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なんか祖国が滅んだけど私のせいじゃないよね? ~転生元公爵令嬢の夢見る幸せのカタチ~  作者: ぽいずん
【番外編?】アリシアが行く! ~大地を救った使徒様が異世界に出張するようです~

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その29

のんびり不定期連載です。

「ひゃぁ~ お風呂は気持ちいいですね~。そして私は気づいてしまいました… 排水をどうしようかと」


 床は石造りでありながら、隙間なく綺麗に整備されていて、浴槽のお湯を排水しても逃げ道が無さそうなんです。お風呂に入る前に気づけよ! と、うきうきしていた数分前の自分に突っ込みを入れてやりたいですね。


「これは… お湯ごと収納して隣の広い部屋で流すしかありませんね。もうすでに入っちゃっているのですから、ここはさっくりと諦めましょう」


 湯船に浸かりながら、改めて今後の動きについて考えてみる。この迷宮が50階層が最深部であるというなら、それはそれで構わない。むしろ47~8階層まで戻ってコカトリスを狩ればいいだけ。

 先ほど現れた金色コカトリスが何度も狩れるというならそっちの方が良さそうですしね。


 町に戻ったら確認しないといけませんね、最高到達点を出した冒険者のランクとか実力とか。難易度で考えれば、40階層以降で現れる黒いコカトリスは普通のコカトリスよりも強そうでしたし、一度に現れる数も多かったので、37階層で逃げるような冒険者であればここに辿り着くことは出来ないと思う。ただ、食料の事情とか、やむにやまれぬ事情で戻ったというのなら可能性はありますね。


 まぁいいでしょう、金色コカトリスが再度現れるかだけ検証してからギルドに報告しましょうか。恐らくですが… コカトリス業界ではきっと最高級のお肉だと思いますよ! 金色コカトリスを帰るその日まで独占するのも良いですね。 再度現れれば…という前提ですが。


「まずは金色コカトリスのお味を確かめなければいけませんね、黒の方が美味しいとなればそっちの方が良いですし」


 お風呂から上がり、身支度をしてからこの部屋… 指令室とでも言いましょうか、とりあえず49階層まで一度戻りましょう。 そこで夕食を取ってから休み、明日の朝に50階層の確認ですね。


 ふふふ… コカトリスのお肉を独占ですよ!



「ふぁああ これは…!」


 金色コカトリスのお肉を使って焼き鳥を食べています、普通のコカトリスのを先日食べていますので比較しやすいかと思って… しかし


「素晴らしい味です! まさにエクセレント!」


 想像以上の美味しさにテンションが上がります。これは是非とも複数欲しいですね、一応先程ドロップした分は20キロほどの塊だったので、まだまだ在庫はありますが… 孤児院に持ち帰って子供達にと考えるとこれでは全然足りません。

 とはいえ、あの金色コカトリスがラスボスだった場合、出ない可能性の方が高いですよねぇ。出なければ仕方ありません、黒いので勘弁して差し上げましょう。


 とても満足のいく夕食を終えて、寝る準備をします。49階層は完全な一本道で魔物もいない、静かに眠れそうです。




 ─北極付近の凍土─


『ふむ、ようやく我の魔力が氷に染みついたようだな。うむ、うまい』


 地吹雪が吹き荒れる凍土の中に寝そべり、氷の山に齧りつくハクがいた。そのままゴリゴリと音を立てて氷の塊を咀嚼していく…


『我が主の手伝いをするのはいいが、あの火山帯は不愉快な暑さで疲れたな…』


 氷を司ると言われているホワイトドラゴン、当然弱点は炎であったり熱なのだ。とはいえ、生物の中では最高位と言われるドラゴンなので、多少の事ではダメージにならない。


『我が主も冷気を抑えろなどと厳しいことを言うものだから、あのまま火山帯にいればいずれ溶けてしまったぞ。そうなる前に冷気を吐き出すがな』


 自身を召喚するために、創造神2柱と、更には自分自身の魔力を使っていたので、帰れるまで魔力を回復するのを待つと言われ、それなりに時間がかかるだろうと踏んで北方へ移動をしてきたのだ。

 どの道帰る時も魔力の提供を余儀なくされるのだろうから、無駄な事はせずにじっくりと待つ構えを取っているのだった。


『この辺りも中々に過ごしやすいの、帰る時までゆっくりさせてもらうとしよう』


 ハクの言う過ごしやすい気温… 北極点の平均気温は-40度を常に下回っており、この世界の人間ではとてもじゃないけど近づく事すらできないだろう。

 氷を齧り終えたハクは、そのまま頭を地面に置き、目を閉じるのだった。




 ─ロゼ王国、王城─


「申し上げます、親衛隊の面々がボジョレー殿下を保護して帰還されました」

「おお、速かったの。早速だがここへ連れてまいれ」

「はっ」


 執務室で仕事をしていたロゼ王は、第3王子であるボジョレーの帰還を聞き、その手を止めた。


「おい、ローズを呼んでまいれ、あやつにも話を聞かせたい」


 執務室に待機していたメイドの1人に声をかけ、第1王女であるローズを呼びに行かせる。現状では、次代の王位はローズ1択という状態になっている。ローズにも未来の女王として色々と経験させるのも良いだろうという判断だった。


 少しするとローズが現れ、その後すぐにボジョレーも現れた。


「さてボジョレーよ。聞いているかと思うが、ブルゴーニュが無許可でアレンを処刑し、よりにもよって異世界の使徒殿を妻に迎えて王位を簒奪せんと画策しておった。その計画の中にボジョレーの名もあった訳だが… 何か申し開きはあるか?」


 ロゼ王がそう口にすると、ボジョレーを囲んでいた親衛隊が少し緊張したようだ。殺気立った訳ではないが、何か不穏な動きがあれば即座に対応できるように身構えたようだ。


「父上、私は王命による行動しかとっておりません。ガトー王国とショコラ王国に親書を届けただけでございます。 たしかにブルゴ兄様から依頼はありました、お役目を終えられたならば、その後の休養を是非わが国でとお誘いするよう指示を受けましたが、妻にするとか王位簒奪については何も聞かされていませんでした」

「まぁそうでしょうね、ブルゴーニュが言った言葉通りであるならば、貴方に得は何も無いですから」


 ボジョレーの言葉にローズが反応する。しかしローズの目はまるで信用していないようだった。


「残念ながら、お役目を終えた使徒様にお会いする事は叶わず、噂では西方の迷宮都市ボンボンに向かったとしか…」

「ふむ、まぁいいだろう。今後また話を聞く事になるだろうが、今は旅の疲れを癒すがよい。下がれ」

「はっ、それでは失礼いたします」


 ボジョレーが退室していき、執務室の中にはロゼ王とローズ、数名のメイド達だけになった。


「ローズよ、どう見る?」

「ボジョレーは何か考えていますね、恐らくブルゴーニュの策を利用して便乗しようとしていた…かと」

「ふむ、やはりお前は人を見る目は確かのようだな。よし、ボジョレーの監視を怠るな」


 ロゼ王はメイドの1人にそう告げたのだった

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― 新着の感想 ―
[一言] ボジョレー君の最後は何でしょうかね? まぁアレの事は脇に置いといて ダンジョンで入浴するんだから排水にも気が回ってると思えば……… アリシアさんらしい失敗ですね?^^;
[一言]  金コカトリスはやはり極上でしたか。  ダンジョンコアをどうにかして、再度出現させるのは無理なの かな。  通常のコカトリス→石化能力  金のコカトリス→金化能力?  なんて事を想像しま…
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