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[完結保証]規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜  作者: 西園寺
婚約者選抜

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第126話 個別面談・テジナ

セレナとの個別面談が終わった翌日。


皇城。


次に呼ばれた候補者は――


テジナ・アジス。


アジス獣王国第一王女だった。


案内された場所を見た瞬間。


テジナは笑った。


「やっと面白そうな場所ね」


そこは皇城内ではない。


帝都郊外。


帝国近衛騎士団の訓練場だった。


広大な敷地。


訓練用の障害物。


模擬戦区域。


騎士たちの掛け声が響いている。


アルトはそんな訓練場を見ながら言った。


「テジナ殿下にはここが一番合うと思いました」


「当然ね」


テジナは即答した。


「会議室より百倍好きだわ」



二人は訓練場を歩く。


騎士たちが模擬戦をしている。


剣と剣がぶつかる音。


盾を叩く音。


兵士たちの声。


テジナは楽しそうだった。


アルトが尋ねる。


「軍が好きですか」


「好きというより慣れてるのよ」


テジナは答える。


「獣王国は辺境が多いから」


「会議より前に戦場を見るの」


アルトは頷く。


「なるほど」


テジナは笑う。


「殿下は違う?」


「私は両方です」


即答だった。


テジナは少しだけ目を細めた。


やはりこの皇太子は普通ではない。



やがて二人は訓練場中央へ辿り着く。


騎士たちの訓練を見ながら面談が始まった。


アルトは言う。


「帝都視察の時」


「真っ先に荷車の対応へ向かいましたね」


「怪我人はミレーユが見てたもの」


テジナは肩をすくめる。


「なら私は別を見た方が早いでしょ」


実に彼女らしい答えだった。


アルトは続ける。


「迷いませんでしたか」


「何を?」


「優先順位です」


テジナは少し考えた。


そして答える。


「迷わないわ」


アルトは静かに聞く。


テジナは続けた。


「怪我人を助ける人がいるなら、私は事故を広げない方を選ぶ」


「全員が同じことをしても意味がないもの」


その答えにアルトは頷く。


状況判断。


役割分担。


軍人らしい思考だった。



その時だった。


訓練場で模擬戦をしていた騎士の一人が吹き飛ばされる。


地面を転がる。


周囲がざわついた。


だが。


テジナは一目見ただけで言った。


「左足」


アルトが視線を向ける。


「左足?」


「怪我してる」


テジナは即答した。


数秒後。


教官の声が響く。


「左足を痛めた者は下がれ!」


アルトは少しだけ驚いた。


かなり離れていた。


普通なら分からない。


テジナは平然としている。


「歩き方が変だったから」


「無理してたのね」


アルトは小さく笑った。


「よく見ていますね」


「戦場じゃ当たり前よ」


テジナは答える。


「怪我人を見逃したら死ぬもの」



しばらくして。


アルトは別の質問をした。


「テジナ殿下」


「何?」


「王妃に必要なものは何だと思いますか」


テジナは考える。


数秒。


そして答えた。


「覚悟」


即答だった。


アルトは静かに聞く。


テジナは続ける。


「強さじゃない」


「頭の良さでもない」


「覚悟よ」


風が吹く。


テジナは真っ直ぐ前を見た。


「王妃になるなら」


「国のために嫌われる覚悟」


「大切な人を危険な場所へ送り出す覚悟」


「間違いを認める覚悟」


「全部必要」


アルトは黙って聞いていた。


その答えは意外だった。


だが。


非常に重かった。



面談も終盤に入る。


アルトは資料を閉じた。


「テジナ殿下」


「何?」


「以前お話しした件です」


帝国大使の話だった。


テジナは頷く。


既に知っている。


選ばれなかった場合。


帝国は各候補者を大使として迎える。


さらに侯爵級魔力も授与する。


アルトは言った。


「もし選ばれなかった場合でも」


「帝国はテジナ殿下を高く評価しています」


テジナは黙って聞く。


「特に軍事面です」


「現場判断」


「指揮能力」


「危機対応」


「非常に優秀です」


アルトは続けた。


「帝国大使だけでなく」


「連合防衛会議の中核にもなれるでしょう」


テジナが少し驚く。


それは大きな評価だった。


「へぇ」


少し嬉しそうだった。


だが次の瞬間。


口元を上げる。


「でも」


アルトを見る。


「まだ負けるつもりないから」


アルトも少し笑った。


「そうでしょうね」


「当然よ」


テジナは胸を張る。


「私は勝つために来たんだから」


その言葉に迷いはなかった。



面談終了後。


訓練場を去るテジナ。


空を見上げる。


帝国は強い。


想像以上に。


だが。


だからこそ面白い。


テジナは笑った。


「ますます勝ちたくなったわ」


その背中には戦意があった。


そして。


皇城の執務室では。


アルトが次の資料を開いていた。


そこに書かれていた名前。


エリ・エストル。


世界樹の巫女。


誰よりも長い時間を見つめる少女。


次の個別面談が始まろうとしていた。


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