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双盗技  作者: 桐島直千
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15話 罠 ディアブル

 少し雰囲気を整えてやっただけで、自分から食われに飛び込んで来るとはなんという楽勝女!!詰め寄って来る巨大な熊にビビりながらも決死のカウンター!お、効いた。


は      は

 は    は

  は  は


 どうだージオ!くやしいか!くやしいだろう!もうここにはいられないだろう!

 

 ん。ちょっと待て。賊の襲撃をさそっておいて、迎撃戦力の一角を放出するとか有り得ない損失だ。やり過ぎた。女を奪うタイミングはイマジャナイ!!


 寝室に連れ込んで、ベッドに放り込むと抵抗なく股を開くニーニャ。ムカド股!!

「このバカ女、尻軽女!お前はジオの女じゃなかったのか、今からでもいい、謝って来い!」

「あんなカウンターくれといて、よく言えたもんね!今さら臆病風?童貞、童貞、童貞!」

 く、おおおのれ、このディアブル・ブランディッシュ様にとっていつまでも持っていてはならない称号!、今すぐお前で卒業してやろうか!

「ねぇーん。そんなめんどくさい小娘相手してないで、あたしと仲良くしてぇ~ん」

さっき左脇に侍らせていた女に、アレの首根っこをっひっつかまれた。や、やめろっお前と寝ても素人童貞のままじゃないかッ。

「なんだよ、童貞のくせにあたしを蹴っ飛ばしたのかよ。」

 今度は右脇の女か、ぎゃあ、なんて力で握りしめるッ。

「あは、手の中で萎えたり跳ねたり忙しいよこいつ。このまま絞りつくしちゃおうか」

「童貞御用達の穴はゴミ箱だろ」

 やめてー。やめてください。そんなおそろしいことー。

「では、オネェ様がた。ごゆっくり」

 ああ、行ってしまう。最初はやっぱり知り合いの小娘の尻がいいのに!責任は取らないけどお前の穴がイイー。俺を見捨てたお前を俺は地の果てまで追ってやる!



 ふー。スッキリ。

 一時はどうなることやらと思ったが。

 だいぶ夜も更けた。階下に降りると、他の女とドセーナがまだやっている。サフィーロは賢者モードだ。この3人しか戦力は無い。屋内で迎え撃つのは無しだ。作戦変更。

「この建物の重要な構造材を抜いた。敵が突入してきたら、家ごと崩す。お前たちは出られるところに待機。家から出たら火をかけろ。後は、瓦礫の中から出てくる怪我人を凹れ」

 2人はうなづいた。邸内に残るチンピラどもは別に仲間じゃない。ダミーの宝箱に重要な宝は残っていない。

 いつでも出られるところに潜んだ。屋外の様子はどうか。魔人の手首がぴきぴくしている。間違いなくいる。

 生垣や構造物の陰から陰に、時折影が走る。手首補正で暗視すると、モロ見えだ。接近したら一気に来る気だ。

 待った。充分待った。

 突如、数人が玄関に走り込んで斧で切り込んだ。同時に各所の窓をぶち破って侵入開始。

 さあ、飛んで火にいるナントカの賊。早く深くまで入り込め。階段を駆けのぼる音。女の悲鳴。

 もうよかろう。俺は隠れ場所から猛ダッシュして庭の池に重しを投げ込んだ。ロープで繋がった角材が、引っこ抜ける。家を支える重要な柱が消滅した。


 何も起きない。失敗か。


 そう思った次の瞬間、一階が消滅するかのような勢いで、2階が落っこちた。

「ひゃっはー、全滅だぁぁぁー!!」

 ドセーナが叫んでいる。いいから早く火をつけろ。

 庭では、賊どもの第二隊がうろたえていた。池を確認しようとした数人を投げナイフで処理。邸宅の方を見て唖然としている奴らも投げナイフで処理。遅れて俺に気が付いた奴も投げナイフで処理。まじでアウゲザードルッケンとか不要。

 第二隊の隊長らしい脳筋系が俺に向かって来た。魚の骨みたいな武器持ちだ。

 さあ来いよスキルとかスキルとかスキルとか。

「くらえ。フィッシュシュトースツァーン!」

 ち、魚の牙だと、ダサッ。まあいい、この際積極攻撃系ならなんでもいい。ウムシュラーゲンアングリフで死なない程度に打ち返し、すれ違いざまにデュープハントゲレンクを試し、がっかりする。盗れない。脳筋は俺より強い判定ではないのか。腹いせに背中からザクザク突く。

「その辺でかんべんしてやってくれ・・・巣牌堕ゑ撫」

 俺は、脳筋に気を取られていたのか、派手な服装の奴の接近を許した。気が付くと、背中から足元までびっしりと、黒い糸にからめ捕られていた。ぬう、これはヤバいモノだッ。

 あわてて池の近くの泥に倒れ込んだ。糸を泥だらけにし、粘着力を失わせるのだッ。

 すると、視界全面に投網のような物が広がった。夜闇にまぎれて見えない黒い蜘蛛の糸、魔人手の補正暗視がここでも役に立った。泥から苦労して倒立、左足を犠牲にして投網を巻き取る。引っ張られる。さっきの脳筋の前面に引っ張り出される。しぶとい奴。

 再び魚の牙を逆撃で返す。脳筋め、やることは同じか。ははッ。

 再び魚の牙。しつこい奴。右手を蜘蛛の糸に取られた。左手で逆撃。ぐ、詰んだ。

 再び魚の牙。左手も蜘蛛の糸。終わったッ。


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