二十七話 【手掛かり】
ーーークリーク村ーーー
少し歩くと二軒目の店にたどり着いた。
扉を開けるとカランカランとドアベルが鳴る。
「いらっしゃい!」
軽くお辞儀をしてカウンターのおばさんに例の小物について聞く。
「う〜ん、そうねぇ、迷宮は攻略されてその後何も見つかってないし、この店に運び込まれた物はストリアから来た商人に持っていかれたしねぇ」
「そうですか、じゃあ今はストリアにあると?」
「そうだけど・・・まさかストリアに行くつもりなのかい?」
「え、ええ。そのつもりですが、何か良くないことでも?」
すると彼女はゆっくり話し始めた。
「数年前は安全な国だったけど、ここ最近、軍が再編成されてね、不穏な空気が漂っているんだよ」
「不穏な空気?」
「軍がクーなんたらを企てるらしいよ。今あそこに行ったら巻き込まれるだろうね」
「・・・クーデター?」
「そう!それよ。クーテダー」
うん、クーデターね。
しかしこれはまずいな。
平和だった国がクーデターで軍に支配されてしまうと安易に近づけなくなる。
それ以前に国外に出た事がないが・・・
地球産の物が回収できなくなる。
向こうが今どうなってるかは分からないが、万が一、渡ったのが近代兵器で、それを大量生産をしているとしたら大変だ。
軍が変な考えをしなければいいが、クーデターが成功して周りの国々へも手を出そうとしたら一大事になる。
「おばさん!商人が買っていった小物って何ですかっ!?」
「お ね え さ ん 、よ。口で説明するのは難しいわ」
失敬、おねえさんでしたね・・・
それに彼女の言う通りだ。
この世界の人に異世界の物の説明を求めても答えられるはずがない。
俺は咄嗟にスマホを出し、画像フォルダを開く。
探しているのは・・・
「あった!これ!これじゃないですか!?」
「何だいそれは!?ん?んん!」
俺が見せた写真、例のミリオタの友人に頼まれて撮った写真だ。
画面には友人が機関銃を構えてポーズを取っている。バックにはモデルガンが飾られていた。
画面をスクロールし画像を変える。
いくつか見せた後、彼女が「あっ」と声を漏らした。
「ありました!?」
「え、ええ。多分だけど似てるわ」
画像を何枚か戻す。
「これと、これよ」
彼女が指したのは、友人の後ろにあったモデルガンと、たまたま映ってしまったパンフレットの表紙の無線機。
よく気づいたな・・・
それから詳細を聞こうにも簡単にはいかなかった。
「ねえあんた!それなんて道具?魔道具?どこで手に入れたの?ちょっと貸して!」
好奇心に火をつけてしまった。
「あ、ちょっ!だめです!」
カウンターに乗り出してまでスマホに手を伸ばそうとする彼女をかわし、挨拶を済まして店を飛び出す。
「おばさんっ!ありがとうっございますっ!何か分かったら知らせるんでっまた後で!」
とりあえず店から逃げる。背後から「お ね え さ ん!」と聞こえるが、今は無視だ。
周りからは「何だ何だ」と目を向けられる。
こうも目立っては長居は出来ない。
ギルドの一件もある。
一旦、第三地区へ戻ろう。
交通手段は、馬車だ!
楽だし。
馬留めまで行くと馬車がちょうど出発するところだった。
「おーうい!待ってくれー!」
「あー?なんだぁ?」
面倒臭そうに返事をされるが、護衛と運賃を条件に乗せてくれた。
馬車は、俺が転移して通って来た道とは別の、帝都への最短ルートを進んで行った。




