですが…
おかしなテンションのまま、大きな扉に触れてみました。 すると扉は自動で開いていきます、ゴゴゴ…と、重そうな音を立てながら。
「さぁ行きますよ!」
スタスタっと中に入ると、自動で開いた扉が勝手に閉まっていきます。これはアレですね? ボスを倒さないと出られないという…
中は直径30メートルほどの半円ドーム状になっていて、その真ん中付近に魔方陣が浮かび上がりました。
「ほぁぁ、これはなんとも幻想的ですね。ファンタジーですよ」
現れた魔方陣から煙のような物が噴出し、気が付くと、とても大きな金色のコカトリスが立っていました。 その大きさは… 体高だけで3メートルはありそうです。金色の羽毛は、薄暗い迷宮内だというのにキラキラと輝いていて、その羽だけでも装飾品として価値がありそうです。
「この部屋は未踏破のはず。という事は、このコカトリスを見た者は1人もいないって事ですよね? ふふふっ、大きなお肉を落としてくれそうですね」
一歩前に出ると、金色コカトリスも反応して向かってきました。
「とやー!」
レーザービームを一閃、その長い首がポトリと落ちて、走ってきていた勢いのまま滑ってきました。
「よし! 迷宮に吸収されてしまう前に羽とか取れないですかね」
収納から解体用ナイフを取り出して金色コカトリスに駆け寄ります。 この迷宮の魔物は、倒してから30秒ほどですぐに消えてしまうので時間がありません。
「あっ、もう消えてしまいました… 残念です」
走り寄ってすかさず行動に移したにもかかわらず、羽を取る事が出来ませんでした。
「あっ、やはり落ちるお肉は大きいですね。せっかくなので頂きましょう」
大きなお肉を収納にしまい、改めて周囲の様子を伺う。向こう側に扉がありますね、あれを進めばいいのでしょう。
その前に、この部屋の中を注意深く見て回ります。ゲーム的に言えば、中ボスだというなら宝箱とかあってもおかしくないですよね?
「何もないです… がっかりですよ」
先ほどのナチュラルハイ状態はすっかり解除されて、少しだけしょんぼりとしながら奥の扉へと向かいました。
扉を開けて中の様子を伺うために探知魔法を放つ。
「おや? ここは…行き止まりになってるんですか?」
探知魔法の結果、割と狭い範囲での密室になっているようです。魔物もいないようなので中に入ってみると、部屋の中央部には大きな水晶が置かれていました。
「これは… なんとも見事な」
水晶が置かれている台座からは、なにやらコードのような物が伸びており、少し科学的な要素を感じる部屋になっていました。
「これは… 水晶を含めて何かの装置なのでしょうか、水晶からは結構な魔力を感じますし」
夕食の時間は過ぎているけれど、これは気になって食事どころではありません。少しだけ調査してみましょう。
水晶に近づいてみると、そばにはテーブルが設置されていて椅子もあり、テーブルの上にはモニターのような物が置いてありました。
「これは… なにかの指令室みたいな感じですね。 あっ!もしかしてこれはダンジョンコアというやつなのでしょうか? え? という事はここが最下層なんですかね」
テーブルに近づいてみる。特に汚れてなく、埃も乗っていません。まるでつい先ほどまで使われていたかのような状態です…
何の気なしに椅子に座ってみると、金色コカトリスがいた部屋と繋がっている扉が閉じてしまいました。そしてモニターらしき物が光り始めたのです…
「これは… 全然わかりませんね。アマンダ様に伺ってみた方が早そうですし、ギルドにも報告しておいた方が良さそうな案件ですね」
次は転移魔法で来れるように、しっかりと記憶しておきましょうか。ついでに色々と見て回り、内部の様子も確認してからここで野営にしましょうか。
隣の部屋との扉は、近くに小さな水晶が壁にはまっていて、それに触れると扉が開く事が解りました。閉じ込められたという訳ではなかったようです。
「という事は… この部屋ならば浴槽を出しても平気ですかね? 見た所監視されているような気配は感じませんし、魔物もいない安全地帯なのではないでしょうか」
一応壁際に行って、魔法障壁を展開して浴槽を出したのだった。




