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バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第4章「潜入者」

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第6話「確信未満」

 ギルドの外に出たあとも、さっきの会話で生まれた“何者か分からない違和”が完全には切り離されずに残り続けているのを感じ取り、それが一時的な疑念ではなく“解消されない問い”として固定されつつあることを理解する。


 消えない。


 だが、確定もしない。


 「……中途半端だな」


 通りを歩く。


 人の流れに混ざる。


 「……見てるな」


 後ろ。


 気配。


 振り返らない。


 必要がない。


 「……二人か」


 距離を保ってついてくる。


 自然に。


 だが、意図はある。


 「……試す気か」


 角を曲がる。


 路地へ。


 人が減る。


 音が落ちる。


 止まる。


 「……出てこい」


 数秒。


 沈黙。


 「……やっぱ気づいてたか」


 男が出てくる。


 例の男。


 もう一人もいる。


 「……何だ」


 「少し話したくてな」


 「……ここでか」


 「人目がない方がいい」


 「……そうか」


 理由は分かる。


 証拠がない。


 だから、詰めるしかない。


 「お前さ」


 男が言う。


 「普通じゃないよな」


 「……普通の定義は?」


 「そこじゃねえ」


 苛立ち。


 だが、抑えている。


 「説明できない」


 正直に言う。


 「でも違う」


 同じだ。


 さっきと。


 「……それだけか」


 「それだけだ」


 沈黙。


 「……証拠は?」


 自分から聞く。


 男が止まる。


 言葉が出ない。


 「……ない」


 「……だろうな」


 「でもな」


 続ける。


 「放っておける感じじゃねえ」


 「……そうか」


 「何なんだ、お前」


 視線が刺さる。


 強い。


 「……バグだ」


 短く答える。


 「……名前じゃねえ」


 「……それでいい」


 会話が噛み合わない。


 「……逃げてるな」


 「……そうかもな」


 否定しない。


 それが逆に、引っかかる。


 「……くそ」


 男が舌打ちする。


 「……分からねえ」


 その一言に集約される。


 理解できない。


 だが、違うと分かる。


 「……それが限界だ」


 距離を詰める。


 一歩。


 「……何だ」


 男が構える。


 「……見せるか?」


 わざと。


 揺らす。


 空気が変わる。


 一瞬だけ。


 視線が揺れる。


 思考が止まる。


 「……っ」


 男が息を詰める。


 「……今の」


 だが――


 「……何だ?」


 掴めない。


 認識できない。


 「……そうだ」


 それでいい。


 「……分からないままにしとけ」


 引く。


 一歩。


 「……」


 男は動かない。


 理解できない。


 だが、否定もできない。


 「……行くぞ」


 もう一人が言う。


 「……ああ」


 引く。


 だが――


 「……終わってないな」


 残る。


 確実に。


 外へ出る。


 通りへ戻る。


 人の流れ。


 音。


 「……戻るな」


 日常は壊れていない。


 だが――


 「……歪んでる」


 視線を上げる。


 空間。


 向こう側。


 観測者はまだいる。


 「……面白いな」


 人間は確信できない。


 上位は干渉できない。


 「……中途半端だ」


 だが、それが一番長く続く。


 歩き出す。


 止まらない。


 迷わない。


 「――壊すか」

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