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なんか祖国が滅んだけど私のせいじゃないよね? ~転生元公爵令嬢の夢見る幸せのカタチ~  作者: ぽいずん
本編

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14話

のんびり不定期連載です

朝です おはようございます。

迷宮都市タライで3泊もしてしまったので、今日は西へ向かって旅立つ事にします。馬車に乗るよりも自分で走った方が早いので、徒歩で町から出ます。 というより、馬車での揺れがお尻に甚大なダメージを与えてくるので乗りたくないんです、それはもう切実に

ギルドには昨日の内に 今日出発する事は言ってあるので立ち寄りません。 それにしても、第3王子殿下達の御一行様は無事に帰れているんですかね、あの速さで私に追いついてきたという事は 魔導馬車を使ったのは確実なんでしょうけど、加護を失っても魔道具は使えるんですかね まぁどうでもいいですけど


 ひっそりと町を出て、全身に身体強化を施す。鍛えているとはいえ部分的に強化すると、していない部分が悲鳴を上げてしまうのです。 まぁ普通に考えれば当然ですけどね 全力で走ると周囲の目が痛いのと、自分でまき上げる埃で大変な事になってしまうので自重します。 魔法障壁で飛んでいる虫などがぶつかってくるのは防げますが、足元からやってくる土埃は危険なのです すでに経験済みです

さぁ!西へ向かって進撃ですよ!




ガーナ王国 王城内


「さぁ出ろ!この売国奴がっ!」


 ジャラジャラと繋がれた鎖が音を鳴らす中、牢から1人の男性が引きずり出されていた。 囚人だというのに装飾の施された衣服を着ている…が、その服はかなり汚されていた。 金髪で白い肌、しかし かなりの暴行を受けたのか、顔は赤黒く腫れあがり 所々出血もしているようだった


「全く、貴様のせいでこの国の貴族は加護を失ってしまったんだぞ! この大罪人が! さっさと歩かんか!」

「ぐぅっ」


 兵に繋がれた鎖で引かれながら、別の兵が後ろから蹴りを入れている。 そう、この囚人は元であるが王太子だった男だ。 婚約破棄をした後、男爵令嬢のマリーと共に王宮に入り 国王夫妻が不在なのを良い事に、マリー嬢をまるで王太子妃のように扱い 贅を凝らした食事や美しい宝石などを与えていたのだった

 視察から戻った両陛下に猛烈に怒られ、自室に監禁されて謹慎をするよう言われていたのだが 第3王子の失態により、全国民に暴露されてしまった婚約破棄の騒動…これが切っ掛けとなって投獄されたのだ


「痛い! ちょっとやめてよ!」


 少し離れた別の牢から聞き慣れた声が悲鳴を上げている、間違いなくマリー嬢だ。声をかけてやりたいが、口は塞がれているのでうめき声しか出すことは出来なかった。 

 今やこの2人は国家反逆罪としてガーナ王国全土に通知されている


 ガーナ王国に於いての国家反逆罪は、3親等まで連帯で処刑されることに決まっている。 元王太子は特例で本人だけだが、男爵家については親兄弟親戚まですでに捕らえられている

 声の反響する地下牢で、マリー嬢の叫び声を聞きながら 兵に鎖を引かれて連れていかれた先は、鉄格子で囲まれた荷台に それに繋がれた馬がいた


(ああ、これに乗せられて市中引き回しをするのか)


 この時点での元王太子は大きな思い違いをしていた。 国王である父親が 自分を処刑するなどと露ほどにも思っていなかったのだ。 せいぜい市中引き回しの刑を受けた後に離宮で一生幽閉されるのだと、国家反逆罪と言われていても、甘い考えを捨てきれていなかったのだ


 鎖に繋がれたまま鉄格子の檻に入れられると、少しだけ移動し待機する事になった。 すぐに同じような鉄格子の檻を引っ張った馬車が現れ、 その檻にはマリー嬢が入れられるのが見えた


(ああマリー嬢まであんな事に、これもアリシアが使徒なんかになるからいけないのだ。 あんなつまらない女が使徒だなど、創造神は何をもって決められたのだ)


 その直後にマリー嬢を乗せた馬車と連なり、王城を出発し まるで見世物のように王都内を巡回した。 石や腐ったような臭いの卵などを何度もぶつけられ、痛みと臭いで気が狂いそうになる。 しかし これにさえ耐えきれば離宮でひっそりと暮らせるのだろう。 いくら王である父上の言いつけを破ったからと言って、王族であるこの俺にこの仕打ちはやりすぎだと思うが 甘んじて受けるとしよう


 ゆっくり時間をかけて巡回していたが、中央広場に差し掛かったところで馬車は止まった。 何事だと思い伏せていた視線をあげると、 そこには磔にされた男爵一家が晒されていた


(男爵家にそこまでやるのか…ああ、マリー嬢に見せつけるためなんだな。何もそこまでやらなくてもいいだろうに)


 男爵一家だと思っていると、なにやら人数が多い気がする。 一体どういう事かと見ていると、俺を閉じ込めていた檻が開けられた


「よし、ここで降りるんだ さっさと来い!」


 鎖を引っ張られ、無理矢理引きずり出されると 男爵家と同じように金属でできてると思われる柱に縛り付けられた。 その後に続くようにマリー嬢も…


(なんだこれは、まさか公開処刑をするという事か? 俺は王族だぞ? そんなことが許される訳がないだろう!)


「これより創造神フローラ様のお怒りを買った大罪人の公開処刑を取り行うものとする! 哀れにも巻き添えになった我が国の貴族家に加護の力が戻るよう 祈りを込めて刑を執行する。 皆もこの愚者と同じようにならぬよう心を引き締め、祈りを捧げよ!」


 王都の民は、日頃の鬱憤を晴らすかのように石を投げつけていたが 兵の言った言葉が耳に残り、王家に対して持っていた不満をしまい込むのだった。 再び貴族に加護の力が戻るかもしれない…それを聞いた以上むやみに行動を起こすのは躊躇われたのだ。 国王の策はとりあえずうまくいったように見えた


 この日、大罪人として男爵一家とその近親者、そして元王太子が処刑された。 この事は国王の命により近隣国にも伝えられた、特に『祈りをささげて加護の力を取り戻す』という事を重点的に 少しでも近隣諸国からの弾圧や侵攻をさせないよう手を回したのだった




 迷宮都市タライを出てから4日目、トリュフ王国も通り過ぎてフォース王国に入っていた。 このフォース王国を越えると ブルードラゴンが住み着いていると言われるカムリ王国に着く。 とはいえ、このフォース王国の国土はとても広いため 国境を越えるにはまだまだ10日以上かかる事だろう


「見えてきましたね、あれがフォース王国の王都 カリーナですね。 大きな町だと市場が充実してるから買い物のしがいがありますよね」


 アリシアは王都カリーナに向けて足を速めたのだった

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