第45話
誤字報告いつもありがとうございます。
「はっ!? いつの間にか眠ってしまったようですが、今は何時です…か?」
お姉様を待っているはずだったのに眠ってしまっていた… その事に思わず狼狽してしまったのですが、ふと見ると… 隣で横になっていたお姉様がニッコリして私の方を見つめていました。
「あ、あの… お姉様?」
「おはようございます。なんですか?」
「今はその… 何時なのでしょうか?」
「今は朝の6時半ですね、もう少しゆっくりしてても良いんですよ?」
「まさかとは思いますが、ずっと見ていたのですか?」
「はい、日課ですから」
寝顔を見られるというのは本当に恥ずかしいですよね! 貴族として鍛えてきた表情などが働かない無防備な時… 一体私はどんな顔で寝ているのでしょうか? もう顔が赤くなっているのが分かるほど熱くなっています、もう見ないでください!
朝から甘い時間がなんて思っていましたが、ここが迷宮内だという事を思い出しました!
「そう言えばお姉様! 魔物は?」
「魔物ですか… そろそろ良い感じで溜まっているのでしょうね、朝食前に一狩り行きますか? 今朝はお魚料理をと考えていましたので、良い素材が取れると良いですね」
「か、片付けましょう! そうでないと何やら落ち着きませんので」
お風呂と就寝という理由から、張られていた障壁は色の濃い物だったので気づくのが遅れましたが、そうですよ、ここで魔物を通せんぼしていたのです! この障壁の向こうには大量の魔物が…
パパっと朝の支度を整えて、お姉様がベッドを収納したのを見届けます。
いよいよ戦闘開始です。お姉様のレーザービームやビームライフルは貫通力が高いですから大量に詰まっていても奥の方まで攻撃が届きますが、私のスクリューアローはそんな事はありません。いっぱいいっぱい凝縮してようやく貫通力が増すという程度… ここはいつも以上に集中して凝縮し、それを連射できるようにしなければいけませんね。
「そんなに緊張しなくても良いですよ、前の方は私がやりますから。それよりもミルフィにはやる事があるでしょう? 加護の力を把握して使いこなすという… せっかくの実戦なのですからそちらを優先してくださいね」
「良いのですか? 私もお役に立ちたかったのですが…」
「早く使いこなしてくれる方が役に立つという物ですよ、急がず焦らず、慎重に… です」
「分かりました!」
確かにそうですね、せっかく頂いたのですから使いこなさないと意味がありません。それにお姉様の言う通り少しばかり焦っていたのかもしれませんね。
「さて、それでは行きますか。今回の群れを討伐したら朝食にして、それから下へと降りていく事にしましょう。せっかくなので最下層でも見ておきましょうかね」
「この迷宮を統括するボスはどのような魔物なんでしょうね… ボンボンでは金色のコカトリスだった訳ですが、この迷宮は海棲系の魔物ばかりなのでやはりそちらの系統なんでしょうか」
「確かにそれは気になりますよね。ボスは部屋から動けないという事が本当なのであれば、もしかしたらボス部屋その物が海中だったりとかあるかもしれません。
しかし… それだと少々困りますね、私… 泳いだことがありませんので」
「私もです。海で漁をしている人は専用の服を着るとの事ですが、そういった物の用意もありません」
「とりあえず行くだけ行ってみましょうか、見てからでないと判断は出来ませんしね」
そんな訳で、障壁を解いたかと思ったら必殺のレーザービームが炸裂しました。放たれた光線は迫りくる魔物達を貫通していきます… そしてそのまま横薙ぎに払われると、光線に焼き切られた魔物達が一斉に両断されていきます… 相も変わらず物凄い光景ですね。
「片付きましたね、さぁドロップを拾う前に朝食にしましょうか。お腹が空いては戦は出来ないのです!」
いつも通りお姉様が収納から食材を出し、それを調理していきます。そして残念ながら、私には料理という才能は有りません… まぁ特に料理の勉強はしてこなかったせいでもあるのですが、こうして野営が何日も続くという事は辺境伯領にいれば今後もあるはずですので勉強しなくてはいけません。
しかしお姉様は本当に多くのレシピをご存じで、こうして魚がたくさんあるからという理由だけで、魚料理を作ってしまいます。一体どこで覚えたのでしょうね…
こうして食事も終わり、ドロップ品も全部拾い上げたのでいよいよ先に進む事が出来ます。
ドロップ品の数から察するに、朝までに集まっていた魔物の数は数千から、もしかして万まで届いていたかもしれないという量でした。そしてそれがすっぽりと収まってしまう収納魔法… 本当に便利で早く私も覚えないと…
ああもう! 覚える事が多すぎですよ!
スタンピード中のせいか、道中にはすっかり魔物の姿は見えなくなっているので今後について考えてみましょうか。
まず喫緊の目標としてはアマンダ様の加護を理解して使いこなす… これが一番重要な事項ですね。これさえ出来れば魔法関連についての進捗は非常に捗るのではないかと思っています。
次は覚えたい魔法の修練ですが、これについては優先順位を付けて行かなければだめだと思います。あれもこれもとやっていたら色々と知識が混ざってしまい混乱してしまいそうですので。
優先順位の1位はやっぱり収納魔法ですかね。
いつまでもお姉様のお世話になってばかりでは、お姉様がお帰りになった際にどうにもやり繰りが出来なくなってしまいそうです。なのでこれが1位ですね!
そして2位は… レーザービームとビームライフルとの2択となる訳ですが、どちらを優先すればいいのでしょうね… 前にお姉様から聞いた話では、レーザービームからの派生がビームライフルだと言っていたはず… レーザービームでは地形に影響が出る場合があるから射程と威力を調整した… 確かそんな事を言っていた気がしますね。
という事は、優先順位の2位はレーザービームですね! お姉様のオリジナル魔法にして最強の攻撃力を誇る魔法… 早く使ってみたいです!
「どうやらここが10階層のボス部屋のようですね、時間をかけたくないのでサクっとやってしまいましょう」
「あっ! 私がやっても良いですか?」
「もちろん構いませんよ。試したい事があるならどんどんやっていきましょう」
「はいっ!」
やりました、出番を手に入れる事が出来たので早速いつでも魔法が撃てるよう準備をしましょう。




