5 . 日常
「まずは部屋の掃除だ」
「そうだね。結構広い家だ。快適に過ごせそうだね。ユイさんに感謝しないと」
ユイさんが言っていた通り、2人で住むには少しばかり大きい家。
ここで父さんと2人で暮らせる。
新たな人生のスタートが僕はものすごく楽しみだった。
ユイさん宅を後にした僕たちに
「埃まみれよ!」
と言いながら、雑巾と箒をわざわざ持ってきてくれたユイさんに感謝しつつ、家の掃除に取り掛かる。
「父さん!端っこに埃がある、ちゃんと掃除してよー」
「どうせ暮らしていけば埃なんて溜まってく!そんな隅々まで掃除しなくても平気だ!」
根拠のない自信に呆れながらも2人で汗を流しながら、掃除は夜まで続いた。
「はぁーー疲れた。とりあえずいいだろう。夕飯にしよう」
「そうだね。村の様子も見つつ、何か買いに行こうよ」
「そうだな。よし、いこう!」
2人並んで村を歩く。
思っていたよりお店がたくさんあって、生活に苦労はなさそうだ。
まずは服と食料。これを確保しないと......って
「父さん!色々見たくなるのはわかるけど、まずは服と食料だけ買って帰るよ」
「.....くそ......また明日来るか.....」
膨れっ面の父さん。
僕の方が大人びてる?なんて思いながら、子供みたいな父さんに僕は思わず笑みがこぼれた。
「ふぁーただいま。早いとこ飯にしよう。色々買ってきたし、とりあえず全部焼くか!」
「え?え?もしかして父さん料理出来ない?」
「ああ、出来ない」
そんな自信満々に言うことじゃないけど......
「え。何か作ろうと思ってあんな真剣に選んでたんじゃないの?」
「いや?とりあえず色が良さそうなものを入れただけだ」
なんだよそれ。僕だって料理出来ないよ.....って.....
あ。研究所の時も、どっかで買ってきたやつしか出てきてなかった.....。
「と、とりあえず、食材を切って入れたらいいんじゃない?」
「そうだな、よし」
・・・・・出来上がったのは、いかにも毒が入ってますみたいな色の謎のスープ。
「た、食べよう」
「.....そうだな」
「「.....まっず!!」」
2人で目を合わせ苦笑いを浮かべる。
「まずは料理の勉強?からかな」
「そうだな。キットももう7歳になるしできなきゃダメだな」
「僕だけ?!」
そんなこんなで今後が不安な父さんとの新しい生活がスタートしました。




