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バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第3章「擬態」

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第13話「収束」

 通りの中で立ち止まり、これまで拡散していた違和感の分布を意識的に追ってみると、町全体に均等に広がっているように見えていたズレが、実際には緩やかな偏りを持って一方向へ引き寄せられていることに気づく。


 完全な拡散ではない。


 均一でもない。


 「……寄ってるな」


 中心がある。


 歩く。


 あえて進路を変える。


 人の流れから外れる。


 違和感が薄れる。


 会話の遅れが減る。


 動きが自然になる。


 「……外れると戻るか」


 確認する。


 明確だ。


 足を止める。


 振り返る。


 さっきまでいた方向を見る。


 「……あそこだな」


 再び歩き出す。


 元の方向へ。


 近づく。


 人が増える。


 音が増える。


 同時に――


 ズレが強くなる。


 会話が途切れる。


 動きが遅れる。


 視線が揺れる。


 「……強いな」


 ギルドの前。


 人が集まっている。


 だが、流れが不自然に滞っている。


 「……何だこれ」


 誰かが言う。


 苛立ち。


 混乱。


 「……動けねえ」


 別の声。


 「……頭が、変だ」


 言葉が乱れる。


 繋がらない。


 「……収束してるな」


 扉を開ける。


 中へ。


 空気が重い。


 音が途切れる。


 人がいる。


 だが、動きが揃っていない。


 「……」


 誰かがこちらを見る。


 目が合う。


 止まる。


 完全に。


 「……あ」


 声が出る。


 だが、続かない。


 視線が集まる。


 複数。


 一斉に。


 「……中心だな」


 理解する。


 「……俺か」


 一歩。


 踏み出す。


 周囲の動きが止まる。


 わずかに。


 呼吸が遅れる。


 視線が固定される。


 「……影響してる」


 明確に。


 カウンターへ向かう。


 受付が顔を上げる。


 「……来た」


 呟く。


 無意識に。


 「……何がだ」


 返す。


 「……分からない」


 正直だ。


 だが――


 「……でも」


 言葉が止まる。


 続かない。


 「……お前だ」


 核心に近い。


 だが、届かない。


 「……そうか」


 それだけ返す。


 周囲が揺れる。


 会話が崩れる。


 動きが乱れる。


 「……強くなるな」


 振り返る。


 全体を見る。


 人。


 構造。


 流れ。


 すべてが“こちら”に引かれている。


 「……中心だ」


 外に出る。


 扉を閉める。


 通り。


 同じ。


 だが――


 近いほど強い。


 離れるほど弱い。


 「……範囲もあるか」


 歩く。


 中心から離れる。


 ズレが減る。


 会話が戻る。


 動きが整う。


 「……確定だな」


 止まる。


 振り返る。


 ギルド。


 人。


 歪み。


 「……集まる」


 自然に。


 勝手に。


 「……なら」


 選択肢は一つ。


 「……使うか」


 視線を上げる。


 町。


 構造。


 人。


 「――握る」

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