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なんか祖国が滅んだけど私のせいじゃないよね? ~転生元公爵令嬢の夢見る幸せのカタチ~  作者: ぽいずん
本編

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22/276

22話

のんびり不定期連載です

カムリ王国城下町


 速攻で視察の申請を出し、許可をもぎ取った王妃とお供の一行は、王都を出るために馬車で城下を移動していた…が、そこへ神託が出された


「何を考えているのですかお兄様は!」

「王妃様、どうか落ち着いてください」

「これが落ち着いていられますか?陛下もそうでしたが、どうしてフローラ様を軽く見てしまうのですか。あり得ませんわ!」


 カムリ王国の王妃は、セリカ王国国王の実妹であった。自身の価値を勘違いして、カムリ王国に危機をもたらそうとしている陛下から逃れ、実家であるセリカ王国に避難しようと動き出した矢先にコレなので、王妃でありながら口が悪くなってしまうのも仕方のない事である。


「王妃様…これから如何なさいますか?」

「……とりあえずこのままセリカ王国へ向かいましょう。恐らくこの神託を聞いても陛下の考えは変わらないでしょう。本気で自分の妻になる事が最高の褒美だと考えていますからね」

「でしょうね…あっ失言でした」

「いいえ、本当の事ですから」

「では、このまま予定通りに進みます」

「よろしく頼むわ。それにしても、私の加護は失われていないようですね、魔法は使えていますし」

「あの神託の内容では、セリカ王国の国王陛下と騎士のみ…という風に解釈できます。その他の貴族については保留されているのでしょう、使徒様に火の粉をかけないよう警告しているのだと思います」

「はぁ…我が兄ながら呆れてしまいますね。王城に着いたら加護を失ったお兄様を捨て置き、私が王冠を預かりましょうか」

「王妃様がセリカ王国の女王になるという事ですか?陛下がお許しにならないかと」

「セリカ王家のお家騒動が世界中に知れ渡ってしまったのですから、こちらはしばらくは放置しておきましょう。陛下の放った捜索隊も今頃セリカ王国に進路を取っているはず、どのような人選をされたか見ていませんが、十中八九フローラ様のお怒りを買うものだと思っています」

「それは何とも言えませんが、加護を失った王が治めている国だと、周辺国から突き上げが始まるでしょうから、王妃様がお戻りになるのは問題は無いと思いますが…」


 話をしているうちに馬車は王都から出て、魔導馬車の本領を発揮し、高速でセリカ王国方面に進んでいったのだった。



セリカ王国王城謁見の間


「このような時間に失礼いたします、貴方が国王陛下でよろしいですか?」

「うむ、よくぞ来てくださった使徒殿」

「それでは戦争を始めましょうか、貴方の首を取れば私の勝ちですよね?」

「ちょ、ちょっと待ってくれ、宣戦布告など我が国の意図するものではないのだ。王城に招待しようと出した使者が勝手に行なった事で、これは言うならば不幸な行き違いなのだ。どうか怒りを鎮め、話し合いに応じていただきたい」


 王様ともあろう方が、ひどい顔色で慌てふためいていますね。仕方ありません、脅すのはこのくらいにしておきましょう


「話し合いの前に一つ確認したい事があるのですが、よろしいですか?」

「ああ、なんでも聞いてくれ」

「私がこの町に到着し、あの宿に泊まっているという情報はどこからでしょうか?」

「あれは冒険者ギルドに依頼していたのだ、使徒殿が現れたら連絡するようにと」

「やはりギルドでしたか、こうも簡単に情報を漏らすとは、今後利用を控えないといけませんね。それで、話し合いというのは時間がかかるのですか?数日ぶりの宿での宿泊でして、非常に疲れているのですが」

「それならば明日の午後にもう一度来城してくれないか、こちらも歓迎の用意をしておこう」

「はぁ…用事がある方が来い、ですか。普通であれば用事のある方が出向くものだと思っていましたが、私としては特に用事もないので来る必要性が感じられませんね」

「なっ、しかし我が城以外に機密性に優れた会談場所は少ないと思っておる。それにもちろん迎えの馬車は用意させてもらう」


 あまり一国の主を困らせていると、私の評判はともかくフローラ様の名に傷がつくかもしれません。この辺で妥協しますか


「わかりました、明日の午後ですね?それでは午後一番でお願いします。私もこの町の孤児院を巡ろうと思っていましたので、明日1日で終わるよう整えてください」

「承知した、そのように手配しよう。ただこれだけは言わせてくれ、使徒殿に協力する事はあっても敵対するようなことは一切考えておらん。我が国の騎士が行なった無礼を深くお詫びする」

「わかりました、その謝罪を受け取りましょう。それでは詳細は明日という事で、本日はこれで失礼させていただきます。それではごきげんよう」


 ふぅ、まぁこの辺りが落としどころでしょうね。フローラ様には国王陛下の加護を戻してもらう事にしましょう。騎士の方?あの方達はダメですね、態度は横柄だし王宮を守る騎士をするには未熟にも程があるでしょう。もちろん精神の話です

 今晩はこれくらいにしてゆっくりと休むことにしましょう。明日は起きた時間によって、先に孤児院を巡るのも良いかもしれません。あっとその前にギルドにも警告しておかないといけませんね


 迷路のような王城内を普通に歩いて帰ると時間がかかるので、窓から外に出てしまいましょう。公爵令嬢を辞めて正解でしたね、このような姿、はしたなくて見せられませんもの


 窓から飛び出し、建物の屋根伝いに進み、来た時の半分以下の時間で戻ってくることができました。やっと眠れますね、一応何かあったら面倒なので部屋内には魔法障壁を展開しますけど。



 翌朝、すっきりと目が覚めました。朝日が差し込んできています、今日も天気は良さそうですね。懐中時計を見ると、朝の6時を少し過ぎたくらい、これならば朝食をいただいてから孤児院に行ってみましょうか。孤児院の場所は…この宿の店主に聞いてみましょうかね、ギルドに聞きに行ってもいいんですが、ギルドに行けば昨日の件で脅しを入れようと思っているので時間がかかりそうです、できれば明日が良いですね。相手が王家とはいえ、個人情報を気軽に売り飛ばすなんてさすがに無いですよね。


 部屋から出て食堂に入ります、朝食をお願いして席に着いたわけですが…ものすごい見られています。そういえば昨晩自分で名乗りましたね、使徒アリシアだと。別に隠したかったわけでもないし、自業自得な面もあるのであきらめましょう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 王様………( ;∀;) 下を制御できない王が悪いと言えば悪いけど、誰が見て聞いてもとばっちりですよね~… でも下半身で生きてるカムリ(だっけ?)の王みたく勘違いして、彼女って言うか保護者…
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