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配属先は犠牲聖女の護衛騎士  作者:
1 護衛騎士誕生

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2 運命の出会い

「どいつもこいつも気楽な感じで来るんだな〜」

俺はヴァルデロス魔法アカデミーの門へと続く行列をみながら呟いた。

 ボサボサの赤髪をガシガシかき、いかにも興味が無さそうに欠伸をしながら言う。しかし、それは緊張をほぐすための行為だ。

 俺はこのヴァルデロス魔法アカデミーにどうしても入学したかった!他の気楽な気持ちで受けに来た連中とは違い本気で入学を希望しているのだ。

 しかしこのアカデミーが狭き門なことは十分理解している。だから落ちた時にカッコ悪くないように気楽な気持ちで来た少年を演じているのだ。もちろん落ちた姿は誰にも見られたくないから付いてきたいと言っていた親父やお袋には『一人で行く!』と言い張った。

 気楽な気持ちで来るものも多いせいか親の付き添いがなく、出掛けたついでに立ちよったようなやつも少なくない。

 本人一人で来ている者が多いせいか列はそれほど長くない。国中に住んでいる7歳の子供のほとんどが来ていると言うのに俺の番が来るのは早かった。

「水晶玉って思っていたより大きいんだな…」

また誰が聞いているわけでもないのに声に出してみる。

 これで端から見ればお気楽な気持ちできた少年に十分に見えただろう!もし水晶玉が光らなくてもカッコ悪い姿をだれかに見られる心配はない。

 本気で受けに来て落ちたときが一番恥ずかしい・・・。


 ヴァルデロス魔法アカデミーの門はしっかりと閉ざされていた。この門が開いているところを俺は見たことがない。だが生徒と学校関係者のみが入ることを許されるこの門を俺は必ずくぐる!その気持ちだけは内に秘めていた。

 『だけど…くぐれなかったら次の候補はヴァルデロス剣術アカデミーを受けにいこう…』

っと心のなかで保険をかけて水晶玉に触れた。


 触れた瞬間自分でも驚くほどの赤い光を水晶玉は放った。

「ま、マジかよ…」

俺は驚いて力なく呟いた。

 あまりの強い光りに俺自身も驚いたがそれ以上に驚いていたのは水晶玉のそばにいた学校関係者だ。

「あの少年は何者だ?」

「こんなに水晶玉を光らした子なて見たことないぞ?」

そんな驚きの声を聞いて…俺、もしかして超エリートな魔法使いだったのか?と嬉しくなる。

 飛び上がりたいくらい嬉しいがそれはそれでカッコ悪いので冷静を装っておく。


 俺の両親は普通の平民だ。父親は簡単な水魔法、母親は簡単な植物魔法しか使えない。そんな俺が水晶玉を赤く光らせたってことは俺の魔法は炎属性でかなりの魔力量を保有していることを証明していた。

 絶対に入学したいと思ってはいたもののさすがに驚いた。魔法は見よう見まねの生活魔法しか使ったことがなかった俺はこんなに水晶玉を光らせられるとは思っていなかった。

 一応間違っていないか俺は確かめるためにもう一度水晶玉をつついてみる…。するとまた強い光が水晶玉から放たれた。

「うわ!眩しい!!」

自分でやったくせにオーバーリアクションで飛び上がる!

 マジか?!俺…マジか?!俺自身…そして周りの人間もまた驚く。だがそんななかクスクスと笑い声が聞こえて俺は振り返る。

「だ、誰だよ!今笑ったやつ!」

振り返って俺の顔はひきつる。

 クスクスと笑っていたのは俺のすぐ後ろに並んでいた女の子…いや、美少女だったからだ。こんなかわいい…いや綺麗な子、見たことねぇ…。

「わるかったね、君の反応があまりにもかわいかったから」

彼女は可愛らしく首をかしげて見えた。

 この列に並んでいると言うことは同じ7歳だ。しかし7歳とは思えない独特の妖艶な雰囲気を彼女は持っていた。たぶん俺の顔はさっき水晶玉が放った光よりも赤くなっているだろう。

「い、いや…別にいいんだけどよ…」

俺が困ったように髪をガシガシかくと彼女は、

「君、名前はなんて言うんだい?」

「ぁん?名前?…カデルだけど…」

「カデル君ね。僕はデューイだ。同級生としてなかよくやろうよ」

 …ん?!今なんつった?『僕』だと?

「おまえ男か?!」

俺がそう叫んだ瞬間、学校関係者が叫ぶ

「お、おい!お前なんてことを!!そのお方は…」

…ん?『そのお方』…?

 俺はそう言われて始めて冷静な気持ちでその男の子を見た。ブルーを少し帯びた銀に輝く長い髪、ブルーサファイアのような瞳…それはこの国の王ヴァルデロスの血をひくものの証だ!こんなに分かりやすい特徴なのになんで俺は気がつかなかった!!水晶玉を光らせたことで完全にテンパってたぜ!

 俺は必死に記憶をたどった。王族で名前がデューイ…たしか第一王子の名前だったはずだ。しかし第一王子が護衛もなしにしかも受験資格を確認する列に並ぶとは考えられない。ヴァルデロスの直系の魔力量は桁違いだから測定なんて不要だし国立アカデミーじゃなくても家庭教師とかが教えてくれるだろう。

 だからと言ってデューイと言う名の王族に心当たりはねぇな…。

 だからと言って子どもの俺は王族の名前はそこまで詳しくない。仕方ない、聞かぬは一生の恥だ!俺は恐る恐る本人訪ねた。

「デューイって第一王子…様ですか?」

使いなれていない敬語?で話してみる。

 デューイはまたクスクス笑う。同じ7歳とは思えない妙に妖艶な雰囲気のある笑み…やっぱり女にしか見えねぇ。

「そんなかしこまらなくていいよ!同級生だろ?」

 デューイはそういうと水晶玉にそっとふれた。俺の時と違い青白い光が町中を覆うんじゃないかってなるくらいの強い光を水晶玉は放った。

 青白い…ってことはデューイの魔法属性は氷か…。

 ん?!これはチャンスかもしれない。氷魔法は炎魔法に弱い。確かに魔力量は俺よりも遥かに上だが相性だけでは俺に分がある!俺って第一王子よりももしかしたら強いかもしれないのか?!

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