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バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第3章「擬態」

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第24話「侵入準備」

 通りを歩きながら“バグ”という名前が内側で完全に定着していることを確認すると同時に、それまで曖昧だった自分という存在の輪郭が一つの軸として固定され、周囲の構造をより明確に捉えられるようになっていることを理解する。


 ブレない。


 揺れない。


 「……固まったな」


 足を止める。


 人の流れ。


 その中で。


 視線を動かす。


 人間。


 個体。


 関係。


 「……浅いな」


 単体では弱い。


 だが――


 「……繋がる」


 関係で強くなる。


 集団で動く。


 「……なら」


 利用する。


 では足りない。


 「……入る」


 外側からではない。


 内側へ。


 歩き出す。


 ギルドへ向かう。


 扉を開ける。


 中へ。


 空気は安定している。


 流れも整っている。


 「おう」


 声がかかる。


 自然に。


 「……ああ」


 返す。


 席に座る。


 いつもの位置。


 だが――


 「……違うな」


 “同席”ではない。


 “所属”に近い。


 「なあ」


 男が話しかける。


 距離が近い。


 「今度の依頼、ギルド経由でやるらしいぞ」


 「……ギルドか」


 個人ではない。


 組織。


 「……いいな」


 規模が違う。


 情報が違う。


 「……入るか」


 決める。


 迷いはない。


 「……やる」


 短く答える。


 「お、乗るか」


 男が笑う。


 自然に受け入れる。


 「……問題ない」


 視線を動かす。


 全体。


 ギルド。


 人。


 構造。


 「……入口だな」


 ここはただの場所ではない。


 人間社会の“接点”。


 「……広がる」


 カウンターへ向かう。


 「ギルド登録の件か?」


 受付が言う。


 先に。


 「……話が早いな」


 「……やる」


 答える。


 「分かった、準備する」


 書類が出される。


 形式。


 手続き。


 「……形だけだな」


 名前を書く。


 “バグ”


 迷いはない。


 受付が確認する。


 頷く。


 「これで仮登録になる」


 「……仮か」


 「後で本登録な」


 「……問題ない」


 「……通るな」


 紙が処理される。


 流れが進む。


 「……入ったな」


 個体ではない。


 関係でもない。


 「……構造に」


 男の視点。


 いつの間にか同じテーブルにいた存在が、気づけば同じギルドの一員として扱われていることに違和感を持つことなく、それが当然の流れとして受け入れられている。


 「……深いな」


 外に出る。


 通り。


 同じ。


 だが――


 「……違う」


 もう“外側”ではない。


 「……内側だ」


 視線を上げる。


 町。


 人。


 構造。


 「……広げるか」


 歩き出す。


 止まらない。


 迷わない。


 「――喰う」

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