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バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第4章「潜入者」

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第1話「日常」

 朝、ギルドの前に立った瞬間、これまでと同じ建物であるはずなのに、自分の中での位置づけが明確に変わっていることに気づき、“外から入る場所”ではなく“戻ってくる場所”として認識されている感覚が自然に定着している。


 違和感はない。


 調整もいらない。


 「……馴染んだな」


 扉を開ける。


 中へ。


 「おう、来たか」


 声が飛ぶ。


 いつもの男。


 軽い調子。


 「……ああ」


 短く返す。


 「今日の依頼、決めてるか?」


 自然な会話。


 「……まだだ」


 「じゃあ一緒に見るか」


 距離が近い。


 疑いはない。


 「……いいな」


 掲示板の前に立つ。


 依頼書が並ぶ。


 討伐。


 採取。


 護衛。


 「……浅いな」


 内容は単純。


 だが――


 「……足りる」


 「どれにする?」


 男が聞く。


 「……これだな」


 適当に一枚を指す。


 「分かった」


 即座に決まる。


 「……従うな」


 カウンターへ。


 処理。


 完了。


 「昼には戻れるな」


 男が言う。


 「……そうだな」


 外へ出る。


 通り。


 人の流れ。


 日常。


 「……問題ない」


 森へ向かう。


 歩く。


 並ぶ。


 「最近、調子いいな」


 男が言う。


 「……そうか?」


 「動きが安定してる」


 「……慣れただけだ」


 嘘ではない。


 だが、全てでもない。


 戦闘。


 始まる。


 敵が出る。


 小型。


 「……遅いな」


 だが、合わせる。


 人間の範囲に。


 剣を振る。


 当てる。


 倒す。


 「ナイス」


 男が言う。


 「……問題ない」


 戦闘が終わる。


 静かになる。


 「……普通だな」


 違和感はない。


 異常もない。


 「……表は」


 戻る。


 町へ。


 ギルド。


 報告。


 「はい、完了確認」


 受付が言う。


 報酬が渡される。


 「……通る」


 席に戻る。


 座る。


 会話が始まる。


 他愛ない話。


 「次どこ行く?」


 「夜どうする?」


 「……どこでもいい」


 笑いが起きる。


 「お前ほんと適当だな」


 「……そうか?」


 自然だ。


 完全に。


 「……これが日常か」


 だが――


 夜。


 外に出る。


 人が減る。


 音が落ちる。


 「……ここからだな」


 路地へ入る。


 暗い。


 静か。


 気配。


 人間。


 一人。


 「……いるな」


 距離を詰める。


 音を消す。


 背後。


 「……っ」


 気づく。


 遅い。


 押さえる。


 引く。


 終わる。


 喰う。


 記憶。


 思考。


 流れる。


 「……浅いな」


 処理。


 終わる。


 外へ出る。


 通りへ戻る。


 「……問題ない」


 誰も気づかない。


 「……回るな」


 昼。


 人間として動く。


 夜。


 捕食者として動く。


 「……両立する」


 視線を上げる。


 町。


 構造。


 「――喰らいながら、生きる」

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