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石じじいの話・短い話:娘の卒業式を見るために;壊れた計器;神隠し
石じじいの話です。
短い話を三つ。
1. ある人が、娘の卒業式を見るために、義眼を入れたそうです。
式典に父兄(当時の表現、いまでは保護者)として出席するために、右目に義眼を入れたのです。
よかった、よかった。
左目はすでに失明していたのですから。
2. 壊れた計器・機械を見続けているのは怖いそうです。
ある人が言いました。
「壊れた計器を見つづけているのは怖いぞ。
自分の行動のすべてがちぐはぐになってしまうからな。」
その人は、時計修理屋だったそうです。
3. ある地域では、人が便所で神隠しにあうことがあったそうです。*1
便所に行った者がいつまでたっても帰ってこず、そのまま行方不明になりました。
便槽に落ちているということもない。
雨の日に消えた人がいましたが、便所のまわりの地面に、立ち去った足跡もなかったそうです。*2
「便所でカミが無いと困らいねぇ。」じじい。
*1 便所で神隠しは、よくある話です。
*2 昔の便所は、別棟にあったり、家の一番端(北東端)に飛び出して設けられているのが普通でした。




