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イン・ザ・メガ・チャーチル  作者: ほかほか


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6/7

6

 鈍く光る廊下をウィングストンとその部下ケイが歩く。必要最低限の広さしかない廊下では、その靴音が重く響いていた。




 もうすぐ作戦司令室というところで、ウィングストンがトイレを指差し言った。




 「すまん、いざ作戦が始まるというとどうも緊張してな。」




 ケイは呆れたように振り返ると、眉を顰めながら言った。




「もぉ、早くしてくださいよ。こんな時に。先行ってますよ」




 ウィングストンは、作戦司令室へ向かおうとしたケイをもう一度呼び止めた。




 「あぁ、ちょっと」


 


 そのときウィングストンは、手にしたハンドガンでケイの顎を殴ると、ケイはそのまま意識を失い床に倒れた。




メガチャーチル起動まで残り10分




 バスルーム・n番格納庫 メガ・チャーチル作戦司令室




全長25m、その巨体から格納庫内の電灯を持ってしても、影を落とす巨大兵器メガ・チャーチル。最終調整を全て終え、十数年と幾ばくかの時を経て、その眠りから醒めようとしている。




 整備士長アストロノートの声が、作戦司令室へ広がる。




 「ジョイント、アーティフィシャルマッスル、コアユニット、武装、時越暗礁、すべて完了しました」




 アーチャーが答える。




 「了解。アストロノート、この短期間でよくやり切った。チームのみんなもありがとう」


 


 顔に笑みを装っているアーチャーであったが、その実は終焉へ歩みを進めるような、警戒心があった。これほど首尾よく進むはずがない。




 人生の経験から、何かしらの困難に当たった時、必ず解決の前に、更なる問題へぶち当たる。アーチャーの勘が告げていた。こんなにうまくいくはずがないと。


 


 その時、作戦司令室のドアが開かれた。ウィングストンだ。その首筋には、緊張のせいか汗が滲んでいる。




 アーチャーは、デスクの引き出しへ手を伸ばしながら、緊張をほぐそうと話しかけた。




 「ウィングストン、遅かったじゃないか。始まるぞ、準備するんだ」


 


ウィングストンは、少しばかりはにかむと、アーチャーの後ろを通り、席に着こうとした。




 アーチャーの後方へ差し掛かる、その少し前に、アーチャーはウィングストンにもう一度話しかけた。




 「ウィングストン、ケイはどうした。迎えに行かせたはずだが」




 歩みを止めたウィングストンが答える。




「あぁ、ケイなら今トイレです。急に痛いとか言い出して」




 アーチャーは、振り向かずにまた聞いた。




「ウィングストン、ここのカーペットは厚いんだよ。体が重ければ、それだけ沈み込む。何を聞いてるか、わかるか」




 ウィングストンが答える。




 「さ、さぁ」




アーチャーが返した。




 「その中に着てる防弾装備はなんだ」

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