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連れ去られるだけ
私は、必死に抵抗したが、男3人に対して女1人ではどうすることもできず、車に乗せられてしまった。
車はどんどん山の中に入っていく。
「あのっ! どこに連れていくんですか!」
男たちは、何も言わず、ニヤニヤしているだけだった。
「お願い、家に帰してっ!!」
「うるせえな、黙ってろ」
ガンっと男の一人が私のお腹を強く殴った。痛い。痛い。痛い。もうやだ。お家に帰りたい。お父さん、お母さん助けて.......。
「ふふふっ」
どこからか、女性のような男性のような声がした。私は後ろを見たが誰もいなかった。周りをみたけど私をさらった男しかいない。
「ふふふっ」
また、笑い声が聞こえた。この声ってもしかして.......
「アイなの......?」
ルームミラーに子供が横切った姿が映った。男たちには見えていないのだろうか、気づいた素振りを一切していない。
もし、あの噂が本当なら......
私は男たちに聞こえないように恐怖で震えた声であの言葉を口にした。
「お願い、アイの世界に連れてって」




