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バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第4章「潜入者」

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第3話「違和感」

 ギルドの中でいつも通りの席に座り、変わらない流れの中で会話を聞きながら状況を整理していると、表面的には完全に安定しているはずの関係の中に、わずかに“噛み合わない部分”が混ざり始めていることに気づく。


 流れは同じ。


 会話も同じ。


 だが――


 「……ズレてるな」


 「なあ」


 男が話しかけてくる。


 いつもの調子。


 だが、視線が少しだけ長い。


 「昨日の話、覚えてるか?」


 「……どれだ」


 「ほら、あの時の――」


 言葉が止まる。


 「……何だっけ」


 「……混線か」


 記憶が繋がらない。


 流れが途切れる。


 「最近さ、変じゃねえか?」


 別の男が言う。


 「何がだ?」


 「分かんねえけどよ」


 曖昧。


 だが、共通している。


 「……残ってるな」


 空白。


 混線。


 侵食。


 完全には消えていない。


 「……当然か」


 「お前はどう思う?」


 視線が向く。


 「……何もない」


 短く返す。


 「……そうか?」


 引っかかる。


 だが、追及はしない。


 「……弱いな」


 違和感はある。


 だが、確信にはならない。


 「……まだ浅い」


 依頼の話に戻る。


 流れが戻る。


 「今日はどれ行く?」


 「……これだな」


 「分かった」


 いつも通り。


 問題ない。


 「……通る」


 外へ出る。


 森へ。


 歩く。


 並ぶ。


 「なあ」


 さっきの男。


 また話しかけてくる。


 「お前さ」


 止まる。


 言葉が続かない。


 「……いや」


 首を振る。


 「何でもねえ」


 「……惜しいな」


 かなり近い。


 だが、届かない。


 戦闘。


 始まる。


 敵が出る。


 数は少ない。


 「……遅い」


 だが、合わせる。


 人間の範囲に。


 動く。


 斬る。


 倒す。


 「……問題ない」


 戦闘が終わる。


 「やっぱ安定してるな」


 男が言う。


 「……そうか?」


 「さっきのも完璧だった」


 「……慣れだ」


 評価は変わらない。


 むしろ上がっている。


 だが――


 「……残るな」


 戻る。


 町へ。


 通り。


 人の流れ。


 同じ。


 だが、違う。


 「……薄くなってる」


 違和感が。


 弱く。


 だが、広く。


 子供がこちらを見る。


 一瞬。


 「……変」


 呟く。


 すぐに走り去る。


 「……来てるな」


 ギルドだけではない。


 外にも出ている。


 「……広がる」


 止めていない。


 抑えていない。


 だから――


 「……当然だ」


 視線を上げる。


 空間。


 向こう側。


 観測者はまだいる。


 「……見てるな」


 そして――


 「……待ってる」


 歩き出す。


 止まらない。


 迷わない。


 「――崩れる」

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