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[完結保証]規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜  作者: 西園寺
婚約者選抜

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第121話 個別面談・リベナ

資料盗難事件の調査が続く中。


皇太子妃選抜も予定通り進められていた。


帝国は立ち止まらない。


事件が起きようと。


敵が動こうと。


帝国の未来を決める選抜を止める理由にはならなかった。


そして。


この日から個別面談が始まる。


最初に呼ばれたのは――


タン王国第二王女。


リベナだった。



皇城・庭園


美しく整えられた庭園。


噴水の音が静かに響いている。


面談の場として選ばれたのは会議室ではなかった。


政治の場ではなく。


人を見るための場所。


リベナは案内された席へ腰を下ろす。


向かいにはアルト。


二人だけだった。


しばらく静かな時間が流れる。


先に口を開いたのはアルトだった。


「お待たせしました」


「いいえ」


リベナは微笑む。


「私もこの時間を楽しみにしていました」


アルトは少しだけ頷いた。


そして本題へ入る。


「では始めましょう」


「はい」


リベナの表情も引き締まった。


アルトは最初の質問を投げる。


「リベナ殿下は、王妃に最も必要なものは何だと思いますか」


ありきたりな質問。


だが。


答え方で人柄が出る。


リベナは少しだけ考えた。


そして答える。


「信頼です」


アルトは静かに聞く。


「愛情ではなく?」


リベナは微笑んだ。


「愛情も大切です」


「ですが国家は愛情だけで動きません」


その瞳は真っ直ぐだった。


「信頼を失えば夫婦も崩れます」


「国も崩れます」


アルトは頷く。


否定はしない。


リベナは続けた。


「王妃は夫を支える存在です」


「ですが盲目的に従う存在ではありません」


「信頼があるからこそ、時には反対もできると思います」


アルトは静かに聞いていた。


やがて次の質問をする。


「帝国とタン王国の利害が衝突した場合はどうしますか」


リベナは即答しなかった。


数秒考えた後。


答える。


「まず衝突させません」


アルトの目が少し細くなる。


「不可能なら?」


「双方の損失を計算します」


リベナは落ち着いていた。


「勝つことではなく」


「失うものを減らします」


「戦争も外交も、最後に残るのは損失ですから」


アルトは小さく頷いた。


「なるほど」


リベナは続ける。


「帝国が勝つでしょう」


その言葉に迷いはない。


「ですが帝国が勝っても損失は出ます」


「タン王国が負ければなおさらです」


「ならば、戦う前に終わらせるべきです」


アルトは少しだけ笑った。


「外交官のような答えですね」


リベナも笑う。


「王女ですので」



しばらくして。


今度はリベナが尋ねた。


「私からも質問してよろしいでしょうか」


「構いません」


アルトは答える。


リベナは少しだけ考えた。


そして静かに言った。


「殿下は王妃に何を求めますか」


アルトは即答しなかった。


噴水の音だけが響く。


やがて。


アルトは答える。


「止めることです」


リベナが僅かに目を見開く。


「止める?」


「はい」


アルトは頷く。


「私が間違った時」


「誰より先に止めること」


静かな声だった。


だが重い。


「賛成だけするなら必要ありません」


「それなら部下で十分です」


リベナは黙る。


アルトは続ける。


「私の隣に立つなら」


「私に異を唱える覚悟が必要です」


その言葉を聞き。


リベナは少しだけ笑った。


「難しい条件ですね」


「そうでしょうか」


「ええ」


リベナは頷く。


「皇太子に反対するのは勇気が必要です」


アルトは平然としていた。


「必要なことです」


リベナは思う。


やはり普通ではない。


帝国の皇太子。


それも大陸最大国家の次代の皇帝。


だが。


目の前の少年は。


忠誠ではなく。


正しさを求めていた。



面談も終盤に入る。


アルトは資料を閉じた。


そして静かに言う。


「リベナ殿下」


「はい」


「以前お話しした件です」


リベナはすぐに理解した。


帝国大使の話だ。


選抜開始時。


全候補者へ伝えられた内容。


選ばれなかった場合でも。


帝国は優秀な人材を失うつもりはない。


希望するなら。


帝国大使として迎える。


さらに侯爵級魔力も与えられる。


破格の待遇だった。


アルトは続ける。


「もし最終的に選ばれなかった場合」


「予定通り帝国大使として迎えたいと考えています」


リベナの目が少しだけ動いた。


だが驚きではない。


確認だった。


アルトは真っ直ぐ言う。


「もちろん結果はまだ出ていません」


「ですが」


「リベナ殿下の能力は高く評価しています」


リベナは静かに頭を下げた。


「光栄です」


アルトは続ける。


「帝国とタン王国を繋ぐ役割は重要です」


「殿下なら十分に務まるでしょう」


リベナは少しだけ笑う。


そして顔を上げた。


「ですが」


アルトを見る。


「今はまだ候補者です」


その瞳には強い意志があった。


「最後まで戦わせてください」


アルトは頷く。


「もちろんです」


リベナは立ち上がる。


「負けるつもりはありませんので」


その言葉に。


アルトは僅かに微笑んだ。


「期待しています」



庭園を去るリベナ。


歩きながら空を見上げる。


帝都の空は広かった。


皇妃。


帝国大使。


どちらの道もある。


だが。


まだ決まっていない。


今決める必要もない。


リベナは小さく笑った。


「まずは勝負ですね」


帝国最強の皇太子。


アルト・シクタルン。


その隣に立てるかどうか。


答えはまだ先にある。


こうして。


最初の個別面談は幕を閉じた。


そして次に呼ばれる候補者が、静かに準備を始めていた。

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