46話 相棒7
訓練を終えた後、俺は副団長に「付いて来い、見せたいものがある」っと言われ、俺は黙って付いて行き2人で廊下を歩いていた。
「・・・・・・・・・」
この時の副団長は静かで一言も話さなかった。いつもなら、鬱陶しいと毎回思うぐらいペラペラと話すのに、よほど大事なことなのだろう。その様子に俺は話し掛けることが出来なかった。
それから10分近く沈黙が続き、俺達が歩いていた時、沈黙は解かれることになる。
「君にはこれを見てほしくてきた」
副団長は静かにそう言うと突如足を止め、視線を横に付いていた窓に移す。俺は何が何だか分からなかったが、窓を見るしかなかった。
窓に広がっていた光景は見たことないものだった。100m²の芝生が広がっていて、それを囲うように3つの巨大な壁があり、この窓も壁に付けらたものだとすぐに分かった。壁には所々に人工的に作られたと思われる四角い穴のようなものが規則的に空いていた。数はパッと見ただけでも100以上はある。
そして、その中央に時衛が両手にナイフを持って佇んでいた。
「隊長? 副団長、これは訓練の一種ですか」
「・・・・あぁ、これは回避訓練」
直後、射撃場と同じ開始の音が一帯に響いた。響いた直後、穴から機関銃、ガトリング砲、スナイパーライフルなどの大型の銃がすべての穴から出てくる。そして、それらの銃が一斉射撃、まさに銃弾の雨が時衛に降り掛かる。
「なっ!!!!」
突然の出来事に俺が驚いた直後、時衛は銃弾を躱す。しかし、それではすべての銃弾は躱せない、いくつもの銃弾が襲い掛かるが、全てをナイフでいなす。その技術はまさに神業、銃弾の雨を耐えた。かすり傷1つも負わず。しかし、雨は止まない。射撃は続き、銃弾の雨は降り続ける。それに対し、時衛は顔色一つ変えず対処し続け防ぎ続ける。
「あれは、何ですか」
「回避訓練、四方八方、あらゆる場所から銃弾が放たれ5分間耐え抜く、それだけだ」
「それだけって、これのどこが訓練ですか!!!!」
これが訓練、俺にはただの公開処刑しか見えない。こんなの訓練と言えるわけがない。
「こんなの、下手したら死にますよ」
「・・・・そうだな」
「そうだなって、止めましょうよ!!!! こんなの自殺行為に等しい、まさか、あなたが隊長にやれと言ったのですか!!!」
「・・・・いや、この訓練は坊ちゃん自身から進んでやっている」
「・・・・はあぁぁあぁ!!!」
あの時衛が信じられない、こんなの自殺行為に他ならない。
「じゃあ、止めましょう!!!」
俺は慌てて止める様に副団長に進言する。正直止めた自分に少し驚いた。俺は思っていた以上に時衛のことを大事に思っていた。多分、共に戦場を掛けた中で情が湧いたのだろう。それにここで死んだら、間違いなくこの組織は大ダメージを受けることになる。
「何度も止めたさ、だけど、坊ちゃんは止まらなかった」
「な、なんで!!!」
「・・・・・・坊ちゃんは目が以上に良い、その目は異能力に匹敵するほど、相手が次どのように動くのか、頭のてっぺんからつまさきまで、手、指、指の関節、相手の視線、足さばき、肩、肘、膝、相手の無意識の動きまで全部見えている、しかも、あの子は空間認識能力も高い、スポーツで言う鷹の目を持っていて場を俯瞰して見ることが出来る」
「それって・・・・・・」
そんなの異能力を超えている、どちらか1つでも異能力と言っていいほどの目なのに、じゃあ、あの時、ノールックで撃てたのも、すぐに敵の人数が把握出来たのも、あの目おかげなのか。
「・・・・・・すごい、才能ですね・・・・」
ぽろっと俺はそう言った、そんな目、ずるいじゃないか、結局は天の恵み、生まれ持った才能じゃないか、俺のような凡人には決して届かない領域。思わず、羨んでしまった、嫉妬してしまった。
・・・・・・・・・こんな嫉妬は、初めてだ
「・・・・・・そうだな、あれは紛れもない才能だ」
「・・・・・・・・・・はい」
「でも、あれは才能、天才という、言葉で済ましてはいいものではない」
