四十話【学院に入る】
屋敷に戻り、セバスチャンにこれからの事を話す。
「フォレス国へ行かれる・・・と」
「そう」
「構いませんが、私はここを離れられないのでショウ様をお手伝いすることができません。それに、来年の学院への入学はどうされるおつもりですか?」
あ・・・
「さ、再来年は・・・?」
「同級生との年齢差が広がりますが、よろしいですか?」
「うっ・・・」
この学院は中等部と高等部の一貫校だ。中学と高校と考えていい。そこで俺は高等部へ入る事になるが、高等部の入学時の年齢は16~17歳。日本だと15歳、入学式前に誕生日を迎えると16になるが、この世界だと中等と高等の間に1年開ける為、年齢が1つズレる。その1年は体作りの期間となっている。選んだ科目で過酷な訓練を受ける生徒がいるからだ。まあ該当しない人たちは勉学だったり、冒険、親の手伝い、魔物討伐、基本何してもいい。16歳から冒険者登録できるのもそのためだ。そのルールのおかげで俺も入学できる訳だが、再来年になると、スマホのカレンダー上では俺も18歳になる。義務教育では無いとは言え、入学資格を失うことになる。まあ、いざとなれば編入があるが、友達を作る時間も過ごす時間も短くなる。
しかし、帝都に残ると飛行機が作れない。
でも進行状況は確認したいし、ストリアの件もある。
フォレス国に行かない訳には・・・
悩んでいると、セバスチャンがいい案を出してくれた。
「確か、そのヒコウキには広い場所とドワーフの様に高い技術を持った人材、環境が必要とおっしゃいましたね?でしたら、やはり入学する事をお勧めします」
「え?」
「デフロット様の創立なさった総合学院ですよ?この学院で学ぼうと色々な場所から生徒が集まってきます。外国からの留学生も珍しくありません。それに、当学院は狭くありません。競技場も訓練場もあり、とても広いです。また、研究をしたい場合・・・ショウ様の場合はヒコウキですが、研究会を設けることもできます。興味がある仲間を誘えば、一緒に研究する事も可能です」
なるほど・・・
「ドーヴェルさん達を連れてくるっていうのは・・・?」
「来客という名目であれば問題ありませんが、今回の場合は気にしなくても大丈夫です」
気にしなくても大丈夫?
どういう事だ?
シェリルさん達を学院に招く・・・という事か?
「・・・大丈夫?」
するとセバスチャンはピシッと姿勢を改め、得意げに言う。
「お任せ下さい!」
多分そういう事なんだろう・・・
となると、ドーヴェルさんにこの事を伝えなければいけないな。
「ありがとう。じゃあドーヴェルさんやシェリルさんに話してみるよ」
「ショウ様、その必要はございません。私から話しておきます」
「・・・それは助かる」
詳しい内容は俺には分からないから、セバスチャンが話すのが一番いい。
セバスチャンとの話しが終わると、俺は自室へ戻り休息を取った。
◇◇◇◇◇◇
「デフロット様、ショウ様の入学の件ですが・・・」
「ほう?」
「彼から入学する意思が見受けられました」
「ふむ」
「しかし、ある事を頼まれまして・・・現在、倉庫で雇っている者も学院に連れて行きたいようです」
「そうか・・・ご苦労。今日はもう休んで良いぞ」
「ありがとうございます」
部屋を出ようとした時、伝言魔法によって彼の頭にデフロットの声が響く。
『セバスチャン!地下倉庫に侵入者がおるぞ。何とかしろ』
『ええ。その様です』
セバスチャンは今の会話が無かったかの様にお辞儀をするとそのまま書斎を離れ階段を下りる。
地下まで下りると、【気配察知】で自分の魔力を薄く広げる。すると、魔力を持つ何かが抵抗となって広げるのを邪魔した。
「そこですな?」
「・・・」
「隠れても私からは逃げられませんよ?」
セバスチャンはゆっくりと歩む。
「酒樽の後ろにいらっしゃるじゃないですか。危害は加えませんので出てきてください」
「っ!?」
「嘘ではありません。安心して下さい」
隠れていた男は大人しく出た。
「なぜ分かった?」
「【監視魔法】がございますので」
「監視・・・?」
「ええ。屋敷内では常に」
「創造魔法か・・・なぜ俺を攻撃しない?」
「理由があって来たのでしょう?」
男は「なかったら来ねえよ」と呆れる。
「ショウに会いたい。そう言えば会えると聞いた」
「・・・そういう事でしたか。では私について来て下さい」
「分かった」
最近ちょっと忙しいので2週間に一回になるかもです。




