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バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第3章「擬態」

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第4話「依存」

 町へ戻る途中、隣を歩く男の呼吸や足取りの変化を感じ取りながら、戦闘後にわずかに緩んだ空気の中に“警戒ではない別の感情”が混ざり始めていることを認識し、それが関係の変化を示していると理解する。


 警戒は消えていない。


 だが、優先順位が下がっている。


 代わりに浮いてきているのは――


 「……頼り、か」


 「なあ」


 男が口を開く。


 さっきよりも距離が近い。


 声も軽い。


 「次も一緒にやらねえか?」


 自然な提案。


 だが、意味は重い。


 「……どうだろうな」


 即答はしない。


 少しだけ間を置く。


 考えている風を作る。


 「報酬次第だ」


 条件を出す。


 完全には乗らない。


 主導権を渡さない。


 「けちだな」


 笑う。


 軽口。


 だが、拒否はしない。


 「まあ、いいけどよ」


 引く。


 関係は維持される。


 「……成立したな」


 内側で整理する。


 相手は離れない。


 むしろ、寄ってくる。


 ギルドに戻る。


 扉を開ける。


 中へ。


 空気は同じ。


 だが――


 「……違うな」


 視線の質が変わっている。


 「お、帰ったか」


 別の男が声をかける。


 初めてだ。


 向こうから来る。


 「……ああ」


 返す。


 自然に。


 「さっきの見てたぞ」


 言葉が続く。


 観察されていた。


 評価されている。


 「なかなかやるじゃねえか」


 肯定。


 警戒ではない。


 「……そうか?」


 軽く返す。


 上げない。


 否定もしない。


 「今度一緒にやろうぜ」


 別の提案。


 関係が広がる。


 「……機会があればな」


 曖昧に返す。


 受け入れすぎない。


 だが、拒絶もしない。


 「……広がるな」


 内側で思う。


 個体ではない。


 関係が増える。


 繋がりが増える。


 カウンターへ向かう。


 依頼を出す。


 処理される。


 問題はない。


 「……通る」


 振り返る。


 さっきの男。


 例の男。


 両方いる。


 さっきの男は笑っている。


 軽い。


 信頼。


 近い。


 例の男は違う。


 視線が止まっている。


 「……深いな」


 観察。


 疑い。


 消えていない。


 男の視点。


 目の前の存在は周囲から受け入れられ始めているが、それが早すぎることに違和感を覚え、普通なら時間をかけて築くはずの距離が短期間で縮まっている点に引っかかりを感じている。


 「……偏ってるな」


 内側で整理する。


 信頼は増える。


 疑いも残る。


 両方同時に進む。


 「……悪くない」


 問題ではない。


 むしろ――


 「……使える」


 外に出る。


 空気が変わる。


 人の流れ。


 音。


 匂い。


 歩く。


 止まらない。


 視線を動かす。


 「……選べるな」


 関係。


 対象。


 情報。


 すべてが増えている。


 「……効率がいい」


 個体で動くよりも。


 繋がりで動く方が。


 足を止める。


 一瞬だけ。


 「……依存か」


 人間は。


 強い個体に寄る。


 判断を委ねる。


 「……なら」


 利用できる。


 動かせる。


 歩き出す。


 迷いはない。


 「――寄せるか」

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