24 . エカルラート
サイレント村から馬車へ乗り、身を委ねる。
そういえば馬車に乗るのも初めてだな。
外に見える川も木々もすごく綺麗だ。なんだか新鮮だな。僕の村も自然豊かだったけど、それを上回る。いいなやっぱり。
「ねえキット。」
「ん?」
「キットがいた村はさ、なんであんなに孤立してたの?見渡す限り海でしょ?」
「あー。僕も詳しいことは知らないんだ。昔はどっかが支配?してたらしいけど滅んだから残ったらしい」
「なるほどね」
「リタは首都には詳しい?」
「お父さんのほうが詳しい」
「そうか。案内とか頼めたりするかな?」
「まあ聞いてみるよ」
「ありがとう」
僕は馬車から見える外の景色を堪能していた。
けどなんか視線を感じる。
「あ、あのさ、さっきからずっとみてるよね?なんか付いてる?」
「バレてた?」
「うん。バレバレ」
「ずっと思ってたんだけど、キットって綺麗な顔してるよね。背も高くて」
「な、なんだよ急に、変なものでも食べた?」
「なっ褒めてあげてるのよ」
「ふーん。ありがとう」
いや急にそんなこと言われてもな。そんなこと言うような人じゃないはずだぞ?
「あ、見えてきた」
「ほんとだ!」
「うわーやっぱり村とは大違いだな。すごく賑わってる」
さすが首都だ。何もかもが綺麗で、別世界だ。
「先にお父さんのところ行っていい?」
「もちろん」
「うわぁ〜はあ〜すごいな」
見渡しながら歩く僕の口からは同じような言葉しか出てこない。
「キット、全部声に出てる。田舎者って感じで一緒にいる私が恥ずかしい」
「ごめんごめん。何もかもが新鮮でさ」
「もう着くよ」
「わかった」
「ここは商業地区なのかな?」
店の数が多いし活気があっていい。
「ご名答。ここは商業地区だ」
「ん?」
「初めましてだな。リタの親父だ」
「あ、ど、どうも....じゃなくて初めまして。キットです」
「首都を探索しにきたんだろ?案内してやる」
「本当ですか!あ、ありがとうございます」
「ここは北区にある商業地区だ。人も多いし、夜でもその賑やかさは変わらない。どこか行きたいところはあるか?」
行きたいところって言われてもな。ていうか話が早いな。服とかアクセサリー?とか興味ないしな。
うーん。
「あ、魔法学校?今日じゃなくていいんですけど少し興味があって」
「ん。わかった。じゃそれは明日な」
「お願いします」
北区広いな。回り切るなんて無理だ。
「北区以外の場所に行ったことはあるんですか?」
「ないな。数えるくらいだ」
え?どっち?
「リタもない?」
「騎士団庁舎が西区にある。そこくらいかな。魔法学校も騎士団庁舎からあまり遠くないと思う」
「そっか。今日はどんなお店があるのか教えてもらってもいいですか?」
「もちろんだ」
とは言ったものの、リタと親父さんの買い物に付き合うみたいになってしまった。
リタが「あ、見たい」しか言わなくなってしまったから、案内というよりリタの好みの店を知る時間だった。親父さんも満更ではなかったみたいだし、途中から僕のこと忘れてる?って感じだったし。やっぱり親子。似てるな~。
「あ、ちょっとそこの鍛治屋見ても...って聞いてないな」
まあいいや1人で入ろう。
店の扉を開け、辺りを見渡す。うわ。すごいな、こんなお店村じゃ見ない。感動しながら進んでいくと
「いらっしゃい。初めて見る顔ね」
「あ、はい。首都自体初めてで」
「いい刀ね」
「ああ。ありがとうございます。父親の物で、僕はまだ使いこなせてないんです」
「あなたもしかして魔力ある?」
「え?ないですよ魔力なんて」
「あらそう?その刃、魔法と合わせて使えば相当強力な武器になるわよ」
この力が?不思議に思い、背中に背負っていた力を鞘から取り出す。
「お父様、相当な使い手だったのね」
「見てわかるんですか?」
「ええ。炎とか氷とかを操れる魔法があればさらに強力になる。そのくらい耐性を持つ刀よ。でもその力に限らず、使い手の実力がに伴わなければ本当の能力を発揮できないまま終わってしまう。あなたにはまだ実力が足らないようね」
「そうなのか...。あの、また来ても?」
「もちろんよ」
会話を交わし、鍛冶屋を後にする。
やっぱりもっと強くならないとだめか。
「ん?あ、ちょっと..そこの..キットくん?」
「?呼ばれた気がしたけど気のせいか?」
「ちょっとお母さん。今の人!刀背負った!」
「何よ。そんな慌てて。また来るって言ってたわよ」
「そ、そう........やっと会えた......」




