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17 . 謎道

 「おはよう」

 「あぁ、おはよう」


 すごい寝癖だな。この家でリタと暮らしはじめて、はや3日。僕には1つわかったことがある。それは彼女は料理が全くできないらしい。ということだ。だから朝、昼、晩と僕が食事を作っている。好き嫌いもないようだし、基本なんでもおいしいって言って食べてくれるから僕としてはすごく嬉しい。父さんが"キットが美味しいって食べてくれるだけで頑張れる"って言葉が今の僕にはすごくわかる。だけど少し物申したいことが......。リタは食べたら食べっぱなしなんだよね。せめて食器だけでも運んでほしい。それが僕の本音。でもまぁこの間言ってみたら上手く交わされたから、言っても無駄だったかって感じ。料理もできないんじゃなくて、面倒くさいからやらないだけって感じもしなくもないんだよな。まだ3日しか経ってないけど、これからが結構不安なんだよね。


 「今日はパンでもいいかな?」

 「うん。なんでも」

 「あぁ、そう。じゃあもう少しだけ待ってて」


 僕の家は父さんと暮らしていた時から使っていない部屋が何部屋かあったし、彼女にはその部屋を使ってもらっている。なかなかの広さだし、リタも気に入ってくれているようだった。そんなに荷物持ってたっけ?って思うほど、部屋はあっという間に彼女のもので溢れかえっている。あ、もう一つわかった事があった。多分リタは整理整頓が苦手......だと思う。足の踏み場がない。あった場所に戻すってことができていない。まぁまだそんなに日が経ってない。多分これから綺麗に片付けていくんだろう。うん。きっとそうだ。

 それと.....リラックスしてくれているようで何よりだけど、やっぱり女性って荷物多いんだな。


 「お待たせ。朝ごはんできたよ」

 「顔洗ってからいく一」


 そう洗面所の方から声が聞こえた。しばらくすると、大欠伸をしながらリタが歩いてくる。


 「さあ食べよう」

 「うん」

 「「いただきます」」


 ご飯を食べている時は大体、お互い無言のまま。ただただ食事を楽しむって感じかな。お互い聞きたいことがあれば別だけど。


 「ごちそうさま、今日も美味しかった」

 「それはよかった」

 「今日はこの村を一通り見て回ろうと思う」

 「そっか。わかった。じゃあ僕は片付けしてるから、お昼には戻ってきて」

 「わかったよ」


 そう言い、立ち上がった彼女は村の商店街へと向かった。


 「あ」


 やっぱり食器はそのままね。それにしても綺麗に食べるな。感心、感心。

 さぁ、早いとこ片付けよう。


 「よし!」


 一通り片付けが終わった僕は、父さんの部屋へ向かう。やっぱり1人で目を通すには結構な時間がかかる。

それに目も痛い。そろそろリタにも手伝ってもらおうかな。それにしても父さんはこれを何に使いたかったんだろう。全然わからないや。そう思いながら作業していると、


 「ただいまー」

 「あれ?早くない?」

 「人がすごいし、買ったもの盗られた」

 「あぁ、この時間じゃあり得るね。ちなみに何買ったの?」

 「服よ。最悪だよもう」


 ごめん。ちゃんと説明すればよかった。そう心の中で思った僕に、リタが鋭い視線を向ける。

 え。怖い。ごめんなさい。


 「何してたの?」

 「父さんの部屋を整理してた。そろそろリタにも手伝ってもらおうと思ったところでさ。いいかな?」

 「もちろん」

 「ありがとう」

 「それと一つ聞いていいかな?」

 「ん?」

 「気になってたんだけど、確か魔力があることが騎士団試験においての条件って言ってただろう?」

 「うん」

 「魔力を持つ人はすぐに分かるってこと?」

 「なんか分かる人がいるみたい。詳しくは知らないけど。魔力を持っているってことを自覚していない人も割と多くいるみたいだし」

 「なるほどな。学校を卒業してから試験を受けるってこと?」

 「そういう人もいる。あとは高い戦闘能力かな。強くなきゃいけない」


 騎士団は魔力を持っていることが大前提。学校はあくまで魔法学校。仮に、学校を卒業して魔法が使えるようになる。その後に騎士団へ行きたいってなった場合も高い戦闘能力がないと受からないってことか?

 逆に高い戦闘能力を持ち合わせて、なおかつ魔力があれば受かる可能性もあるってことなのか?

 ん?騎士団試験に受かってから学校へ行くってこと?

いや、強制入学?あれ?わからなくなってきた。


 「学校はあくまで魔法の素質を高めるために指導を受ける場所。そのためには厳しくするってことらしいよ」

 「あぁ、なるほど」

 「だからいくら魔法が使えるようになっても、戦えなきゃ意味がない。それに相応しい戦闘能力がなければ落ちる。でも、高い戦闘能力があって魔力があれば受かる可能性もある。そこから魔法学校へ行くってパターンもあるらしい。年齢の制限とかも聞いたことがないし、強ければいいってことじゃないのかな」

 「よくわからないな」

 「私もいまいち。それと魔法学校を卒業してから騎士団試験を受けるって決めたとする。それで受からなかったら魔力は消されるって話」

 「え!そうなの?魔力が消されるって、そんなことできるの?」

 「できる人がいるってことなんじゃないかな?でも本当かはわからない。王国騎士団の基準と考えもさっぱりわからないし。謎が多いのよ」


 確かに謎だな、あまり理解ができない。王国騎士団って相当な実力者が集まるところだろ?なのにそんなんでいいのか?なんか色々めちゃくちゃだし、訳がわからない。でも、この情報が正しいって保証もないしな。

 ん?ていうかあまり詳しくないって言ってたはずなのに.....。

 でも聞いておいて正解だな。


 「聞いてよかった。ありがとう。今後調べる上で何かわかってくるかもしれないし」

 「そうだね」

 「よし、まずはこの大量の書類を手分けして読もう」

 「ん。わかった」

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