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転移先で困って現代技術を再現した件  作者: 空白
第一章 ロア帝国編
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八話 【新たな計画】



クリーク村を出てから随分と経っているが、第三地区はまだだろうか・・・


「まだ着かないのか?って言いたそうだね」


ロジャーさん、あなたは心が読めるのですか・・・


「顔に出てました?」

「はは、否定しないのか」

「ええ、まあ、そう思ったのも事実ですので・・・」

「そうか」

「後どれくらいかかりそうですか?」

「あそこを見てごらん」


ロジャーさんが指した方を見る。

遠くに町、というより都市っぽいものが見える。

さっきまで、まだかなぁ、と思いながら歩いてたから気付かなかった・・・


「あれがそうですか?」

「そうだ。あれがロア帝国の帝都ロアだ」

「帝都?ですか?」

「ああ、そこにある第三地区へ向かうんだ」


しかし遠いな。

丘だから見えるが、普通の平原だと地平線に隠れてしまうだろう・・・


「結構ありますね」

「ああ、明日には着くだろう」


前の世界なら、車や電車を使えば、今の様に時間をかけずに行けたかもしれないな・・・

残念ながら異世界にそんな技術は無い!

欲しければ作るしか無いな・・・


「はあ・・・」

「ショウ、ため息をされてもこれ以上早くは行けないぞ?」


おっといけない


「いえ、速く移動する手段を知っているものですからつい・・・」

「すまんな、馬車があればとっくに着いていたんだが、旅の初日にヘレンが首飾りを買ったから・・・ね?」


なるほど・・・


「何よ!これは幸運のお守りなの!これのおかげで今無事に生きているかもしれないのよ?」

「はいはい、分かりました」

「むー!」


ここで言ってしまうか。

そうすれば、首飾りが原因で喧嘩することも無いだろう・・・


「僕が知ってるのは、馬車よりも速い乗り物ですよ」

「「え?」」


これで首飾りから話が逸れた。


さて、どう説明しようか・・・


「自動車って言うんですけど分かりませんよね」

「「ジドウシャ?」」

「はい、人を乗せて高速で走ることが出来ます」

「それって馬よりも速いのかしら?」


ここは道路が無く、凸凹だから分からないが、多分それでも車の方が速いだろう・・・


「ええ、最高速度は馬よりも速いですよ」

「それってどこにあるんだ?」


前の世界です!

なんて言えないな・・・


「どこでしょうね、僕には分かりません」

「そうか・・・」

「でも頑張れば作れますよ」

「!?」

「ほ、ほんとうか!?」


ロジャーバッテリー1号の様に頑張ればできるだろう。無い部品は作ってもらおう・・・


「無い部品は作るの手伝ってくださいね?」

「ああ!分かった!」

「私も手伝う!」


この後どの様な物が必要かなど、大まかな部分を言って、話を進めた。


あ、すごく今頃だが、この世界ってガソリンはあるのか?

無いだろうな・・・


「あの、ガソリンってありますか?」

「「ガソリン?」」


無いな・・・


「分かりました・・・」

「無いとマズイ?」


ええ、かなりマズイですよ!

車ができても、ただのオブジェになってしまう。

蒸気機関は、仕組みを知らん・・・

車のエンジンなら大まかな仕組みなら分かるのだがな・・・

作るための知識があっても、燃料が無きゃ意味がない。

あ、アルコールがあったか!

アルコールの作り方は知らないが、酒を熱せば抽出できると思う。

熱した後の酒は、ロジャーさんに任せよう・・・

アルコールは植物からもできるらしいが、俺は知らない。

まあ、燃える液体があれば特に問題ないか。


「いえ、問題ありません。引火性の高い液体があれば大丈夫です」

「そうか!わかった。向こうへ着いたら探そう」

「ねえ、火炙りの刑で使う油って使えるかしら?」


火炙りの刑・・・

この世界は怖いなぁ


「それはいいかもしれん。兎に角、明日また話そう。今日はもう遅いからな」


いつの間にかこんなに時間が経っていたのか・・・

よく見たら焚き火がある。話に夢中で気が付かなかったな・・・


「食事したら寝ようか」

「そうね」

「はい」


パンと焚き火で温めたスープを貰う。

いつもより美味しく感じる。


「ショウ」

「はい」

「食事が終わったら先に寝てくれ。俺たちは交代で見張りをする。魔物が出るらしいからな。戦闘音が聞こえたら、絶対にテントを出るなよ」


俺だけ寝るのは申し訳ないな・・・


「僕も見張りやります」

「ダメだ」

「ダメよ」


ヘレンさんまで・・・


「じゃあ、戦闘音が聞こえない時は?」

「その時は好きにしてもいいが、お前は体力が無いみたいだから休むことをお勧めする」


うん、仕方ないか。

この世界に来て思ったが、皆力強過ぎ・・・

クリーク村では大きな木材を軽々と運ぶ者も居た・・・

技術が発展した前の世界ではあまり見られない光景だ・・・


「分かりました」


よし。

今日はもう寝て、明日に備えよう。


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