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ゆるふわ☆ぱ~てぃ~! どう見ても冒険者に見えないお嬢様が無双する!!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家


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第7話 今度は☆僕の自己紹介!

「泊まって行かれてもよろしいのに」

「いえいえ村長、夜にはグラナスに到着したいので」

「ありがとうございます、ありがとうございます」「ドーナツ美味しかったー!!」


 何度も頭を下げるお母さん、

 その隣で元気になった少年に、

 ナオミさんが厚紙の長い箱を渡す。


「お持ち帰りドーナツ12個です、どうぞ」

「わあ、いっぱい入ってるう!」「それでその、お代の方は」

「ジャック様~」「ええっといりません、そのかわりこの治療方法は、秘密ということで」


 おそらく変に噂になったら、

 冒険者活動どころじゃなくなるな、

 教会建ててこれで喰って行く気は今のところは無い。


(あくまで僕の意見だけれどね)


 舵のある席に座るナオミさん、

 その隣は今回はベティちゃんか、

 そして僕はアンさんと並んで村長にお辞儀。


「お邪魔しました、僕はもうこの辺境伯領を離れますが、

 これからもこの村をよろしくお願いします」「ですわ~」

「そうか、何か困った事があればいつでも」「いえまあ、お達者で」


 変にまた来ますとか言って、

 病人用意して待たれても困るからね、家を出された身だし!

 ということでアン嬢と一緒にキッチンカーの後ろから乗る。


(みんな手を振ってお見送りだ)


 こうしてトイレのためだけに寄ったはずが、

 思わぬお茶会と人助けをしてミムノ村を後にした、

 さすがにちょっと食べ過ぎたかな、お茶会二連続は。


「……って、あっという間に村が見えなくなった」

「さ~、後は街までお話を~」「う、うん、そうだね」

「私はぁ~、今度はジャックさまのお話が聞きたいですぅ~」


 ちなみにさっきのお茶会の中で、

 ベティちゃんは僕らを『さま』付けで呼ぶ事に決まった、

 まあ何でも良いのだが、ジャックさま、アンさま、ナオミさま、と。


「ええっとじゃあ本当に改めて、リーンダース辺境伯家四男ジャック15歳、

 自領でする事も無いので婿に出されました、合流して王都で婚姻手続きして終わりです、はい」

「では~、その後は~」「どうしましょう、って冒険者になりたいんですよね?」「そ~ですね~~」


 ここで前の席から振り返って僕を見るベティちゃん。


「それでぇ、リーンダース辺境伯家についてぇ~、くわしくぅ」

「あっはい、とにかく森が多いというか未開の地がとにかくある広い領地ですが、

 一番の仕事が『魔境の森』という、年中危険な魔物が湧いてくる『スタンピード』状態の場所を封印し続けるという」


 放っておくと街が次々と滅ぼされ、

 下手をすると最悪、王都まで流れて来かねないとか、

 またまた大袈裟な、というのはあの五差路での体験をすると、そうとも言い切れない。


「あのぉ~、それをしているのはぁ、封印は私共の村でぇ~」

「うん、そうだね、委託しているっていうか、封印の村もウチの領民だから」


 それに対して見返りは十分にあげているし、

 おそらくその流れでベティちゃんを辺境伯家に差し出されたのだろう、

 ただし魔法が使えないから使い道に困って僕に押し付け、後は知らないみたいな。


(これもまた、差し出した実績が村と辺境伯家の間にあれば、それで良いのだろう)


 ほんっと、面倒くさいね貴族ってやつは!

 でもこれが僕にとって最後のお仕事というか、

 貴族としてね、辺境伯領を一歩出れば、後はもう事実上、自由の身だ。


「私もぉ、もう魔法の使えない無能って言われなくなりますぅ~」

「ベティちゃんはベティちゃんで、あんな使い方があったなんてね」

「それで~ジャック様~」「はいはいアンさん」「ジャック様の能力は~」「それね」


 ブブーーッ!!


「うわっ?!」


 何か音が鳴ったと思ったら、

 車が急停止した?! びっくりした、

 何かと前方を見ると兵士が前を塞いだみたいだ。


「なんだこれは、降りて来い!!」


 あっウチの領兵だ、

 きちんと仕事してるなあ、

 ここは僕が真っ先に降りないとな。


(シートベルトとかいうのをしておいて良かった)


 むしろ、このためのベルトか。

 後ろのドアを開けて身分証を出しながら……


「すみません、これ、馬の居ない馬車のようなもので、魔石で動く新型の……」


 僕の顔と身分証を見て控える衛兵。


「失礼致しました、ジャック様でしたか!」

「通過に関しては聞いております、申し訳ありません」


 さすが領兵、

 僕のことはそりゃあわかるか、

 逆に言えば領地を一歩出たら、もうそれは通用しない覚悟が。


(このあたり、どうしようか)


 まあ王都に用事があるのは確かだし、

 そのあたりは僕の立ち回り次第かもね、

 一応の車チェックが終わって早々に解放される流れに。


「街まで警備の馬車を付けましょうか」「いや、この車のが速いし」

「では同乗を」「ええっとアンさん」「定員は~、四名ですね~~」

「ということですみません、まあまた止められたら僕が身分証見せれば良いだけですし」


 いっそウチの家紋でも前方に付けるべきだったか、

 でも、もう家を出されるんだからできればやりたくない、

 かといってそれこそ別の領地で、この車をよこせなんて言われたら……


(などと考えているうちに再出発です)


 領兵が敬礼で見送ってくれてら。


「ふう、面倒くさくてごめんね」

「いえ~、それでジャック様の能力は~」

「正直、魔法は使えない、剣の稽古はしてもらったけど、お察しで」


 ある程度の実力があれば、

 事実上の領兵司令官みたいな感じで辺境伯家に残れたかもだけど、

 そんなレベルには遠く及ばない、まあ冒険者になって力をつけていけば良いか。


「ですか~、私も何もありませ~~ん」

「でもアンさんの場合は、ほら、お茶会が」

「ナオミの能力ですから~」「それだ、それがそろそろ知りたい」


 このあたり、

 四人だけの空間の間に聞いておこう。

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