表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

本を買うだけ

 スマホを預けた私は本屋へと向かった。あの萩原って人。仏頂面で風紀委員ってだけで偉そうでとても嫌な奴だった。

 私が求めていた本は本屋の店頭で、コーナーが作られるほど大体的に、、大々的に売られていて、すぐに見つかった。


『三月兎の事件簿』という題名の小説だ。

 この小説はとても人気らしくて、もう何年もずっと売れ続けているらしい。私も読んでみたけど、主人公の女の子が可愛くて面白かったし、登場人物の人間関係も素敵だ。


 だけどこの作者の本はあまりにも人気過ぎて入荷する数が少ない。……だから、こうやって発売日に来ないとすぐ売り切れてしまう。現に、もう数えれるほどに売れている。


 私は、まだ残っていた一冊をとり、会計へと上機嫌で向かった。真のコレクターは3冊買うらしいが、私はファンだが、三冊もいらない。


 レジの横の新作お勧めのコーナーにふと目に付いた本があった。


『真相!!アイの世界の世界は実在したっ!!』


 いつもは胡散臭いなと、スルーしているが、今回はそうもいかない。実際に目にしてしまったんだ。人がアイの世界に導かれるのを。


 私は、その本を手に取り、値段を見た。

(うわぁ…意外とする)

 その本の価格に驚きながらも、買えないわけではないので、私はそれを購入した。


「ありがとうございましたー」


 店員さんの元気な声を聞きながら、私はお店を後にし併設されているカフェに向かう。

 そして、そのカフェに入り、今日のデザートセットを頼んで奥の方にあるテーブル席へと座る。

 でアートセットが来るのを待ちながら、早速、さっき買ったばかりの本を取り出して読んでみる。


 そこには、こう書かれていた。


「えっと……アイの世界って言うのは……」


 私は本を開き、その内容を読み始めた。


 ***


【アイの世界】

 この世界にはアイと呼ばれる女神がいます。彼女はこの世界の創造主であり、私たち人間が住まう世界を創ったと言われています。そんな彼女の仕事は、人間たちを見守り導くこと。


 ですが、アイ様はこの世界に干渉することが出来ません。何故なら、神とは人間の信仰心によって力を得るからなのです。そして、アイ様には、ある秘密がありました。それは、自分が生み出した世界の住人たちからしか、愛されないということ。


 アイ様は、自分のことをとても慕ってくれる存在がいるにも関わらず、自分を愛することが出来ず、他の神様や精霊たちのように、人を愛しませんでした。そんなある日のこと、アイ様は自分の力を欲するものたちに騙されてしまいます。


 アイ様の力を手に入れれば、この世界で好き勝手出来ると思ったものたちは、アイ様の力を奪い取ろうとしました。しかし、それを許さなかったのが、異世界から来たという一人の少年でした。彼は、アイ様の力で召喚され、彼女の護衛役となり、彼女を守り続けていました。


 そして、彼のおかげで、アイ様は徐々に人を信じることが出来るようになりました。それからというもの、アイ様は他の神々と同じように、人の住む世界に干渉できるようになりました。しかし、それでも、やはり、アイ様は人間たちを深く愛することが出来なかったのです。なぜならば、彼女が愛したのは、たった一人だけだったから……。そうして、アイ様と一人の少年の物語が始まりました。


 ***

「うぅ…頭が痛くなってきた」


 私は、途中でギブアップした本を閉じて、頭を抑えながら重たい息を吐いた。


「お待たせいたしました。…お客様大丈夫ですか?」


 デザートセットを持ってきた店員が心配そうに私の顔を見る。


「あぁ…大丈夫です。」


 セットでついてきたコーヒーを飲み、リフレッシュして、立ち去ろうとしている店員に話しかけてみた。


「あの、一つ聞いていいですか?」

「はい、なんでしょう?」

「アイの世界ってどう思いますか?」

「そうですね…一時のブームじゃないですか?すぐに皆冷めますよ」

「そうですか…」

「でも、私見たことがあるんですよ」

「何をですか?」


「ここで、アイの世界に連れていかれた人を」

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