十九話 【久し振りに勉強をする】
「ショウ様、デフロット様が管理される学院へ行ってみてはいかがでしょう?」
部屋で設計図を書いていると、セバスチャンが声をかけてきた。
「学院?」
「ええ、学院には生徒が沢山います。友人を作るには良い機会かと」
なるほど、確かにこの世界に友人と呼べるような人は思い至らないな。
「冒険者なら、戦闘術を学ぶこともできます」
「・・・魔法も?」
「ええ、もちろん」
興味深い。
だが何だ?
遠回しで「入学してくれ」と言われている気がする。
まあ俺にとってはメリットだし、退屈のあまりに設計図や屋敷設備の改善点を箇条書きにするくらいしかやることが無いからちょうど良い。
「入学しても?」
「ええ、もちろん。ただ、入学の時期がちょうど過ぎてしまっているので・・・来年になるかと・・・」
と申し訳なさそうに言うセバスチャン。
大丈夫だ。
誘ってくれるだけで嬉しい。
「来年を待つよ」
後で知った事だが、デフロットさんはロア帝国総合学院の学院長で、学費はタダにしてくれるらしい。
ただ、ルール上、入学試験は受けろとの事。
試験は筆記と実技があり、得意な方(両方受けても良し)を選ぶことができる。
高得点だった場合、特待生(授業自由参加、学費タダ、寮タダ)として入学することが可能だ。
俺が受かった場合、学費はどの道タダだが、なるべく正規のルートを通りたい。
という訳で明日から実技と筆記、何が出るか分からんが教えてもらおう。
対策はしっかりせねば。
ーーーーーー
翌日から試験対策が始まった。
実技は剣術と魔法。
筆記は国語と算術と戦術だ。
剣術はロジャーさん、魔法はヘレンさんが教えてくれる事になった。
最初は木の棒で素振りを何度もやった。
それが終わったらロジャーさんと剣(木の棒)を交える。
魔法は全く使えなかった。
詠唱をしても何も起きなかった。
異世界から来たからだろうか?
次の練習では魔力石を使ってやる事になった。
戦術、これはセバスチャンに教わる。
敵の弱点のつき方や立ち位置などだ。
こればかりは剣術や魔法と一緒に練習したが、試験では筆記として出されるらしい。
しかし他2つ、国語と算術は誰も教えてくれない。
「お前なら問題ない」「十分だ」と言われるだけだ。
しかし、油断は禁物。
国語は、読み書きができれば良いらしいが、算術はそうはいかない。
スマホの問題集でしっかり勉強しておこう。
俺はこれを続けた。
魔法以外は順調だった。
変化があったのは、魔力石を使い始めてスマホ時間で2週間くらい経った頃だ。
体が妙に怠くなった後、始めて魔法が成功した。
身体が魔力に馴染んだんだろう。
それからは楽だった。




