36話
のんびり不定期連載です
ふっふっふ… はーっはっはっは!
失礼しました、気が高ぶっていたもので…
なぜなら…私は今飛んでいるのです!グリーンドラゴンに気取られてしまわないようにわざわざローレル王国側に戻って!良く言えば飛行訓練、悪く言えば遊んでいます!いやこれ、楽しいですよ?今後の移動にも使えますしね。
風圧は魔法障壁を使って逸らしつつ空力も利用。上空は寒いですがそこは魔法でカバーします、もう完璧です。
ふぅ堪能しました、じゃなくて!良い訓練でした
さて、それでは本命の用事を進めましょうか。相手はグリーンドラゴン、名前の通り緑色なんでしょうね。そして戦闘区域は山林、保護色のようになっているはずなので見つけるのには苦労しそうです。さすがに飛べるようになったばかりの初心者状態で、ドラゴン相手に空中戦とかしないですよ?なので予定通りこっそりと索敵して狙撃。この作戦に変更はありません
まずは…ちょっと高度を高めで住処になっていそうなところを調べます。ドラゴンは巨体なので木が倒れているなど痕跡があるはずです、高い所からそれを調べて、見つけたならば地上に降りて調べてみます。
作戦を再確認し、軽く果物を食べて栄養補給。それではテイクオフですよ!
上空から山林を見下ろします。しかしこれ、広大ですね!これを歩きで調べようとしてたんですから驚きです。何日かかるか分かりませんでしたね、それはさておき
なんとなくですが、見晴らしの良い高い所にいるんじゃないかと予想を付け、木々が不自然になっている場所を探していきます。過去の目撃情報により大体の区域は調べてあるんですが、これだけ広大だと見つけるのも難しいですね。
しかしまぁ、どうしても今日中に…とかじゃないので焦らず行きましょう。
風に乗り、上空を漂うように飛びながら山間部を凝視しています。ちょっと目が疲れてきましたね、少し休憩を挟みましょうか。
周囲を見渡しても、さすがにグリーンドラゴンの住処と言われている土地なだけあって町や村などは一切見えません。仕方がないので森の切れ目まで飛んでいって着陸し、収納にしまっておいた調理済みのから揚げを食べて昼食とします。うん、おいしいです
「しかし、相当地道な作業になりそうですね、まぁ苦手ではありませんが。でももう少し効率よくできるよう何か考えましょう」
そういえば、エルフのサーシャさんと魔法議論をした時に遠視の魔法について聞いていましたね。科学的に言うと望遠鏡と同じシステムを魔法で構築していたんですが、まぁレンズの役割をどれだけ再現できるか…といった感じでした。眼前に魔力でもってレンズ状の何かを作り出すそうなんですが、ぶっちゃけ話を聞いていて非常に無駄の多い運用方法だったのを覚えています。
もっと効率よく運用できそうなやり方を考えてみましょう。例えばそうですね、コンタクトレンズのように非常に小さなサイズにして1枚目のレンズをセットし、2枚目を5センチほど離して双眼鏡っぽい感じにしてみましょうか。
ハンズフリーで使える双眼鏡ならば利用価値も高まるでしょう。レンズの厚みも基準値を決めて試験しましょう、そうでないとやり直す時に面倒になりそうです。
やってしまいました…ちょっと休憩のはずが3時間も新魔法の試験に夢中になっていました。
しかしこれは必要な作業です、3時間も試験していればそれなりに使えるようになっていましたし、結果オーライでしょう。
ある程度であればズームも自然に行えるようになったので、これで凝視しなくて済むでしょう。
現在時刻は午後3時、せっかく使えるようになったので、日が暮れるまで捜索しましょうか。とりあえず見通しの良い上空まで飛びましょう。
「ふふふ、これはいいですね!とてもよく見えますし、気になった所はズームしちゃったり!」
作業しているのか遊んでいるのか判断が難しいですが、楽しみながら作業するとなんか捗っている気になれますよね!
そんな感じで不自然に拓かれている場所や山肌などを見つめていきます
「おや?山肌に穴が開いてますね。洞窟にしては随分と大きい…もしかしてアレが巣穴でしょうか」
山肌というか崖になっている所にポッカリと開いている大穴、どう見ても怪しいですよね。しかしそろそろ日が暮れてしまいます、どうしましょうか。
「いえ、見つけたからには行ってみましょう。これで片付くのでしたらその後でゆっくりと休めばいいのです」
グリーンドラゴンが飛行中の私の魔力を感知できるか不明なので、一応少し距離が残るくらいまで空路で進み、残りは陸路で魔力を抑えながら進んで行きます。魔法障壁も感知されないと思いますが、それでも警戒はしといた方が良いでしょう。薄っすらとだけ張りましょうか
崖下に到着し、身体強化を強めにかけてロッククライミングです!身体強化は魔力を体内で循環するので外に漏れる心配はありません。もし手違いで落ちてしまったとしても、昨日の訓練のおかげでどうにでも対処できるでしょうし、崖と言っても垂直になっているわけじゃないし、岩場がちゃんとでこぼこしているので足場の方も大丈夫でしょう。
とはいえ、いくら身体強化の魔法で体の重さを感じなくともロッククライミングなんてやった事がないので、恐る恐るゆっくりと進んでいくしかありません。さすがに公爵家でこのような経験は積まないですからね、致し方ありません。
だんだん暗くなってきて手元も見にくくなってきましたが、間もなく大穴の入り口に到着します。というかすでに大きな魔力を感じます、ここで間違いなさそうですね。
そしてこの状況であれば作戦は変更しないといけませんね、洞窟の中は暗そうですし、こっそり狙撃というわけにもいかないでしょう。ここは前面に魔法障壁を大きめに展開して突撃し、相手が驚いている内にレーザービームで攻撃といきましょうか。一応目視したわけじゃないから、万が一グリーンドラゴンじゃなかった場合の事も考慮して…しかしまぁ、これほどの魔力持ちであれば間違いなく人間ではないでしょうから気にする必要も無いかもしれませんが、万が一のために攻撃する前に魔法で明かりをつけて確認しましょう。
大穴の淵から中の様子を窺いながら突撃を決意。それでは行きましょうか
「さぁ、勝負ですよ!」




