スマホを渡すだけ
「どうしよう…」
おそるおそる朱莉のスマホを拾い上げ画面を見る。画面は何も異常はなく、スイッチをおしても、トップ画面が映るだけだった。
「『アイ』の世界に連れてって?」
しかし、反応がない。
「もう、どうなってんのよ…」
全くわけがわからない。合言葉を言っても何も起きない。あの都市伝説が本当に存在していたとは思いたくないが、目の前で起きてしまった。本当に『アイ』の世界なんてあるのかしら。
「きみ、どうかしたのかい?」
「ひゃっ」
急に後から話しかけられ驚き尻餅をついた。
「そんなに驚かなくても」
「す、すみません」
見上げると男性が立っていた。胸の学年章はⅢの数字つまり、先輩の3年生だ。
「立てるかい?」
「あっ、はい」
差し出された手を取り立ち上がる。身長は自分より頭一つ分くらい高いだろう。体格もがっちりしている。顔つきを見るとかなり整った顔をしていた。少し長い髪を後ろで縛っている。
「さっきから、スマホとに睨めっこしているが、どうかしたのかい?」
「えっと、落とし物を拾って…それでどうしようかなって」
「ああ。それなら、俺が預かろう。落とし主が名乗り出てくれるといいけど……」
「いいんですか?えっと…あなたは?」
「申し遅れてすまない。風紀委員の萩原だ」
彼は自分の左腕の腕章をみせてきた。確かに風紀委員の人だ。
「あ、はい!私は、有川真奈です!」
「そうか。では、そのスマホをこちらへ」
「はい。お願いします」
頑張って進めます




