第6話 まさかの超☆回復魔法!
黒髪眼鏡メイドのナオミさんが大きな白い丸テーブルを召喚する、
いやほんと急に部屋が狭くなったがギリ大丈夫か、例の豪華な金椅子もある、
それ以外もふたつ、あとすでにこの場にある椅子も借りてセッティング完了だ。
「な、何をなさっているのですかな」
「村長さん、ええっとこれは多分、儀式と言うか魔法というか」
「お嬢様、準備が整いました」「では~、ベティ様~」「はいっっ!!」
村長の家の中で、
わざわざお茶会の準備を一から……
ルイド村長さんも座らされる、そして病気の子供はというと。
「お子様をテーブルの下へ」「は、はいっ?!」
「抱えて下へ、奥様も一緒で構いませんので、さあそうぞ」
「あのう、私は」「僧侶の方ですよね、出来れば席に着いていただければ」
お婆さんは席に座らされる、
あっ、ここは僕が協力して着かせてあげよう、
上手くアシストして、うん、テーブルの下(の母子)が気になるみたいだけど落ちついてくれたっぽい。
「それではぁ、お茶会を始めさせていただきまぁ~すぅ!」
主催席のベティちゃんが宣言すると、
例のオクラホマミキサーとかいう曲が流れ、
周囲に白い霧の塊りみたいなのが立ち上がってきた!
「こ、これはっ?!」
「村長さん心配ないです、ベティちゃんの光魔法をこうやって出しているだけかと」
「で、では」「まあお茶会を進行すれば効果が、ですよねアンさん?」「その通りです~~」
みんなに暖かい紅茶が淹れられる、
ナオミさん手際良いなぁ、さすが公爵令嬢お付きメイド、
熟女だけあって経験豊富っていう感じだな、落ちついた雰囲気が和ませてくれる。
「まずはリングリングドーナツです」
おお、丸いのが連結して輪になっている、
面白いデザインだな、味は……んぐ、美味しい!
ちょっともちもちした感じがたまらない、うん、ひとりひとつ、あっという間に無くなる。
「ほうほう、これは」
「村長さんも気に入りましたか」
「こういうお菓子は高いのよねぇ」
お婆さん何を現実的なことを。
「続いて黒糖味をどうぞ」
あっ、味が変わった!
濃い感じでこれもこれで美味しい、
みんなで食べていると周囲の光戦士という感じの輪郭が動き始める。
(いや、動いているのは杖を持った光の魔法使いたちだ)
そしてテーブルの下へ向かって光魔法を……!!
「あぁ、この光、暖かい……」
お母さんが声を漏らしている。
「では今度は普通のドーナツ、ストロベリーリングです」
これ、ピンクのコーティングが!
色的に大丈夫なんだろうか、甘い匂い、味も甘い!
いやほんと、二回目のお茶会でもペロリと食べちゃう!!
「貴女もどうぞ、美味しいですよ」
「あっはいっ、ありがとうございますっ」
メイドのナオミさんが皿に乗せて村長のお手伝いさんへ、
でも受け取ったが食べないな、そのあたりしっかりしているが、
ここは進行のために、食べて貰わないと、確かそういう決まりみたいな感じがする。
「すみません、魔法のための儀式なので食べちゃってください」
「今、ここでですか」「座って」「では、村長」「うむ許す」「では失礼して」
「紅茶も淹れますね」「ああっ、私の仕事では」「今はお茶会の参加者ですから」
婆さんはもうすっかり食べた上、
紅茶まで飲み干しちゃってら、ナオミさんが新たに注ぐ。
「ああっ、ラング! ラングぅ!!」
「ママ……なんだか、楽になってきたぁ」
その声にニンマリなアンさん、
いやほんと、どういう仕組みなのこれ?!
お茶会するだけで重病人まで治っていくという、いや魔法かけてるのはわかるけど。
「仕上げにアップルパイです、どうぞ」
四角いのが出てきた、
うん、サクサクで美味しい、
中のりんごも甘く煮しめてある、濃厚だ。
「ほうほうほう、これは素晴らしい」
「ルイドさん、食べながらヨダレはちょっと」
「すまない、しかしこれはなかなかの味ですぞ」
甘さがなんていうか、
この世界のレベルを超えている、
婆さんはどうかなって思ったら、もう全部飲み込んだ所だった。
(そして紅茶三杯目っと)
今更だけど、
このお茶会に出る料理、
お菓子って女性の方がより美味しく感じるっぽいな、表情でわかる。
「お腹空いた、ママー!」
「まあラング、すっかり元気に?!」
「うんー、もう痛くも、苦しくもないー!!」
治っちゃったみたいだ、
いいのかこれ、本当にいいのか、
これ、この世界の歴史を変えそうな代物だぞ?!
「ではお茶会に参加なさって下さい」
テーブルの端は上手い具合にベッドの横だ、
そこに座る母子、うん、子供はやつれてはいるが元気、もう大丈夫そうだ。
「それではお子様のためにとっておきの飲み物、
ホットミルクです、まずはこちらを」「あっいいな!」
「ジャック様も飲まれますか、では皆さんにも」「あっごめん」
思わず『いいな』とか言ってしまったのを、
アンさんベティちゃんが笑っている、まあいいや、
このミルクもミルクで上質な味、さすが公爵レベルのミルク。
(ルイド村長も母子を見て一安心だ)
ということで、
この後、お茶会はつつがなく進行して終わったのだった、
いや『婆さん食べ過ぎだろう』っていうのはあったけどねっ!




