石じじいの話・学校の怪談(戦前編) 1:校庭関連の謎
石じじいの話です。
これは、学校で起きた怪事の話です。
戦前のことなのか、戦後のことなのか不明な話も多いのですが、まとめて「戦前」のこととして紹介します。
これらの話が、一つの学校で語られていたのかどうかも不明です。
1. ある学校では、校庭が「つるつると滑る」状態になることがあったそうです。
べつに、雨の後でもないし、雪が降り積もっているわけでもないのに。
もちろん、凍結してもいないのです。
夏、地面がカラカラに乾燥しているときにも、そのような現象が発生することがありました。
そうなると、生徒たちが、かんたんに滑って転んでしまうので、朝礼や体育の授業は中止になりました。
また、登校時には、生徒が転んで大変だったそうです。
ムシロを敷いて、そこを歩いて校舎までたどり着いたとか。
そのような状態は、早朝から数時間でおさまったそうです。
2. 校庭の土のなかに「砂金」が混じっていることがあったそうです。
校庭で遊んでいると、ピカピカと光るものが地面に散らばっています。
そのあたりの土を拾いあげてみると、砂金のようなものが混じっているのです。
金と紛らわしい黄鉄鉱の粉ではないかとも考えられたのですが、条痕色をしらべてみると、やはりほんもののs金らしいのです。
砂金は、校庭のどこにでもあるというわけではなく、その分布は限られていました。
そこで砂金をとりつくしても、別の日には、別の場所で砂金が見つかるのです。
こうなると、強欲な人たちが、無断で校庭に来て砂金を探しはじめて、おおきな問題になりました。
学校の授業に支障が出たのですから。
戦時中だったので、警察と憲兵が、そのような「砂金掘り」の人々を取り締まったのですが、砂金出現の原因は不明でした。
これは、民心を動揺させるための敵国の破壊工作ではないか?
スパイのしわざではないか、と警察や憲兵が捜査したのですが、砂金まきの犯人は、見つかりませんでした。
怪しい人物は、皆無だったのです。
3. 学校の校庭に「猿回し」が出現することがあったそうです。
子供たちによると、その猿回しは、若い男で、つかわれる猿は黄色い毛をしていたと。
猿回しを、ただで見せてくれるので、生徒たちには大人気でした。
これを聞きつけた先生が、現場にやって来ると、そのときにはもう姿を消しているのです。
それに、先生が見張っていると、猿回しは現れなかったのです。
だれも、その猿回しを学校以外で目撃したことはありませんでした。
小さな町なので、そのような人物がいれば知られているはずですし、外から流れてくればすぐ目立ちます。
彼は、学校の校庭にしか現れませんでした。
子供たちのアイドルだったそうです。
4.「 首吊のイチョウ」と呼ばれる木が、校庭にあったそうです。
その名前の由来は、誰も知りませんでしたが、昔からそう呼ばれていたと。
生徒が、その木の枝で首吊り自殺したとか、先生が死んだとかというありきたりの噂話はあったのですが。
5. 「四季の楓」という大木が校庭にありました。
「死期の楓」とも呼ばれていていたそうです。




