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転移先で困って現代技術を再現した件  作者: 空白
第一章 ロア帝国編
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十四話 【ヘレンさんのお家】



満腹感に浸っていると、ヘレンさんが近づいてきた。


「ロジャー、どうする?」


俺に話しかけるのかと思ったじゃないか・・・


「何がだ?」

「宿」


あー、そう言えば暗くなってきたし、泊まるとこもないな。

空を見上げると、雲がオレンジ色に染まっている。


「第三地区も近いし、このまま行けば今夜中には着くんだけど、どうする?」

「んー・・・」


今夜中に着くのか?


「ショウはどうしたい?」

「そうですね、このまま進んだ方が経済的で、時間も節約できると思います」

「だそうよ?ロジャー」

「じゃ行くか」


このまま行くことになった。


ーーーーーー


空は次第に暗くなり、まっすぐ続く通りを月明かりと建物の灯りを頼りに歩く。


電灯があればな・・・


現代日本で生きてきた俺にとってこの世界の夜は暗すぎる。

足元をよく見ないとつまづく。

一方、ロジャーさんとヘレンさんは何も気にすることなく前へ進む。


一体どういう視力してんだよ・・・


「よく見えますね」

「何がだ?」

「暗いのによく前が見えるなぁと思っただけです」

「ああ、ここはよく通るから分かるんだ」

「そうなんですか?」

「ああ」


ああ、そういう事か。

商人だっけ?

ヘレンさんの家に色々売ってるとか聞いたな。


「ロジャー」

「なんだ?」

「今の道右よ?」


オイオイ、よく通るんじゃなかったのか?


「こっちで合ってる」

「右だって!」


ああ、始まった・・・


しばらく口喧嘩は続いた。「誰かに聞こう」と俺が発言したことによって一旦収まったが、近くにいた冒険者っぽい人に聞いた時の「どちらからでも行ける」という答えに、「そっち通るとかあり得ない」とか口論になった。


よく関係が崩れないな・・・


結局、ここまで2人一緒に来るのが初めてで、途中で別れたり、互いに使った道が違うだけだった。


「あれが叔母様の家よ」


ん?

これのどこが家なんだ?

屋敷の間違いじゃないか?

月明かりと窓の灯りで分かるぞ?


「これって・・・家ですか?」

「屋敷だな」

「家よ!」

「「どう見ても屋敷」です」


ロジャーさんと声が被った。


「何よ2人して!」


これを家と呼ぶヘレンさんはさぞかしお嬢様なんだろうな・・・

察したのかロジャーさんがこっちを見てうなづく。


剣先フェンスの横を歩き、門を見つける。

門の側に人が2人いる。

門兵かな?

ヘレンさんに気付くと「「お嬢様、お待ちしておりました!」」と言い、門を開けて通してくれた。


よかった。手荷物検査は無いようだ。


月明かりに照らされた道を進み、門兵に屋敷へと案内される。


大きな扉の前へ来ると、門兵は「ちょっと待って下さいね」と言い、扉を叩く。

するとスコンッという音がして覗き窓が開いた。

門兵が中の人と何やら話をして、少ししてから扉が開く。


そこには映画でしか見た事が無いような光景が待っていた・・・


「「「「お帰りなさいませ!」」」」


中にヘレンが入った瞬間、十数名のメイド達と執事達が左右に並んでいた。


これはどうすれば良いんだ?

ロジャーさんをチラ見すると、このような事には慣れてるようだ。

二人の後に続く。


ロビーの中心あたりまで行くと、一人のメイドさんが俺に・・・じゃ無い、ヘレンさんに近づき、軽い荷物を受け取る。大きな荷物はいつの間にかいた執事の人が受け取る。


ロジャーさん荷物を預けるので、俺もそうする。

あ、スマホはポケットに移す。


何かあった時のために、と言っても使えないな・・・


「ショウ様、こちらへどうぞ」

「はっはい!」


急に話しかけられたらびっくりした。


「ふふっ」


あ、笑われた・・・


「お部屋にご案内します」


ロジャーさん達の方を見ると、「後でそっち行くから」と言われたのでここからは俺とメイドさんとで行くことになる。


しかしメイドか。

前の世界では見たことが無いな。

メイド喫茶とかはあったが、一度も行く機会が無かった。

メイド服も画像でしか見たことなかったな。

メイドさんの服を観察して見る。


「オッホン」

「・・・」


おっといけない、咳払いをされるまで横に執事がいたのに気付かなかった。


しばらく壁とか天井とか床でも見てよう。


「こちらがショウ様のお部屋です」

「は、はい」


執事にドアを開けてもらい、恐縮しながら中に入る。

部屋は派手過ぎず、ちょうど良い具合に装飾がなされ、落ち着きがあった。


「今日からここがショウ様のお部屋になります」

「ありがとうございます」

「もし何かありましたら、遠慮無くお申し付けください」

「は、はい」

「それでは失礼します」


そう言い、二人は部屋から出て行った。


「ふう」


執事怖いな・・・

表情を変えず、沈黙を守る様子は怖ろしい。

目が細く、こっちを見ていたかは微妙だが、まるで監視されてるような感覚を覚えた。

まあ、変なことしなければ大丈夫だろう。



しばらくするとロジャーさんが来た。


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