26 . 知らないはずの場所
南西区の方まで足を伸ばしてみよう。ここからじゃそんなに遠くないはずだ。
騎士団庁舎も魔法学校も見れたし、とりあえずは目的達成。流石に部外者が騎士団庁舎とか学校には入れるわけないし。でもやっぱりなんかありそうだな。
騎士団庁舎も学校もそこまで距離はなかった。だれか詳しい人いないかな~。
そんなことを考えながら歩くとあっという間に着いてしまった。
「あ、もう南西区か。結構歩いたような、そうでもないような」
ていうかここ、本当に首都か?北区、西区と比べ物にならないくらい活気がない、それに人が住んでるのか?何かの跡地みたいだ。それになんだあれ?
「おい、南西区に何かようかね?」
「え?あぁまあ」
「あなたは?」
「ここに来るなんて変わりもんか?ここはネズミだらけだ。雑草もそのまま人なんか滅多に来ないぞ。おれは金がねえからここのネズミとっ捕まえて焼いて食ってんだ。おれ以外にも似たような奴らがうろちょろしてるぞ」
ネズミを焼く?食べる?まじか。
「ここは何かの跡地ですか?首都とは思えない」
「知らねーな。でもあれ、あのでっかいやつ。綺麗に壊れてるが、ありゃ時計台だった」
「時計台」
「こんなとこいると、汚れちまうぞ。ここは金がない奴が集まるとこだ。おめー違うだろ?さっさと帰れ」
「す、すみません」
時計台か。見覚えがあるようなないような。思い出せないな。南西区は僕らが行くような場所じゃないけど、あの人たちちゃんと生きられるのかな。
ネズミって害はないのか?心配だな。でも僕にできることは何もないしな。
「帰ろう」
リタの両親の店に行けばいいよな。っとその前に鍛治屋に寄ろう。
南西区から歩いて南区へ戻る。
そして馬車に乗って北区へ向かう。
「えーっと確か」
ここだ。鍛冶屋。
「こんにちは一」
「あら、思ったより早く来たのね」
「ええ。この刀に見合う僕になるために何が必要か。何か聞けないかと思って」
「あなた、確か魔力がないって言ってたと思うけど、本当?」
「はい。からっきしです」
「そう....まずは体力をつけなきゃダメよ。そんな細い腕じゃとてもじゃないけどね」
「これ、刀にしては相当な重さがあると思うんですよ。背中に背負ってるだけでも疲れる。2振りするだけで汗が出る。使いこなしたいとは思うけど、到底無理だ」
「とにかくもっと筋肉をつけなさい。話はそれからよ」
父さんとトレーニングしてなかったら、もっとダメだったな。
「毎日その刀を30回は振りなさい」
「30回?!」
きついぞ、腕がもげる。
「そんな顔しない」
「わ、わかりました。頑張る......ます」
「もし傷が付いたらここに持ってきなさい」
「あ、はい。ちなみにその場合、値段は.....どのくらい?.....やっぱりいいです。何となくわかりました」
あの顔は多分、相当な値段だ。間違いない。
「あ!!」
「え、なに?」
「来てくれたんだね、キットくん」
ん?誰?知り合いだっけ?
僕が忘れてるだけ?