「・・・え?」
俺の言葉を聞いた副団長は肯定した直後にそう言った。
「あの子がまだ5歳か6歳の時だったか、初めて戦闘訓練をした時にこの子は目が良いということに気付いた、本当に少し良いだけ、視野が広い、相手の動きをよく見ている、本当にそれだけだった、伸ばせば人より優れるぐらいにしか当時の俺はそのぐらいにしか思ってなかった、それを坊ちゃんに言ったんだ」
「・・・はぁあ」
「それから6年間、あの子は鍛え続け、あの目を手に入れた、俺の予想を遥かに上回る目を手に入れた」
「・・・・・・」
「ナイフ捌き、射撃、駆け引き、暗器、搦め手、柔道、空手、合気、剣、槍、弓、あの子は鍛えた、戦闘の技術という技術を全て極めた、そして、14歳で俺を超えた」
「・・・・・・・」
「あの子は人が一生にやる努力をたった14歳で3回はやった、才を一生懸命に育て、天才に育て上げたんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
自分が馬鹿らしく思えた。
誰よりも努力をしていると思っていた。
自分が誰よりも大変な思いをしていると。
「・・・・・・・・・」
で、どうだ、窓を見たら銃弾の雨を防ぎ続ける俺と同い年の子がいる。ただの訓練に命を懸けてやっている。俺には到底出来ない、そこまでして鍛えたいと思わない。
・・・・・あいつの方が努力しているに決まってんだろうか。
・・・・・あいつの方が大変に決まってんだろうが。
・・・・・あぁ、情けない。
・・・・・嫉妬だぁぁあ、俺に嫉妬する権利なんてないだろうが。
天の恵み、才能、羨ましいぃ、俺は隊長の途方もない努力を天才のたった一言で済ましてしまった、少し考えたら分かったことなのに。
俺は何も考えず少し考えれば分かる裏を見ないで、表面だけを見て分かった気になっていたんだ。
天才は、褒め言葉じゃないんだな。
初めて、そう思った。
同時に時衛のすごさを改めて知り、尊敬の念が絶えなくなった。
「・・・・・・副団長、2つお願いがあります」
「ん? 何だ」
「これからも定期的に訓練を見てくれませんか」
「あぁ、それは構わない、何なら、これからも見るつもりだった」
「ありがとうございます」
「あぁ、で、もう1つは」
「隊長の異能力を教えていただけませんか」
「ん? 知らないのかい」
「はい、隊長自身が言わないので、あの人が言わないってことは必要ないと判断したからだと思いまして」
「あぁ、坊ちゃんなら、確かに、坊ちゃんに聞いてみろ多分教えてくれるさ、それにそういうことは本人に聞くべきだろ」
確かに、その通りだ。このお願いはするべきではなかったな。
「はい、分かりました」
「でも、急にどうしたんだ、坊ちゃんの異能力を聞いて」
「・・・・副団長に言われて気づきました、俺は隊長のことを知らないことに、だから知りたいのです」
そして、何であの時、期待していると言っておいて俺をスカウトしなかったかを聞きたい。
俺は決心を固め、時衛、隊長の訓練が終わった直後に聞きにいくことにした。
「隊長、お疲れ様です」
訓練が終わった直後、俺は隊長に話し掛け、持っていた使用してないタオルを渡す。
「あぁ、無寺、いたのか、ありがとう」
隊長は珍しく息が上がっており少し遅れて気付きタオルを受け取る。汗も大量に掻いていて、表情もいつもの無表情では無く疲れ果てた顔になっていた。
「何で、ここに・・あぁ、じいやに連れて来られたのか、すまん、じいやに付き合わせてしまって」
「いえ、そんなことは、寧ろ隊長の訓練を見れて良かったと思っています」
「そうか、自分で言うのも何だか、こんな訓練俺しかやらないだろ」
「そうですね、自分がやったら1分も経たない内に死ぬと思います、けど、隊長のことが知れて嬉しく思います」
「? 何で俺のことが知れて嬉しいだ?」
「尊敬しているから、ですかね」
「・・・・・・・お前、俺を尊敬しているのか」
「当たり前じゃないですか、あなたのすごさは訓練を一緒に訓練をしていたら嫌でも分かりますよ」
