石じじいの話・犯罪者調査法私案(朝鮮):閲覧厳重注意
この話で述べられている考えは、現在では否定されています。
このような学説(?)が主張された時代でも、それを支持する人は少なく、多くの批判がなされたそうです。
このような学説についての内容と問題点については、以下の書籍で詳しく知ることができます。
スティーブン・J・グールド
「人間の測りまちがい 差別の科学史」1998
絶版ですが、図書館で閲覧可能でしょう。
文庫版も上下として出版されています。
以下、現在では使用不可の言葉がてんこ盛りですが、ご容赦ください。
この作品は、創作物です。
石じじいの話です。
日本統治時代の朝鮮の学校長が披瀝した犯罪者についての調査法です。
これは、戯言ですが、現在でも信じる人がいるのでは?
世迷い言を詳しく説明してもしかたがないので、簡略に書きましょう。
その校長は、じじいたちに向かって熱く主張しました:
「犯罪者の属性について、調査研究を行うべきである。」
「その着眼点は以下のとおりである。」
犯罪者の:
(1) 境遇について
近親者における精神病者の有無;
関節炎や結核、アル中、モルヒネ中毒であるかどうか;
脳膜炎、チフス、偏頭痛などの病歴の有無;
職業について、飲食店や酒屋など酒に近い立場であるかどうか;
秘書や会計士など、金に接する機会が多いかどうか;
鍛冶屋や鍵屋、兵士、医者、弁護士は、犯罪をしやすい。
##ええっ!(以下、この主張を聞いたときの、じじいの反応)
(2) 犯罪をおこなった季節について
農作業の収穫時などは注意だ;
寒暖が激しい季節は、てんかん性発作を誘発しやすいのだ。
##ええっ!
(3) 年齢について
早熟は、生来的な犯罪者の特質だ;
思春期と老齢期は、犯罪をおこないやすい。
##ええっ!
(4) 感情について
近親者に対する感情や愛情の欠如;
精神病の有無;
脈拍や血圧の変化;
インタビュー中の表情の変化を詳しく調べる必要がある。
##ええっ!
(5) 病的現象の有無について
睡眠の状態;
夢の内容と状態;
錯覚症状の有無;
てんかんやヒステリー病者;*1
強迫的妄想の有無
暗示にかかりやすいかどうか。
##ええっ!
*1 よく出てくる病名です。
(6) 言語について
発音のしかた;
吃音の存在;
精神異常;*2
早発性痴呆の有無;
慢性アルコール中毒;
声の震えの有無。
これらは、被験者(犯罪者)と第三者との対話を、調査者が客観的に観察してみることが重要だ。
##ええっ!
*2 この単語、いろいろなところに何度も出現します。
(7) 記憶力について
自分の生年月日を記憶しているか;
昨夜の食事の内容などをおぼえているか;
記憶の保持力;
記憶能力;
視覚や聴覚、色彩の記憶力。
##ええっ!
* これ、現在の私に、完全にあてはまるのですが。
(8) 筆跡について
これは重要である。
これによって、生来的犯罪者や精神病者の区別が可能である。
筆跡の鑑定のためには、十枚以上の紙に、文章を急いで書かせてみるのだ。
筆記が速くて冗長であること;
綴りにくせがある;
筆跡が震えるかどうか;
筆跡が傾くかどうか;
文字の間に符号をまぜるのは、偏執狂によく見られる;
活字を模倣した文字を書くのは、ヒステリー病によく見られる;
不器用で力強い筆跡は、残酷な犯罪を犯す者に多い;
明瞭性を欠いた筆跡は、詐欺師に多い。
##ええっ!
(9) 服装について
装飾品を多く身につけるような者;
服装に注意することがなく、汚れたり破れた服を平気で着ている;
詐欺者は、普段、着る服に非常に気をつけるものだ;
偏執狂は、装飾品を多く身につけるが、その組み合わせが異常である;
服の着方がめちゃくちゃなのは、白痴である。
##ええっ!
じじいによると、このような主張を、とくとくと述べる校長自身に、上記の犯罪者に適合してる属性が多いというのが滑稽だったそうです。
その校長は、日頃、朝鮮の古墳を盗掘して副葬品である磁器などを集めていました。
じじいも、彼の「戦利品」をたくさんみせてもらったことがあったのです。
彼は、敗戦時すばやく日本に引き揚げて、戦後、それなりの教育者として有名になったそうです。




