1 入学資格取得試験
『ヴァルデロス魔法アカデミー』
そこは全ての魔法使いが憧れるヴァルデロスの国立アカデミーのなかでも最高峰の魔法学校だ。受験資格は一定以上の魔力量を有する者と言う単純なものだがその魔力量と言うのがハンパない。毎年入学試験が行われるものの実際に入学資格があるのは数十名ほど…、そしてその中から試験に合格し入学できるのはさらに減り毎年十名前後の合格者になる。その年の国中の7歳のなかで入学生できるそのたった十名前後の子どもががヴァルデロス魔法アカデミーの門を開くことができるのだ。
受験資格を得るための魔力の測定方法は簡単だ。アカデミーの門に用意された水晶玉を触ればいいだけ。
規定の魔力量を有していれば水晶玉が光り、有していなければ光らない。光の色は触れたものの素質によって異なる。水魔法の素質があれば青に、炎魔法の素質があれば赤といった具合だ。そして光の強さがその者が持っている魔力の保有量を表している。
水晶玉が光らず受験資格さえない者は文字通り門前払いとなるが落ち込むものは少ない。元々狭き門であることは周知の事実であり、他にも国立のアカデミーは沢山ある。国立のアカデミーに入れないからと言っても学校は他にもある。この裕福な国で学べずに困ることなどないのだ。
しかしヴァルデロス魔法アカデミーに入学ができると言うことは一種のステータスでもある。卒業することさえできれば働き口はいくらでもある。エリート街道まっしぐらだ。平民の出だろうと関係ない。
だからヴァルデロスで7歳を迎える者は軽い気持ちとすこしだけの期待を胸に水晶玉に触れに来る。俺もそのうちの一人だ。




