3 夢のためにコネを得る!!
俺はどうしても近衛騎士団・・・欲を言えば王族の側近や護衛の職に付きたい。それは爵位が欲しいわけでも金目当てでもないし、近衛騎士団志願者の大半の希望理由である王へのリスペクト·忠誠心から来るものでもない。俺の目的は別なところにある。
デューイ・ヴァルデロスの年齢が近いことは分かっていた。しかしこの国の唯一の王子で王位継承権が一番高い彼は謎のベールに包まれていた。年齢が非公開なことはさることながら写真や自画像さえ公開されていなかった。
恐らくこのアカデミーの関係者は国立なだけあって知っていたのだろうが、俺のような一般国民では知るよしもない。
ヴァルデロスの血筋は髪色と瞳の色に特徴があり容姿端麗なことは有名だが王族も直系以外にも多くいる。貴族として暮らしている者もいるのだから町でたまに見かけることだってある。
デューイ・ヴァルデロスが表舞台に出ていない理由は現在の国王の直系が
彼たった1人だからだ。現在の国王イエンツォ・ヴァルデロスは彼の祖父に当たる。イエンツォの娘であるマリア・ヴァルデロスは5年前にこの世を去った。彼女は生涯で子供は一人しか産んでいない、それがデューイ・ヴァルデロスだ。
彼以外の王位継承者は直系ではなくなる、つまり血が薄まるのだ。血が薄まれば魔力も弱くなる。そうなればこの国の平和を保っていたものが失われてしまうのだ。この国の唯一の強みは弱点にもなる。直系の王族がいなくなることは許されないのだ。
そんな国の最大の宝と言っても過言ではない王子が護衛も無しにヴァルデロス魔法アカデミーの入学資格を確認に来るだと?あり得ないだろッ!!しかしどう見ても彼は一人だ。
そして今日出会ったばかりの俺に興味を示している。しかも無事に入学できれば同級生だ!第一王子にお近づきになれるチャンスなんてこれを逃せば二度とこないだろう。俺の野望に一歩近づけるまたとないチャンスだ!
「あ、あのさぁ!」
俺ははとにかくこのチャンスを掴もうとデューイに声をかけた。
しかしデューイはそんな俺の下心を軽くあしらうようにまた優しくにっこり微笑むと、
「まずは入学試験を受けに行かないか?・・・と言っても僕と君には必要のないものだろうがな」
入学試験…?そ、そうか入学資格と言う大きな壁があるせいで忘れていた!
今、俺は入学資格を得ただけだ。入学資格を得るだけしか考えていなかったから入学試験についてはなにも知らない。
「やべぇ…、入学試験か…」
「安心したまえ、君は絶対に合格するよ」
デューイはそう言うと閉ざされている門へと向かう。
なんでデューイはこんなに自信満々に俺が合格すると言いきれるのだろうか?やっぱりさっき俺が光らせた水晶玉の光はそれほどまでにすごかったのか?はっきり言ってデューイの光のせいで管理化すんでしまったんだがな…。
デューイが合格するのは間違いないだろう。王族だし、魔力量ハンパないしい、ぜってぇコネあるし!だが俺は平民だぞ?自分の魔力量が多いことも炎属性の魔法が得意なことも今知ったばかりだ。
それに読み書きにも自信はない。筆記試験だったら不合格間違い無しだろう。




