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転移先で困って現代技術を再現した件  作者: 空白
第一章 ロア帝国編
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四十四話 【学院長、車に乗る】2




翌日、デフロットさんを車に乗せて倉庫の敷地内を走り回った。


「ハッハッハッ!すんばらしい!これで昨日のショウの話に乗って正解じゃと確信したわい!」


そこまで言われると俺も嬉しくなる。


「他にも計画中のものなら紹介できます!」


「ほう?それは気になるのう」


引き出しの中にある簡単なスケッチと案を見せながら、現在の技術で作る事が出来そうなものを紹介した。


「なるほど・・・で、計画で止まっているという事は問題が残っておるからじゃろう・・・何が必要なんじゃ?」


そう、デフロットさんの言う通り。問題が解決されない限り、作る事はできない。


「まあ、僕が1人しかいないので指示できる作業が限られる。というのもありますが」


と冗談を挟みつつ、本題に入る。


「まずは人手です。現在はこの倉庫で働いている十数名しかいません。中には遠くから働きに来ているだけに、宿を借りている者も居ると聞きます。次に設備です」


寮とか建てれば、作業員の生活も楽になるだろうし、シェリルさんからの報告だと今のところそれくらいだ。


「ほう、それがあればできるんじゃな?」


それで解決すればいいが、そう簡単にはいかない。


「いいえ、それでもまだ足らないものがあります。鉄などの資源が大量に必要です。さっき乗った自動車も1トンくらいありますし、数台作るだけでも、そうですね。馬車に例えるとコストは数十倍です。その生産に必要な機械も必要です」


鉄屑ならありそうだと思ったが、意外にも@@@この世界@@@は再利用、再使用の概念があり、貴金属はお金以外では手に入れにくい。

防具が壊れれば直し、剣が折れれば打ち直す。相当な不純物を含むか、維持が負担にならない限り譲ってもらえない世界だ。

武器を溶かすという手もあるが、それでは高くついてしまう。



そもそもの原因。



採掘量が少ない。



セバスチャンの話だとこれでも採掘量は増加傾向にあるらしいが、現代からやってきた俺からしたらあまりにも少なすぎる。


それを実感するのはそう難しくはなかった。


()()()()に無いものを思い出すだけでいい。


家の近くにあった鉄筋コンクリート製のマンション。ラッシュ時に渋滞を起こす車。近くを通ると少しうるさく感じたトラック。通学で使った鉄道。乗ってる電車が通過した橋。旅行で乗ったフェリー。どこにでもある水道。上を向くと視界に入る電線と飛行機・・・


それを思い出した瞬間、この世界がいかに遅れているか実感できる。


もちろん時代や技術というのもあるが、俺からしたらとても少ない。



「む、むう・・・難しそうじゃ。いくら鉱石が取れる鉱山があると言っても、採掘が間に合わん。例え採掘速度を間に合わせても国がよく思わないのう」


「重機があれば採掘も楽でしょうけど、簡単なスケッチなら後で見せられます」



そしてこの通り国の情勢という背景もある。

ここテストに出るよ!

なんちゃって。



「方法なら、1つだけある」


「えっ?あるんですか?」


「儂を誰じゃと思っとる?」


「えっと。デフロット・グレイプスさん。学院長をしていらっしゃる・・・?」


「そうじゃ。()()()()()()()()()()()()()じゃ」


デフロットさんはそう言うと、何か自信ありげな言い方をした。


よく分からないが、かなりの発言力をもつ有力者と見た。


「そうじゃ、入学式のことじゃが、ショウの言うような式典はやらぬ。試験の時と同じ掲示板に教室番号が書かれておる。確認したらそのまま教室へ向かえば良い」


「わかりました」


「入学は3日後じゃからな!」


入学式という名前はあれど、全生徒ではなく各クラスで行われるような感じか。


そんな感じでデフロットさんと別れ、学校に必要そうなものを揃えに市場へ出かけた。



◇◇◇◇◇◇



ショウを見送り、これからの予定を考える。

先ずは、第一地区へ行き、ショウのアイデアを現実の物とするために大臣を説得する。

問題はその内容じゃ。


今の採掘量でショウの案を実行すると、採掘されるほぼ全ての鉱石を1人の少年に委ねる事を意味する。

鉱石は一般の鍛冶屋でも使われる。そのような事をしたら、暴動も起きかねん。


対応策として、ショウの言ってたジュウキとやらを使い採掘の効率を上げる方法じゃが・・・


「論より証拠か・・・メアリ!ワシの知り合いで協力してくれそうな者全員に報せてくれ。内容はそうじゃな・・・とにかく大量の金属が必要だ。それと鉱山を持っている者はジュウキの使用許可と口の堅い労働者を雇うようにと」


「分かりました」


「あと、今回の計画で資金が必要な場合は全てワシが負担する・・・と」


「はい。そのように致します」


ジュウキを作って採掘量を上げれば議員も文句は言うまい。

うまく隠蔽できれば、帝国へ進言せずに採掘量を増やすことができる。

役所に聞かれた場合は・・・ボード商会から仕入れたと言えば大丈夫じゃろう。


「メアリ。屋敷に戻ったあとでいい。ロジャーに仕事を・・・いや、書斎に呼んでくれ。話がある」


「はい。分かりました」


あとは、今考えた計画が全て狂った場合も考えておかなければ・・・



更新が遅くなり申し訳ありますん。


調子良い時は週1で、あまり良くない時は月1で更新しますのでよろしくお願いします。

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