「・・・・・・そんなことを言うのはお前だけだ」
「・・・・そうかもですね」
隊長の言葉に俺は少し納得してしまった。隊長はまさに最強が似合う実力を持っている。そう、隊長は強すぎた。それを気に食わないと思う奴らだけならまだ良かった、でもその逆に畏怖、怖がる人もいる。正直その人達の気持ちは理解できる、隊長1人いれば全部解決する、自分の弱さを痛感させられる、自分は果たして必要なのか、そんなことをどうしても考えてしまう。それだけ隊長の実力は圧倒的で他の団員達では相手にならなかった。
「確かに隊長のことを良く思っていない人はいます、何度か愚痴に付き合わされたこともあります、ですが、自分と同じようにあなたを尊敬している人は多いと思いますよ、口に出さないだけで」
「そんな酔狂な奴がお前以外にいると思えないが」
「いえ、きっといます、あなたの先の訓練を見てたらそう思います」
人は頑張っている人を応援したくなる生物だ、あんなに努力している人が俺以外に尊敬されてないわけがない。
「そうか、それは嬉しいな」
そう言ってる割には表情は無表情のままだが、とても嬉しそうには思えない。
「・・・・あの、隊長に聞きたいことがあるのですが、よろしいですか」
「答えられる範囲ならいいぞ」
俺は少し緊張しながらも本題に入る。
「た、隊長の異能力って何ですか」
「? 言ってなかったか」
「はい、前々から少し気になっていたのですが、隊長が言わなかったので言う必要がないと思い、今まで聞かなかったのですが、この機会に聞こうと思いまして、副団長に聞こうとしたのですが、副団長が本人に聞くべきと言われましたので、こうして聞きにした次第です」
「そうか・・・なるべく異能力は隠したいと思っていてな、まぁお前ならいいだろ」
「よろしいのですか」
「隠すほどの異能力でもないしな、俺の異能力は・・・・」
隊長はありのまま異能力を教えてくれた。その異能力は本当に戦闘では使えない、それどころか普段使えるかどうかすら怪しい異能力だった。
「・・・・・・」
「本当に使えるかどうか怪しいだろう、おまけの発動した時目が光るほうがまだ使えるような能力だからな」
話した直後、隊長は自嘲気味な笑みを浮かべていた。隊長でもこんな表情をするのかと少し驚いた。
「・・・・・・教えて頂きありがとうございます」
「礼はいい、そんな大したことじゃないからな」
俺が礼を言うと隊長はいつもの無表情に戻し、汗を拭く。
「無寺、この後予定はあるか」
「? いえ、今日は特には」
「なら訓練に付き合え、今日はまだ対人戦をやってなくてな、無理なら断ってもらって大丈夫だ」
「はい!! 自分でよろしければ」
俺は喜んで返事をし、その後、10回やったが、全部敗北した。
だけど。
「うぉおぉぉぉお!!!!」
「っ!!!!!」
最後の一戦、俺が距離を詰めて斬り合いになった際に、俺のナイフが隊長の頬を掠った。しかし、直後カウンターを腹にぶち込まれ、その場で大の字に倒れ、白旗を上げてしまった。
「・・・今の一撃、良かったぞ、俺の斬撃の隙間を良く見抜いた」
「ありがとう、ございます」
俺は立ち上がりながら、隊長の賞賛の言葉を受け取る。
「だが、さっきの一撃では誰も殺せない、好機を活かせなければ無意味になる、分かってると思うが訓練であろうと殺す気で叩きこめ、俺が手加減したと判断したら、分かるな」
「はい、手合わせ頂きありがとうございます」
「だから礼はいいと言っているだろ、付き合わせたのはこっちだし、ありがとな」
隊長は少し顔を歪めて言いつつであったが、その表情には少し笑みが零れていた。その笑みはやはり優しかった。不思議とこっちも頬が緩んでしまう。
「それじゃあ、俺は出る、今日はゆっくり休め」
「はい、お疲れ様です」
そう言うと隊長は足音を経てず、足早に去って行った。
「・・・・・・・・・・・・・あれ?」
疲れが取れてなくて、立ち呆けていると1つ、疑問が浮かんだ
何で、スカウトしなかった理由を聞かなかったんだ?
