13話 でも幼女ゲット ジオ
僕はここにいるべきじゃないと痛感した。ニーニャを連れ込もうとするディーを止めようとすると、ものすごいカウンターをくらった。
「ディーディーなれなれしいッ!これからはディアブル・ブランディッシュ様と呼べッ!!」
そ、それが本名なのか。サフィーロ兄弟達、にわか取り巻き連中が、よってたかって僕を追い立てた。
気が付くと、家から追い出されていた。荷物が放り投げられる。大盾は力自慢のドセーナが投げてよこしたが、僕まで届かず落ちた。頑丈剣は危ないので自分で持ち出した。元の剣は常に腰にある。財宝は、残した。6:4の4で僕の物のはずだが、持ち逃げとか言われたくない。
彼女も、友情も失った。早合点かもしれない。でも、もうここにいてもつらいんだ。彼らのノリについて行けない。ポカンとしてしまう。
凄いカウンターだった。まるでウムシュラーゲンアングリフ。ディーは、いやディアブルは天才なんだな。ほんの少ししか教えていないのに。
あれ。
僕だってウムシュラーゲンアングリフを使えるのに。使えるはずなのに、どうやってカウンターを合わせるのか、忘れてしまったみたいだ。どうして。
何もなくなった。
紹介状はある。でも技が無くて、どうして修道院に入れてもらえるだろう。
「どうしてすぐにあたしをほったらかしにするの!」
あ、あの子の声だ。
ケバイ女性に連れ出され、門の外に出されたかと思うと、全力で走って戻ってくる。
家の中に入った途端、今度はサフィーロにつまみあげられ、ゴミ捨て場へ。
「ニーニャのアネゴー!おねえちゃーん!オネェ様~!」
全力で大回りで庭から侵入して行ったが、今度はドセーナが両足首をつかんで運び出してきた。
「ギャー、やめろー!エッチー!」
暴れても効果がないので、とうとう股間に噛みついた!
「ぎゃあああああ!なんてことしやがるこのジャリ!!」
子供を蹴っ飛ばそうとしているドセーナに、僕はスッと大盾で割り込んだ。
「なんだあ、まだいやがったのか」
ドセーナは、自分より力強い僕に、ビビリを隠せない。見下ろす。ドセーナは捨て台詞。
「けっ、寝取られがッ」
優越感と劣等感。さぞや僕は醜い顔をしているだろうか。
「さ、行こうか」
不満げな幼女を僕は連れ出した。ひょいとつかんで肩車。
「名前なんて言ったっけ」
「ヴィクトリア。ヴィッキーまたはヴィーヴィー様とお呼びなさい!」
見てるんだな、子供は。確かにかっこよかったなディー。やられるのが僕じゃなければなー。
「どこいこか、ヴィッキー」
「ベーアライターやりたい!」
あはは、そんなことまで話したのかニーニャ。いいだろう。思いっきり走ろう。何もかも忘れるまで。
野を越え山を越え、倒木を飛び越す。ヴィッキーが上の枝葉に突っ込んで蜘蛛の巣だらけになった。でも笑ってる。歌いだす。
「♪シュラ~フェン、ベ~ア~プレッツリッヒ、アウフシュテ~エエン!♪」
♪ラウフェン、ファンゲン、マンエッセーン!ラウフェン、ファンゲン、マンエッセーン!♪
峠で立ち止まる。道を振り返る。最後に挨拶もしなかったが、ここで別れを告げよう。
「あ、もえてる」
ヴィッキーが指さした。
歌をオリジナルに換装しました。
意味
ねていったくーまがとつぜんおきる♪
走って、とらえて、ひとおく~♪
走って、とらえて、ひとおく~♪
むろん異世界語です。




