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[完結保証]規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜  作者: 西園寺
晩餐会編

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第58話 獣王の来訪

次話は明日19時投稿予定です。

晩餐会まで――八日。


帝都。


北の街道から、一つの巨大な使節団が到着していた。


掲げられている旗。


赤い布地。


その中央には金の獣の紋章。


アジス獣王国の旗。


帝都の門の前に兵士たちが並んでいた。


そして市民たちも遠くから様子を見ている。


理由は一つだった。


使節団の中央にいる男。


圧倒的な存在感。


巨大な体格。


金色の鬣。


鋭い牙。


獅子の獣人。


メラノ・アジス獣王。


帝都の兵士の一人が思わず呟いた。


「……とんでもなく大きいな」


その時だった。


帝都側から騎士団が現れる。


先頭の男が馬を降りた。


帝国貴族。


ヴァレンティス辺境伯。


今回、アジス獣王国の担当、ヴァレンティス辺境伯は歩み寄り、一礼する。


「メラノ獣王」


「帝国へようこそ」


メラノ獣王は低い声で笑った。


「ははっ」


「人間の都は相変わらず大きいな」


ヴァレンティス辺境伯は答える。


「まずは皇城へご案内いたします」


やがて城門が開いた。


アジス獣王国の使節団は帝都へ入る。


街の人々は道の端からその姿を見守った。


巨大な獅子の王。


帝都では滅多に見ることのない存在だった。


やがて一行は皇城へ到着する。


白い石で造られた巨大な城。


帝国皇城。


メラノ獣王は馬車を使わず、そのまま歩いて城へ入った。


兵士たちはその巨体に思わず目を奪われていた。


案内された先の部屋。


扉が開く。


中にいたのは――


皇帝。


そしてもう一人。


皇帝の横に立つ青年。


皇太子アルト。


メラノ獣王は歩み寄る。


そして腕を組んだまま言った。


「皇帝」


皇帝は静かに言う。


「よく来た、メラノ獣王」


メラノは部屋を見渡す。


そして笑った。


「海洋国」


「そして魔王国」


少し間を置く。


鋭い目で皇帝を見る。


「……次はどこを取るつもりだ?」


部屋の空気が一瞬静まり返った。


だが。


皇帝は何も言わない。


代わりに――


アルトが一歩前に出た。


そして静かに言う。


「誤解があるようですね」


メラノ獣王が目を細める。


「ほう?」


アルトは続けた。


「帝国が最初から手に入れるつもりだったのは海洋国だけです」


「海洋国は帝国に敵対しましたから」


メラノ獣王の眉がわずかに動く。


アルトはさらに言った。


「魔王国に関しては違います」


「レグナ――」


「今はデスト公爵ですが」


「彼の依頼によって起きた出来事です」


メラノ獣王は腕を組んだまま考える。


「つまり」


「最初から計画していたわけではないと?」


アルトは頷いた。


「結果として帝国領になっただけです」


「ですが、帝国が望んで戦争を起こしたわけではありません」


メラノ獣王は少し笑った。


「なるほどな」


その目は鋭いままだった。


帝国の力。


それは疑いようがない。


だが――


この皇太子。


あまりにも冷静すぎる。


「……つまり」


「帝国に敵対すれば、滅ぼすということか?」


アルトは表情を変えない。


そして静かに答えた。


「帝国は無意味な戦争は望みません」


「ですが――」


「敵対する国に対して、容赦する理由もありません」


メラノ獣王は数秒アルトを見つめる。


そして牙を見せて笑った。


「なるほどな」


低く笑った。


「はっきりしている」


皇帝がその様子を見ながら言った。


「我が皇太子は回りくどい言い方を好まない」


メラノ獣王は腕を組んだまま頷く。


「嫌いじゃない」


そしてアルトを見る。


「十にも満たないような顔をしているが……」


「中身はまるで老獪な王だな」


アルトは特に反応しない。


ただ静かに言う。


「帝国が望むのは安定です」


「戦争ではありません」


メラノ獣王は鼻で笑った。


「だが、戦争になれば負けない」


アルトは答えた。


「その通りです」


短い沈黙。


だが、重い沈黙ではない。


メラノ獣王は笑った。


「いいだろう」


「晩餐会を楽しみにしている」


皇帝が頷く。


「帝都でゆっくり過ごすといい」


会談はそこで終わった。


メラノ獣王は部屋を出る。


外ではヴァレンティス辺境伯が待っていた。


「宿所へご案内いたします」


メラノ獣王は歩きながら小さく呟く。


「……なるほどな」


「帝国は面白い国になった」


頭に浮かぶのは、先ほどの皇太子の姿。


まだ幼い顔。


だがその目は――


まるで長く戦場を見てきた将のようだった。


メラノ獣王は低く言う。


「……あれは危険すぎる」


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