忘れていた、わけじゃない、俺が大事なこと忘れるとは思えない。
じゃあ、何で聞かなかった、聞く機会はいくらでもあったのに。
「・・・・・・・」
あぁ、そうか、怖かったんだ。もしあの言葉が嘘だったら思うと怖いだ。やっと自分を真正面から認めてくれる人が出来たのに、それが例え嘘という幻でも、それに浸ってたかったんだと、当時の俺はやっとその答えに辿り着いた。
分かってるきっと何か理由があるんだ、あの人が嘘を言う人ではないことはここ数年過ごしていたら分かる。
それでも、もし、その言葉が嘘だったら、それが怖くて聞けなかっただと、やっと分かった。
・・・・・・・・・情けない。
そう思いながら、俺は訓練場を後にした。
5日後、一人で任務を終えた俺は食堂で飯を食べようと、定食を貰いどのテーブルで食べようかと空きのテーブルを探している時だった、一人の女性を目が合った。
「あ、無寺・・・班長」
彼女は生川種隠、俺の同期で来未団団員。軟田の親友であり、軟田と同じ第2班に属している。
「君付けでいい、同期だろ」
「いや、私は平の団員だし、そういうわけには・・・」
「気にするな、今更お前に班長って呼ばれる方が違和感がある」
「・・・・ふふ、ありがとう、じゃあ君付けで呼ぶね、無寺君、隣空いてるけど座る? 今日は桜もいないから寂しくてさ」
「そうか、なら、失礼」
俺は少し遠慮しつつも他に空いている席も見当たらないので隣に座った。
「調子はどうだ?」
「う~~ん、ぼちぼちかな、最近やっと任務が慣れた気がするよ、班長は優しい人だし、桜もいるから、そっちは? まだ班長になって半年経ったけど」
「ぼちぼちだ、部下が優秀だから何とかやれてるよ」
「そう、でもすごいね、こんな短期間で班長になれるなんて、出世頭じゃん」
「大したことじゃない、俺はまだまだ未熟だ」
そう、俺はまだ未熟だ、時衛隊長や副団長を見ていると自分の実力不足を実感する。隊長達と互角に戦える実力だと自負しているが、今代の時衛隊長を除く隊長達ははっきり言って歴代最弱だ。
昔の来未団は裏社会で敵なしだった。団員一人一人の質はもちろんのこと、当時の隊長達はまさに一騎当千、時代を代表する猛者達、周りに敵はおらず裏の秩序の番人として君臨していた。
しかし、今の来未団はどうだろうか、内部は腐りきり、かつての実力主義は見る影もなくどれだけ上にうまく媚びれるかがで出世できるかどうか決まる組織へとなり下がってしまった。団長は無能な傀儡、主戦力であるはずの隊長達は訓練もせず、媚びを磨いて上になった木偶の坊達。今、来未団が組織として成り立っているのは副団長と側近2人のおかげだった。
副団長はもちろんのこと、側近の1人の訓練を一度見たことがある。あの時衛隊長と互角に斬り合っていたのを鮮明に覚えている。
あの時の時衛隊長は俺が今まで見た限りでは1番本気に見えた。断言出来る、もしあの側近と戦ったら俺は1分もしない内に血まみれになるだろう、そう思わせるほどの実力があった。
もう1人の側近の戦闘能だが、俺は見たことが無い。噂では知略に長けた人物であり先日の海外のテロ組織の壊滅作戦を計画した。計画には一切の無駄がなく、相手方の裏をかき続けた。
