5. 「太陽の笑顔」
「ふぅ・・・・・」
静かに息を吐く。
大袈裟だが、覚悟を決めた。
とりあえず、謝る。
で、笑わせる。
それだけだ。
・・・・・難しいよな・・・・
ま、やるっきゃないか。
ハンバやけくそで瞳の部屋をノックする。
「瞳〜?母さんから・・・・」
ドアを開けると、暗い室内。
そして部屋の隅に体育座りでいる瞳。
「瞳!」
走って駆け寄る。
「ひっく・・・ひっく・・・・」
しゃっくりをしながら俺を見上げる。
「ひっく・・・・・ぅ・ぅわああああああん!!」
大声で泣き始める。
「ごめんな、瞳」
強く瞳を抱きしめる。
「うわあああん!」
泣きやまない。
「ごめん」
「うあああぁぁぁぁぁ・・・・ひっく・・・ひっく・・・」
だいぶ落ち着いてきたようだ。
「水希・・・ひっく・・・もう・・・あんな顔・・・ひっく・・・しないでね・・・」
「うん。しない。約束するよ」
こいつが泣く位だ。
酷い顔してたんだろうな。
「瞳・・・・」
「・・・ひっく・・・何?・・・」
「もう、あんな顔しないから・・・・笑って・・・・」
「・・・・笑ったら嬉しい?」
「嬉しいとかじゃなくて・・・・ん〜・・・・ハズいけど、俺は瞳が笑ってないと笑えないんだよ・・・・」
「・・・・ホントに?」
「うん。だから、笑って」
「・・・・うん。分かった。あたし笑ってるよ。太陽みたく」
太陽・・・か。
じゃあ、俺はお前にとって何になれるんだろう・・・・・
「その代り・・・水希は月みたく綺麗に光ってね?」
・・・・・・・月?
あの月?
そうか。月か。
お前の闇を照らしてやれるなら悪くないかもしれない。
「いいよ。月にでもなんでもなってやる」
そっと瞳から離れる。
本題に入る。
「これ、母さんから」
瞳に袋をわたす。
中身は知らない。
「えっ?何?」
袋を開ける瞳。
「・・・・・C・・・D?」
袋からは一枚のCD。
何の唄だろうか?
「水希。聞こ?」
瞳はコンポを持っていない。
だから俺の部屋に聞きにくる。
「ああ」
正直、俺も気になっていた。
そのCDに。
どこかで記憶が引っ掛かっていた。




