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バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第3章「擬態」

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第17話「干渉」

 通りの中央で立ち止まり、先ほど触れかけた“外側”の存在を意識の奥で探り続けていると、何もないはずの空間の一部だけがわずかに“遅れている”ような違和が生じ、そのズレが単なる観測ではなく“作用しようとしている痕跡”であることを理解する。


 風は同じ。


 音も同じ。


 だが――


 「……来るな」


 瞬間。


 空間が歪む。


 視界の端で“線”が走る。


 何もない場所に、薄い裂け目のようなものが生まれる。


 【システム】


 ――補正領域展開


 「……遅い」


 その裂け目が広がる。


 細く。


 だが確実に。


 現実を削るように。


 「……触る気か」


 一歩。


 踏み出す。


 あえて近づく。


 空間が軋む。


 音が歪む。


 時間が引き延ばされるような感覚。


 「……なるほど」


 これは“攻撃”ではない。


 “修正”だ。


 【エラー】


 ――対象適用失敗


 裂け目がこちらへ伸びる。


 触れようとする。


 腕を上げる。


 避けない。


 接触。


 「……軽いな」


 感触はある。


 だが、削れない。


 裂け目が揺れる。


 不安定になる。


 【エラー】


 ――干渉失敗


 ――対象不整合


 「……通らないか」


 もう一度。


 今度は自分から触れる。


 手を伸ばす。


 裂け目へ。


 その瞬間。


 強いノイズ。


 視界が一瞬だけ白く飛ぶ。


 【エラー】


 ――逆流検知


 「……返るか」


 裂け目が崩れる。


 収縮する。


 形を保てない。


 「……弱いな」


 周囲の人間。


 動きが止まる。


 数秒。


 「……あれ?」


 誰かが呟く。


 だが、すぐ戻る。


 「……見えてないか」


 認識されていない。


 完全に。


 裂け目が消える。


 何もなかったかのように。


 【システム】


 ――再試行準備


 「……まだ来るな」


 歩く。


 そのまま。


 何もなかったように。


 だが、空気が違う。


 密度が変わる。


 「……重い」


 空間そのものが、わずかにこちらを押している。


 「……拒絶か」


 だが――


 「……遅い」


 完全ではない。


 止まらない。


 足を止める。


 もう一度、上を見る。


 「……見てるな」


 “向こう側”が。


 明確に。


 「……来い」


 小さく呟く。


 挑発ではない。


 確認だ。


 反応はない。


 だが、消えてもいない。


 「……次だな」


 歩き出す。


 止まらない。


 迷わない。


 町の中へ戻る。


 人の流れ。


 音。


 匂い。


 すべて通常。


 だが――


 「……違うな」


 内側で確信する。


 観測されている。


 干渉されている。


 そして――


 「……届かない」


 視線を上げる。


 空間。


 上。


 向こう側。


 「――弱い」

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