後日、時衛隊長が言っていた、「あの人の作戦が無かったら、1ヶ月で終わらなかった、おそらく1年は掛かった。本当にあの人には無駄が無い」っと。隊長にそこまで言わせる人物だ間違いなく実力者だろう。
俺はそんな人達と隣に立ちたいのだ、今の実力で満足してはいけない。
「・・・・どうしたの、無寺、そんな難しい顔して」
「? そんな顔してたか」
「う~~~ん、元からそんな顔してたけど、ここ最近見かける時はいつにも増して険しくなってるよ」
「そうなのか」
そう言えば、前に軟田に会った時も「もう、智和そんな顔して、ちゃんと休んでるの、私の胸で休む?」っと言われた。こいつ頭が湧いたのかと思って半分聞き流していたが、生川にもそう言われるとは。
「最近、考えることが多くなってな、そのせいかもしれないな」
「無理しないで、それで潰れたら元も子もないんだから、悩みがあるなら相談乗るよ」
「そうか、ありがとな・・・・・でも、お前も無理するなよ」
「・・・・え?」
「気付いてないかもしれんが、お前最近顔色悪いぞ、目元の隈もひどいし」
「!?」
「こんな仕事だからな、そんな顔してる奴も珍しくないからスルーされがちだが、ストレスが体に悪い、コンディションの管理も仕事の内だ、偶に話す俺みたい奴じゃ話せないのなら軟田に相談しろ、あいつなら親身に聞いてくれるはずだ」
我慢強い生川だ、相当なことが起きたのだろう。起きてないにしてもかなり貯め込んでいるはずだ、そう言う時は誰かに話して聞いてもらうのが一番だ。俺だって教官の愚痴を軟田によく話しているし、部下達に上司(時衛隊長を除く)の愚痴言い合ったりしている。そんなことでもストレスは軽減されるものだ、やらないよりはマシなはずだ。
「・・・・・もう、いきなり何言うの、大丈夫だよ、何かあったら班長や軟田に相談するようにしているから心配しなくていいよ、心配してくれてありがとう」
「・・・・・・・・・」
嘘だな、目を見れば分かる。多くのクズ共を見て来たからこそ分かる。
「そうか、ならよかったよ」
今度、軟田と第2班の班長に聞いてみよう、ここで詰めても話してくれないだろうし。
その後は他愛のない話をしながら食事をした。
「ごちそうさまでした、じゃあ、私は失礼するよ」
「あぁ、またな」
生川は席を立ちお盆を持って返却口へ運ぼうと俺に背を向ける。
「・・・・・・」
その時、生川は4歩ほど進み、足を止める。
「? どうした足を止めて、何か忘れ物でもしたか」
「あ、いや、その、1つ言い忘れたことがあって」
そう言うと生川は振り返り綺麗な翡翠の目で俺を見つめる。
「今日は一緒に食べてくれてありがとう、後、これからも桜と仲良くしてね」
穏やかな笑みで言うその言葉は温かく、感謝の念が籠っていた。
「? そんないちいち感謝しなくていいぞ、また機会があったら食べよう、後、俺と軟田は仲良くない、あいつと俺はただの腐れ縁だ」
俺はちゃんとあいつと仲を否定しつつ、適当に返した。
「ふふ、そうだね、ごめんね変なこと言って、じゃあ」
生川は律儀に一礼して去って行った。
それが、俺が生川の最後の会話だった。
生川のことを聞いたのは5日後、彼女が部屋で自殺したっと団員達が話している時だった。
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