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バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第1章「異常個体」

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第7話「狩り」

 ――見える。


 いや、正確には“分かる”。


 匂いと気配が、線のように繋がっていく。


 どこに、どれだけの獲物がいるか。


 どの個体が弱く、どの個体が強いか。


 そして。


 どう動けば、安全に仕留められるか。


 すべてが、自然に組み上がる。


 洞窟の奥。


 牙獣鼠が三体。


 距離は中程度。


 周囲に、他の大型反応はない。


 ……問題ない。


 狩れる。


 その判断に、もう迷いはなかった。


 身体を低く広げる。


 影に溶ける。


 ゆっくりと距離を詰める。


 無駄な動きはない。


 音も、匂いも、極力抑える。


 一体がこちらを向く。


 警戒。


 だが遅い。


 すでに距離は詰まっている。


 動く。


 最小限の範囲で広がり、対象だけを包む。


 沈める。


 溶かす。


 短時間で処理。


 ほぼ反応させない。


────────────────────────

【システム】


牙獣鼠(F)を捕食しました

経験値を獲得


────────────────────────


 残りの二体が反応する。


 だが、もう遅い。


 片方に、分離した身体を回す。


 囮。


 意識をそちらへ引きつける。


 その隙に、本体で背後へ回る。


 覆う。


 沈める。


 処理。


────────────────────────

【システム】


牙獣鼠(F)を捕食しました

経験値を獲得


────────────────────────


 最後の一体。


 逃げようとする。


 だが、予測している。


 進路。


 速度。


 位置。


 先回りする。


 広がる。


 捕まえる。


 終わりだ。


────────────────────────

【システム】


牙獣鼠(F)を捕食しました

経験値を獲得


────────────────────────


 静かになる。


 完全に。


 ……問題なし。


 そう判断する。


 戦闘というより、処理に近い。


 無駄がない。


 危険もない。


 確実に仕留める。


 それができている。


 内側が満たされる。


 だが、さっきまでとは違う。


 高揚は薄い。


 冷静だ。


 ただ、積み上げている。


 その感覚。


────────────────────────

【システム】


レベルアップ


Lv6 → Lv7


HP   :12 → 16 / 30

攻撃  :7 → 8

敏捷  :5 → 6


────────────────────────


 ……回復した。


 完全ではないが、増えている。


 やはり、捕食で回復もする。


 だが遅い。


 完全回復には、もっと必要だ。


 その理解が、自然に積み重なる。


 同時に。


────────────────────────

【システム】


逸脱吸収が発動


────────────────────────

────────────────────────

【システム】


スキルを取得しました


・気配遮断 Lv1


────────────────────────


 ……いい。


 さらに狩りが楽になる。


 匂い、動き、気配。


 すべてが揃ってきている。


 もはや、同ランク帯では負ける要素がない。


 その認識が、はっきりと浮かぶ。


 だが。


 同時に、別の理解もある。


 あの異形。


 あれは、別格だ。


 今の自分では、絶対に勝てない。


 だから。


 順番を守る。


 弱いものから。


 確実に。


 積み上げる。


 その判断が、完全に定着していた。


 洞窟を移動する。


 匂いを辿る。


 気配を読む。


 危険な領域は避ける。


 安全な獲物だけを狙う。


 その繰り返し。


 時間が経つ。


 どれくらいかは分からない。


 だが、確実に。


 強くなっている。


────────────────────────


個体名:未設定

種族:屍喰いスライム

ランク:F


レベル:7


【ステータス】

HP   :16 / 30

MP   :3 / 3


攻撃  :8

防御  :1

敏捷  :6

知性  :0


【スキル】

・捕食 Lv1

・酸分泌 Lv1

・逸脱吸収 Lv1

・危機感知 Lv1

・嗅覚強化 Lv1

・耐久強化 Lv1

・反応強化 Lv1

・気配遮断 Lv1


【称号】

・規格外個体

・存在汚染


【状態】

軽度異常


────────────────────────


 ……悪くない。


 そう評価する。


 さっきまでとは違う。


 明確に、段階が変わっている。


 その時。


 ふと、違和感が走る。


 周囲の気配。


 ……いない。


 さっきまでいたはずの魔物が、減っている。


 明らかに。


 数が。


 ……俺が食った。


 それもある。


 だが、それだけじゃない。


 別の何かがいる。


 強い存在。


 それが、この領域のバランスを崩している。


 ……あの異形か。


 可能性は高い。


 その認識と同時に。


────────────────────────

【エラー】


生態バランスの変化を検出


────────────────────────


 ……またか。


────────────────────────

【エラー】


干渉レベル上昇


────────────────────────


 意味は、分からない。


 だが。


 確実に何かが進んでいる。


 普通ではない方向へ。


 ……まあいい。


 今は関係ない。


 やることは変わらない。


 強くなる。


 それだけだ。


 視線を、さらに奥へ向ける。


 まだ、食える。


 まだ、足りない。


 その思考が、静かに定着していた。

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