表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[完結保証]規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜  作者: 西園寺
婚約者選抜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
129/135

第129話 第四次選抜

個別面談が全て終了した翌日。


候補者たちは再び皇城の大会議室へ集められていた。


初めて顔を合わせた時と同じ部屋。


だが。


空気は全く違っていた。


誰もが他の候補者の実力を知っている。


そして。


ここまで残った者しかいない。


静かな緊張感が漂っていた。


やがて。


会議室の扉が開く。


アルトとギルタルが入室した。


候補者たちは一斉に立ち上がる。


「着席してください」


アルトの言葉で全員が座った。


会議室が静まる。


アルトは候補者たちを見渡した。


そして静かに口を開く。


「まず、ここまでの選抜、お疲れ様でした」


誰も口を挟まない。


アルトは続ける。


「夜会」


「連合裁定」


「帝都視察」


「危機対応」


「個別面談」


「皆様はそれぞれ優れた能力を見せてくださいました」


候補者たちは静かに聞いていた。


アルトは一人ずつ視線を向ける。


「リベナ殿下は外交」


「テジナ殿下は軍事と現場判断」


「セレナ嬢は制度設計」


「レティア嬢は経済と流通」


「エリ様は長期的視点」


「ミレーユ嬢は民を見る力」


「ユリア嬢は維持管理」


「エルシア嬢は統合能力」


会議室が静まる。


誰も否定できない。


全員がそれぞれの強みを示していた。


アルトは続ける。


「そして帝国は、皆様を高く評価しています」


一拍。


「以前もお話しした通り、皇妃に選ばれなかった場合でも、希望される方には帝国大使として帝国へ迎える準備があります」


候補者たちは静かに聞く。


「その際には侯爵級魔力も授与されます」


誰も驚かない。


既に説明されている内容だった。


だが。


改めて聞くと、その重みは大きい。


帝国貴族しか持たない魔力。


しかも侯爵級。


それは各国の王族ですら得られないものだった。


アルトは静かに続ける。


「ですが」


空気が変わる。


「それは選抜の結果が出た後の話です」


候補者たちの視線が集まる。


アルトは真っ直ぐ前を見る。


「私が選ぶのは、未来の皇妃です」


会議室が静まり返る。


「優秀な者を選ぶだけなら簡単です」


「能力だけを見るなら順位も付けられるでしょう」


一拍。


「ですが皇妃は違います」


アルトの声は静かだった。


だが重い。


「帝国の未来を共に作る存在です」


誰も動かない。


アルトは続ける。


「だから次の選抜では」


そこで一度言葉を切った。


全員が自然と身構える。


アルトは告げた。


「第四次選抜を開始します」


会議室の空気が引き締まった。


ギルタルが一歩前へ出る。


そして机の上へ一枚の資料を置いた。


「第四次選抜の課題です」


候補者たちの視線が集まる。


アルトは静かに言った。


「テーマは――」


短い沈黙。


そして。


「五十年後の帝国」


誰もすぐには反応できなかった。


五十年後。


今いる誰もが老いている未来。


だが。


帝国は存在しているだろう。


その未来を考えろというのだ。


アルトは続ける。


「軍事でも構いません」


「経済でも構いません」


「外交でも」


「教育でも」


「貴族制度でも」


「魔力制度でも」


「開拓でも」


「民政でも」


「自由です」


候補者たちは真剣な表情になる。


アルトは静かに言った。


「五十年後」


「帝国をどのような国にしたいか」


「皆様自身の考えを提出してください」


レティアが少し笑う。


「難しいですね」


「そうでしょう」


アルトも頷く。


セレナはすでに考え始めている。


ユリアも。


エルシアも。


それぞれ違う未来が頭の中に浮かんでいた。


その時。


リベナが静かに手を上げた。


「一つよろしいでしょうか」


「どうぞ」


アルトが答える。


リベナは真っ直ぐ見つめた。


「殿下ご自身は、五十年後の帝国をどう考えておられるのですか」


会議室が静まる。


全員が気になっていた。


アルトは少しだけ窓の外を見た。


帝都。


その先に広がる巨大な帝国。


そして。


まだ誰も知らない未来。


アルトは静かに答えた。


「今は言いません」


候補者たちの目が動く。


アルトは続ける。


「まずは皆様の未来を見たい」


「私一人の未来ではなく」


「皆様が見る未来を」


その言葉に。


エルシアが小さく息を吐く。


なるほど。


これも試験なのだ。


アルトは立ち上がった。


「準備期間は七日」


「その間、帝都での調査も許可します」


「必要な資料は帝国が用意します」


そして最後に告げる。


「未来は正解を求めるものではありません」


紫の瞳が候補者たちを見渡す。


「何を見て」


「何を守り」


「何を残したいのか」


「それを見せてください」


会議室は完全な静寂に包まれた。


第四次選抜。


未来を問う試験。


それは今までで最も難しい試験になる。


なぜなら。


答えが存在しないからだ。


候補者たちはそれぞれの想いを胸に立ち上がる。


帝国の未来。


そして。


自分自身の未来を見つめるために。


第四次選抜が、静かに始まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