23 リタの素顔
「リタは~とにかく落ち着かない子だったわね〜
何に対しても興味を示す子で~なんでも挑戦したがるのよ〜。だけど、一度自分でやるって決めたことは必ずやり切るし、途中で投げ出すなんてことは一度もなかったわ〜それは素晴らしいことだと思ってるわよ〜」
なるほどな。昔からそういう性格だったのか。
「ほら、やっぱり王国に出向いている分1人にさせることも多かったじゃない?でも何も言わなかったのよ〜
寂しいとかね。不満も漏らさなかったし、わがままも言わない子でね〜、だから私たちは甘えてたところもあるわ〜、家のことも幼い頃から長いこと頼ってしまったの。
それでもたまに仕事も手伝ってくれて〜助かってたわ〜」
聞きながら、ふとリタの顔を見ると、恥ずかしそうにしていた。聞く限り、弱音とかははかなかったみたいだけど本当は寂しかっただろうな。でも、暮らしていくためとか、自分の為ってわかっちゃうと、何も言えなくなるんだよな。僕もそうだったし。
「私たちはね、リタは女の子だし身を守る術でも身につけさせたかったのよ〜。昔は賑わってたって言ったでしょ?もとは私たちもこの村で商会を営んでたのよ〜。その頃は色々嫌な話も聞いてたから。でもこの村には道場とかないでしょ〜?でもリタ自身が私たちを守れるくらい強くなりたいってたくさん努力してくれたから嬉しかったわ〜。あんまり強くはなれなかったみたいだけどね〜」
「ご、ごめん」
「冗談よ〜嬉しかったわよその気持ちが」
そして、最後にアイナさんはこう言った。
「昔から優しい子よ〜。でも口調とか態度とか、気を許すと酷くなるわね〜この子は。だからキットくんは気を許されてるわよリタに。よかったわね〜」
「ちょっと余計なこと言わないでよ」
「あら、ごめんなさいね〜」
リタは僕に気を許してくれてるのか。だからあんな怖いのか?まあいいや。今思えば、会ってからすぐに気を許してくれてたってことか?なんか嬉しいな。
だけど
「多少は僕にも気を遣ってほしいな。ちょっとだけ迷惑してるんだぞ」
「う、わ、わかった」
「うそうそ。もう慣れたから気にしないで。それに今変えられたら僕もよくわからなくなりそうだから。聞かせてくれてありがとうございました。僕はリタにあってよかったって思ってます。あのことがあって...あ、父親が亡くなったんですけど、自分を見失ってた僕がここまで戻れたのもリタのおかげだし、時には叱ってくれる。ありがたい存在です」
「ほんとに〜?よかったわ〜」
「え。ちょっと照れないでよ」
「ご、ごめん。そんなふうに思ってくれてたなんて思わなくて。うれしいよ私」
「それに...」
「何?お母さん」
「何でもないわ〜」
ん?なぜか頬を赤くしたリタとそれをみて微笑む母親。なんだ?
「そうだ、せっかくだし首都に行って色々みてくるといいわ〜。お父さんもいるし、知りたいことも色々聞けるんじゃないかしら〜?今の所村に変なところはないし、行ってきなさいよ〜キットくん連れて」
「いいな。僕も首都に行ってみたい。リタ行こうよ」
「はいはい。わかったよ」
普通に会話してたけど、どうしてもアイナさんの話し方が気になるな。あの間延びした話し方。今までそういう話し方をする人と会ったことないし、なんか変な感じだった。リタがあの話し方じゃなくてよかった〜。
さぁ首都を楽しもうっと。




