二話 【出会い】(後編)
章を設定しました。
「助けていただき、ありがとうございました」
「別に気にすんな」
気にしない訳がない。
あの後、パンと水を貰ったのだ。
「そうよ、そんなに気にしなくてもいいのよ・・・」
心残りでもあるような言い方だな。
ひょっとして残り少ない食料を貰ったせいか?
確か、鎧の男はヘレンと呼んでいたな。
食料をくれたのも彼女なのだ。
「ヘレンさん、あの、パンと水ありがとうございました」
「!?い、いいのよ!」
おや?ちょっと慌ててる。かわいい。
「そうだ!まだ名前を言っていなかったね。俺はロジャーだ。そこのちっこいのは、すでに知ってるみたいだが、ヘレンだ。」
「誰がちっこいですって!?」
殺気が漏れる。何この子怖い。
喧嘩が始まりそうなので会話を戻す。
名前だけでいいかな?
「僕は、翔って言います」
「ショウか、よろしく」
大丈夫らしい。
「よろしくお願いします」
「よろしく!」
「ところでショウ、こんな森で何をしていたんだい?」
そうだった。
「はい、実は・・・」
散歩中に公園へ寄って目を瞑って開けたらここにいた事、電話もGPSも繋がらない事、今どこにいるか分からなく、衰弱していた所を助けて貰った事を話した。
「その、ショウ君。気付いたらここに居たっていうのは分かったんだけど、話の途中でデンワとかジーピーエスとか出てきたけどそれ何なの?」
ん?
「私もそれ気になる!」
何かおかしい。
「電話を知らないんですか?」
顔を見合わせ、困ったように同時に答える。
「知らないね(わ)」
ひょっとしてとんでもない田舎なのかな?
ポケットからスマホを取り出し見せる。
「何それ!?キレイ!」
「勝手に触っちゃダメだろヘレン!」
「落としたりしなければ大丈夫です」
取り敢えず、電話が遠くにいる人との連絡手段だと説明する。使い方も教えておく。
まあここでは使えないが・・・
「へぇ、そんな道具もあるんだなぁ」
ロジャーさん、目つきが怖いからやめて。
「ねえ、これ売ったらいくらぐらいになるかしら?」
・・・まいいか。
んー、中古になるからな、相場は知らんが五千円くらいなら売れるだろう。
「中古になるので5千円、新品だと5、6万ぐらいじゃないでしょうか?」
「5千エン?5千エンってなんだ?」
え?5千円が理解出来ない?
「5千円は5千円ですが・・・」
「いや、5千は分かるが、エンって何だ?」
「私達が使ってるのって金貨や銀貨よね?その五千エンって金貨でいくらぐらいなの?」
「ヘレンはお嬢ちゃんだからな!俺は銅貨がメインだが・・・」
あれ?
ん?
おかしいぞ?
「円は日本の通貨ですが・・・」
「「ニホン?」」
あ、なんかヤバイ感じがする。
「そんな国あったっけ?」
「私は知らないわ」
「ニホンがどこかは知らないが、ここはロア帝国の外れにある森と言っておこう」
「ロア・・帝国・・・!?」
何だこれ。
落ち着け自分!
血の気が引いていくのが分かる。
もう一度周囲を確認しよう。
ここは森だ。目の前には鎧を着た男に、防御する気があるのか知らんが、露出の多い鎧を着た女がいる。2人とも外人さんぽい顔立ちだ。日本語が話せるから一瞬驚いたが・・・
そして剣を腰から下げている。日本じゃ銃刀法で捕まるからコスプレかと思っていたが本物か?
念の為確認をする。
「あの・・その、腰に下げている剣は本物・・ですか?」
「ん?何でそんな事聞くんだ?本物に決まってるだろ。な?ヘレン」
「そうよ!偽物下げたって意味ないじゃない!」
剣は本物らしい。
そして日本語は通じるがここは日本じゃない。
どうやらロア帝国らしいが聞いたこともない。
ひょっとして・・・いや・・・
そんなバカなことが・・・
気分が悪い
視界が揺らぐ。
「おい!」
「!?」
ここで、一旦意識が途絶えるのであった。
自己紹介する部分を少し編集しました




