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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・海軍の新兵器:幽霊船(ロシア)

石じじいの話です。


朝鮮で、知りあいのロシア人が、じじいに語った話です。

幽霊船(船幽霊)を海軍の兵器として利用しようとする考えがあったそうです。

幽霊船なら、攻撃するために近づいても、敵艦は警戒しないだろうから、そのすきをねらって敵艦を攻撃・撃沈するという戦術です。

敵艦は警戒しない?

いやいや、幽霊船は、あやしいので警戒するでしょう。

しかし、幽霊船は、「実態のある敵の艦船」として認識されることはなく、敵が油断するので、本格的な先制攻撃を受ける可能性は低い:という運用哲学でした。

この「幽霊船兵器」の開発のために、2つの方法が立案されました。


第1の方法: 実際の幽霊船を拿捕して、それを、ロシア帝国海軍に協力させる。

つまり、”ほんもの”の幽霊戦艦をつくりあげるのです。

本物の幽霊船への接触は、海軍の哨戒艇によって何度か試みられたそうですが、すべて失敗に終わりました。

幽霊船に逃げられたり、反撃を受けてロシア側の艦船の乗組員が全滅したりと、うまくいきませんでした。

当然でしょう。

拿捕される幽霊船など聞いたことがない。

それに、簡単に幽霊船に遭遇できるというのは、どういう環境なのでしょうか?


第2の方法:偽の幽霊船を建造する。

人造幽霊船で、相手を脅かして油断させて撃沈するのです。

これは、「現実的」でした。

人造幽霊戦艦の装備は以下のとおりです:

幽霊船なのだから、帆船であるべきだろう。

幻影装置を備える。

これは、一種の幻燈装置で、レンズを使って怪しい画像を白い帆に投影するのです。

これは、軍では「幻霊器」と呼ばれていました。

接近した敵船を攻撃するために、毒ガスや毒薬の噴霧を使用する。

いきなり発砲すると、幽霊船でないことがばれてしまうからです。

そのために、船には、毒薬室や毒ガス発生装置(室)が設けられていました。

敵艦に向かって毒ガスを放出し毒薬を噴霧することによって、相手にダメージを与え、パニックを引き起こすのです。

臨検のために敵兵(水兵)が船に乗り移ってきたときには、毒ガスを大量に発生させて、一網打尽で殺傷しました。

船体には、大量の爆薬と焼夷弾(引火性の油)が「効率的な破壊」のために配置されていて、最後は、敵艦もろとも爆沈するというしくみでした。

この幽霊船は、敵艦攻撃やサボタージュの他に、偵察(情報収集)行動にも使用されたそうです。


この幽霊船兵器は、黒海やバルト海で実験運用されました。

クリミア戦争においては、バルト海やカムチャッカ半島での海戦で実戦に投入されたそうです。


さて、この「幽霊船」を操縦していた人たち(水兵?)は、どうなったのでしょうか?

毒ガス戦ならまだしも、最後の爆沈のときは、総員退去できたのでしょうか?

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