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バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第3章「擬態」

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第15話「違反」

 ギルドの中で流れが安定しているのを確認しながら歩いていると、これまでの“人間側のズレ”とは質の違う違和が混ざり始めていることに気づき、それが個体や集団の問題ではなく“環境そのもの”に生じている異常であると直感する。


 音がわずかに歪む。


 空気が重くなる。


 視界の端で何かが引っかかる。


 「……来たな」


 足を止める。


 周囲は変わらない。


 会話も続いている。


 だが――


 「……見てる」


 誰かではない。


 何か。


 視線を上げる。


 天井。


 壁。


 空間。


 「……違うな」


 場所ではない。


 方向でもない。


 「……上か」


 その瞬間。


 視界が一瞬だけ歪む。


 色がズレる。


 音が途切れる。


 【システム】


 ――検知


 「……」


 初めて見る表示。


 今までなかったもの。


 【システム】


 ――異常存在を確認


 ――識別不能


 ――分類外


 「……俺か」


 理解する。


 即座に。


 【エラー】


 ――登録不一致


 ――存在データ欠損


 ――再取得不能


 ノイズ。


 文字が乱れる。


 一部が欠ける。


 「……バグってるな」


 周囲の人間は気づいていない。


 通常通り動いている。


 「……俺だけか」


 認識できているのは。


 【システム】


 ――補正開始


 空気が変わる。


 重くなる。


 圧がかかる。


 「……干渉か」


 体がわずかに重くなる。


 動きが遅れる。


 思考にノイズが混ざる。


 「……遅いな」


 完全ではない。


 止まらない。


 【エラー】


 ――補正失敗


 ――対象不明


 ――適用不能


 文字が崩れる。


 消える。


 再表示される。


 「……効かないか」


 周囲の会話が揺れる。


 言葉が途切れる。


 だが、すぐ戻る。


 「……影響してるな」


 自分ではない。


 空間。


 全体。


 【システム】


 ――再試行


 圧が強まる。


 空気が歪む。


 視界の端に“何か”が見える。


 形はない。


 だが、確かにある。


 「……来てるな」


 手を動かす。


 問題ない。


 止まらない。


 「……足りないな」


 干渉が弱い。


 まだ届いていない。


 【エラー】


 ――処理不能


 ――対象不定義


 ノイズ。


 崩壊。


 「……面白いな」


 視線を上げる。


 空間。


 上。


 見えない何か。


 「……見てるだけか」


 今は。


 【システム】


 ――記録開始


 「……記録か」


 監視。


 観測。


 「……いい」


 問題ない。


 歩き出す。


 止まらない。


 迷わない。


 圧は続く。


 だが、慣れる。


 「……弱いな」


 ギルドの外へ出る。


 空気が軽くなる。


 振り返る。


 建物。


 空間。


 「……残るか」


 完全には消えない。


 「……来るな」


 次がある。


 視線を戻す。


 町。


 人。


 構造。


 「――遅い」

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