石じじいの話・呪いの軍用拳銃(朝鮮)
石じじいの話です。
じじいが、朝鮮で聞いた話です。
これは、よくある話です。
北支で活動した日本軍のある部隊には、「呪いの拳銃」があったそうです。
これは、呪われているとされた軍用拳銃でした。
これを持ったものは、射撃が上達するのです。
その拳銃を使った射撃だけでなく、他の銃を使っての射撃も抜群にうまくなったそうです。
しかし、その拳銃を手放すと、射撃の腕は落ちてしまいました。
この射撃の腕のおかげで、その拳銃の持ち主は、戦場で助かることがありました。
しかし、ここでお約束どおりの怪奇現象が発生します。
あまりにも射撃が上達するので、持ち主は、非戦闘時でも他の生命を奪うようになるのです。
現地の家畜:馬や牛、犬を撃ち殺すようになります。*1
そして、人さえも。
民間人を殺害するようになります。
精神に異常をきたしたのか?
これは、軍隊で問題になります。
持ち主が軍規に問われて処罰されると、他の兵隊が、その拳銃を譲り受けました。
盗すむ場合もありました。
日本軍では、士官が護身用に所持する拳銃は、各人が自費で調達することになっていたので、ただで手に入る性能の良い(?)銃は、重宝されたのです。*1
「発狂」のほかに、持ち主が突然死ぬこともありました。
戦闘で死ぬのではありません。
突然死するのです。
また、その拳銃で自殺する兵士もいました。
なんの兆候もないのに。
この拳銃の由来、呪いの原因については、はっきりとはわかりませんでした。*3
おそらく、これを使って人を殺害したときに、殺された者の強い恨みが拳銃にとり憑いたのだろうということでした。
そうしているうちに、拳銃の所在は、わからなくなりました。
おそらく、戦闘中に失われたのだろうということでした。
中国の大地で朽ち果てたのでしょう。
*1 おなじような、「呪われた日本刀」というのは、よくある怪談です。
*2 そのような拳銃としては、日本軍の欠陥軍用拳銃である九四拳銃は有名です。
*3 拳銃の種類については、私のノートには書かれていません。




